【2021年最新!】大学入学共通テストの傾向と対策まとめ!センターとの違いも!
日本政府が掲げる教育改革の大きな柱、「大学入学共通テスト」
二転三転を繰り返し、その度に2021年入学の受験生が翻弄されており、正しい情報を得るのが難しい状態でした。
しかし、一度21年の形は定まり、受験生はそこに対してきちんと対策をすれば良いというところまできました。
大学入学共通テストの特徴について、センター試験との違いやプレテストの状況を踏まえて、解説していきます!
共通テスト難易度予想はこちらの記事から!
【受験生必見】大学入試共通テストの難易度徹底検証!!
大学入学共通テストとは
最終的に記述式を行わないと決定され、従来のセンター試験とあまり変わらない形に落ち着いた大学入学共通テスト。
一方で、内容面はどのように変わっているのでしょうか?
センター試験を作成してきた大学入試センター、そして文部科学省の方針によると、従来議論されてきた記述式問題や、英語の民間テスト成績提供などの導入は見送られることになりました。
この発表だけ見ると、マーク式が変わらないなら実際のところセンター試験と変わらない対策をやっていけば良いのだろうと考える受験生が多いのではないでしょうか?
しかし、従来のセンター試験対策とは異なる勉強を行っておかないと、思わぬところで足を掬われる可能性があります。
記述式には無くなれど、内容面において、昨年発表された問題作成方針は従来検討されていたもののままになっているからです。
その中心となるのが、この文言。
共通テストでは、高校教育を通じて、大学教育の基礎力となる知識及び技能や思考力、判断力、表現力がどの程度身に付いたかを問うことをねらいとしています。
共通テストにおける問題作成の方向性と本年11月試行調査の趣旨より引用
表現力は記述式の削除に伴い問うことは難しいですが、そのほかの思考力・判断力が知識と同程度に重視されることとなります。
そしてその方針は、資料読み取りや、日常の問題を学問的知識を使って解くという問題として現れています。
プレテストを見てみると、長いリード文、グラフ、チラシ、図表、歴史的資料など複数の資料が与えられ、それを注意深く読み解いて問題に解答する問題が文理両方の科目で見られました。
さらに、国語で法律の条文、数学で学園祭における売上考察、英語で診察のシーンなど、大学生以降社会に出た時に役立つようなシチュエーションに乗せて、高校教育の内容を問う問題も見られました。
今までのセンター試験のように、確実な基礎的知識と直前の慣れで乗りきることが難しい、特殊な問題構成になっています。
こうなると、センター試験よりも難しく、特殊な対策をしていく必要があると認識すべきです。
実際、試行調査において、平均得点率は5割程度と想定されていました。
センター試験では平均得点率は6割と想定されているので、難化していることは間違いありません。
大学入学共通テストは、「知識」に加えて、「思考力、判断力」が問われる、新たな時代のテストなのです。
大学入学共通テストは、資料読み取りや日常に近い問題設定で、思考力が問われる!
科目ごとの傾向
さて、それでは大学入学共通テストの概要を掴んだところで、科目ごとにどのような問題が出題されるのか、その傾向をみていきましょう!
英語
大学入試共通テストの中でも大きな変化が見られるのは、英語でしょう。
まず、配点が大きく変わります。
今までは文法も