【2025年最新版】共通テストから難関大まで対応！大学受験英語の王道勉強法

大学受験英語は、試験範囲が広く、リーディング・リスニング・ライティングといった複数のスキルが問われる教科です。
そのため、正しい順序を踏まずに勉強を進めると、膨大な時間がかかってしまいます。

限られた時間で合格点を取るには、何を・どの順番で・どこまでやるかを見極めた、戦略的な学習が不可欠です。

この記事では、その学習順序の考え方に加えて、英語の各スキルごとの具体的な勉強法も紹介していきます。

これ一本で、大学受験英語に関する悩みをすべて整理し、合格に向かって迷わず走り出せるはずです！

【英語を得点源に！】大学受験英語の勉強で必ず押さえたい3つの視点

大学受験英語でまず知るべき“3つのこと”

① 志望校から逆算した学習設計

② 学習の正しい順番を押さえる

③ 自分に合った参考書選び

この3点さえ意識できていれば、勉強の視界は一気にクリアになり、英語は必ず得点源にできます。
それぞれについて、具体的に見ていきましょう。

① 志望校から逆算した学習設計

まず大前提として、自分の志望校ではどの形式の問題が出るのかを確認しましょう。

• 和文英訳はあるのか？
• 文法問題は出題されるのか？
• 長文問題はどのくらいの語数で、どんなジャンルが出るのか？

こうした情報をもとに、何が必要で、何が不要かを見極めましょう。
ゴールから逆算して、得点に直結する力を優先的に身につけていきましょう。

② 学習の正しい順番を押さえる

次に大切なのが、英語学習の正しい順番を知ることです。

まず優先すべきは、単語力・文法力・解釈力、そして長文の基礎の4つです。
この土台があり、初めて本格的な長文読解に本格的に取り組むことができます。

ここで重要なのが、長文を読めるようになることは一つのスタートラインだということ。

リスニングでは耳で聞いた英文を頭の中で即座に読解する必要があります。
要約問題や自由英作文では、英文を自分の言葉で再構成する力が求められます。

長文読解のスキルは、全ての応用スキルに繋がっていく基盤なのです。

③ 自分に合った参考書選び

参考書は「有名だから」「友達が使っているから」といった理由で選んではいけません。
本当に重要なのは、自分の今の習熟度・学習段階にフィットしているかどうかです。

自分の現在のレベルとかけ離れたレベルの教材に手を出すと、学習効率が下がるどころか、モチベーションまで失ってしまいます。
参考書は今の自分に必要な内容が、今の自分のレベルで書かれているかを基準に選びましょう。

志望校から逆算した学習設計

配点と出題傾向を把握する

まず、志望校の英語試験で、何が・どのくらい出題されるのかを知りましょう。大学ごとに、問題の形式や配点の重み、難易度や出題意図には明確な傾向が現れます。

▼以下は、東京大学と慶應義塾大学法学部の英語試験を比較した表です。

このように、同じ英語の試験でも出題傾向や配点は大学ごとに大きく異なります。

限られた時間で合格点に到達するには出る分野にリソースを集中し、出ない分野に時間をかけすぎないというメリハリが必要です。
戦略的な学習計画を立てるために、出題傾向と配点を正しく把握しておきましょう。

以下の記事では、共通テストや大学の英語試験について詳しく解説しています。
志望校でなくとも、英語の試験でどこまで知っておくべきかの具体的な目安にしてみてください。

ゴールから逆算して学習スケジュールを立てる

次に必要なのは合格点を取るために、いつまでに何を仕上げるかを考えた学習計画です。志望校合格から逆算し、学習内容を月単位で可視化しましょう。以下は、実際に現論会で生徒さん向けに作成された年間スケジュールの一例です。

このように年間をフェーズごとに明確に区切ることで、自分が今どの段階にいるのかを常に把握しやすくなります。

年間スケジュールは全体像をつかむために大切ですが、それを実行に移すには週単位での計画が必要です。

このように週ごとにやるべきタスクを具体化することで、年間計画は実行可能なプランに変わります。

学習の正しい順番を守る

 英語学習の正しいステップを確認する

英語は、基礎から応用へと段階的に積み上げていくことが重要です。正しい順序で学習することで理解が深まり、勉強の効率も大きく向上します。

英語力完成までの道のりは一本の木に例えることができます。

まず固めたいのが、単語・文法・解釈・長文の基礎という4つの土台。これらは、英語力を育てる根にあたります。

そこから伸びるのが、幹となる長文演習です。
ここでは、一般的な長文問題集を活用して、これまでの理解度を確かめたり、実戦的な読解力を鍛えたりします。また、この段階で実際に過去問に触れることで、これから伸ばすべき分野がはっきりします。

最後に伸ばしていくのが枝葉となる個別のスキルです。
リスニング・英作文・要約などの分野別対策、あるいは志望校特有の問題形式に合わせたスキルは長文読解力がついて初めて成長させることができます。

志望校によって必要とされる英語スキルの形は異なります。
自分にとって何が必要かを見極めながら、優先順位をつけて伸ばしていきましょう。

自分に合った参考書選び

参考書選びの出発点は「自分を知ること」

参考書を選ぶにあたり考慮したいのが、自分の現在地と学習スタイルです。

• 使っている参考書は自分のレベルに合っているのか
• テンポよく学びたいのか、じっくり理解しながら進めたいのか
• イラストや語源解説がある方が覚えやすいのか
• 解説が多い方が安心できるか、シンプルな構成の方が集中できるか

などといった観点で、自分に合う参考書を選びましょう。

たとえば、単語帳一つをとっても、重視すべき要素によって選びかたは大きく変わります。

このように、自分の現在地と自分のタイプを掛け合わせて選ぶことで、最適な一冊が見えてきます。

以下の記事では、各参考書の特徴や選び方について詳しく解説しています。
自分に合った参考書を選ぶ際に非常に役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

もう忘れない！英単語の覚え方

もう忘れない！英単語暗記テクニック

①一回で完璧よりも繰り返しを重視

英単語は、最初から完璧に覚えようとしなくて大丈夫です。
まずはとにかく1周目を終えることを目標にしましょう。

1周目は意味をざっと目を通すだけでもOK。
2周目以降で、赤シートなどを使って思い出せるかどうかを確認していきます。

覚えきれていない単語には印をつけておいて、次の周でそこを重点的にチェックしましょう。
3〜4周もすれば、記憶が強化されスラスラと単語の意味が出てくるようになります。

②五感を使った記憶定着法

英単語を覚えるときに、ただ読むだけではなかなか頭に残りません。
そんなときは、目・口・手をいっしょに使うのが効果的です。

たとえば、単語を見ながら声に出し、意味を言ってみて、ついでにノートにさっと書いてみる。
こうして見て・話して・書いてをセットにするだけで、記憶に残りやすさがぐっと上がります。

少し手間はかかりますが、忘れにくくなるので結果的に効率的です。
さらに、スペルのミスを防げるというメリットもあります。

③アウトプットで記憶を強化

英単語を覚えるうえで意外と大事なのが、思い出す練習です。

英単語は覚えたつもりでも、いざ思い出そうとしてもなかなか出てこないものです。

たとえば、10語くらい覚えたら、ノートや裏紙に意味を見て英単語を書いてみましょう。
あるいは声に出して言ってみるだけでも、記憶の深さがまったく変わってきます。

毎日のちょっとしたスキマ時間に、小テスト感覚で思い出す練習を入れてみましょう。

英単語の学習に関する記事はこちら：

英文法の身につけ方

 効率よく文法を身につけるコツ

①まずはイメージで理解

文法は丸暗記ではなく、意味のイメージと一緒に覚えるのがポイントです。

• 過去形：過去の1点だけに起こったこと（足跡のようなイメージ）
• 現在完了：過去から今まで続く線（いまの自分にも関係がある）
• 仮定法：現実から1歩引いた場所での想像（だから過去形になる）

こうしたイメージをもつと、文法が自然に理解しやすくなります。

②型となる例文を覚えて応用力をつける

文法ごとに代表的な例文をひとつ覚えておきましょう。

文法の型をストックしておくと、英作文でも和訳でも応用が効き、即戦力になります。

という流れで効率よく身につけていきましょう。

英文法の学習に関する記事はこちら：

英文解釈

解釈は、文構造を捉え英語を正しく読むための練習です。

文構造のルールを知る

英語の文はSVOCや修飾のルールに沿って組み立てられます。
構文が違っても、根本の構造を見抜く力は共通して必要です。
まずは代表的な文型やパターンを整理して理解しましょう。

意味のブロックで読む訓練

構造を理解したら、語順どおりに意味をとる練習に進みます。
主語・動詞・修飾語などをかたまりで捉える読み方が大切です。
スラッシュや音読を使って、前から意味を流す習慣をつけましょう。

初めは短い文で構造を確認しながら読み、少しずつ慣れていきます。
やがて、一文の骨格を瞬時に見抜けるようになります。
この力がつくと、長文でも内容をスムーズに理解できるようになります。

英文解釈の学習に関する記事はこちら：

長文の読み方

英文を一文ずつ丁寧に読む力がついたら、次は長文をどう読むかを知りましょう。

接続詞・関係詞で構造を読む

接続詞や関係詞は、文と文の関係を示す大切な手がかりです。

• 接続詞（that, because, although など）
  　→ 文と文のつながり（主張・理由・逆説など）を整理する
• 関係詞（who, which, that など）
  　→ どの語を修飾しているかを正確に読み取る

こうした構造のサインを見落とさずに読むことで、文の全体像がつかみやすくなります。

パラグラフリーディングで要点を掴む

英語の長文は、段落ごとにテーマや主張が整理されています。
特に段落の冒頭や末尾、そして接続語に注目しながら、筆者の主張や論理の流れを読み取りましょう。
段落の要点や段落ごとの関係性を頭の中でまとめながら読みましょう。

以下の記事では、長文の読み方から演習まで、おすすめの参考書を段階別に詳しく紹介しています。

長文問題のさらに詳しい勉強法についてはこちら：

英作文の書き方

英作文は、英語の受験対策の中でも特にハードルが高く感じやすい分野です。
ですが、内容がシンプルでも、正確で論理的に伝わる英語が書ければ、十分に得点することができます。

ここでは、特に初学者におすすめしたい、英作文力を伸ばすための2つの基本方針を紹介します。

よく使う表現をストックしておく

英作文をスムーズに書けるようになるためには、頻出の表現や構文をあらかじめ覚えておくことが有効です。

英語では、日本語のある表現に対して定番の言い回しや型が存在します。こうした基本表現を繰り返し使っていくことで、徐々に応用も効くようになっていきます。
こうした型をストックしておくことで、安定して書けるベースが作られます。

自分の使える表現で書く

英作文で最も大事なのは、ミスをせずに伝えること。そのためには、自分が確実に使いこなせる表現だけを使うという方針が効果的です。
またこの学習法を通して、言いたいことを英語で自分の表現に言い換える練習が自然とできます。繰り返しの中で、自分が自信を持って使える表現が増えていき、それがそのまま英作文の力になります。

英作文の学習に関する記事はこちら：

リスニングの勉強法

まずは発音とアクセントを身につける

リスニングの学習を始めるにあたり、まず英語特有の発音やアクセントのルールを知りましょう。

発音やアクセントに絞ってわざわざ勉強するのは非効率ではないかと思うかもしれません。しかし、早い段階で音の特徴を理解しておくと、演習に入ったときに一度で聞き取れる単語、文章がぐっと増えます。そのため、実際は大幅に時間を節約することができます。

 シャドーイング

リスニング力を本格的に伸ばすためにぜひ取り入れてほしいのが、シャドーイングです。
これは、聞こえてきた音声を少し遅れてマネしながら発音するトレーニング方法です。

正しく聞き取れていないとマネできないため、自然と音への集中力が高まります。さらに、ネイティブに近いスピード感やリズムも身につけることができます。

かなりの難度の高い方法ですので、最初のうちは簡単な文章でスクリプトを見ながらでも十分です。
徐々に慣れてきたら、スクリプトを見ずに音だけで挑戦するなど、段階的に負荷を上げていきましょう。

まとめ

ここまで、大学受験英語を伸ばすための根本的な考え方と、実践的な勉強法を紹介してきました。
英語は、志望校から逆算して今すべきことを正しく実行できていれば、必ず伸ばせる科目です。
この記事が日々の学習に役立つことを願っています。合格まで一歩一歩着実に歩んでいきましょう！

監修者

現論会ジャーナル編集長 寺田貴博

開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。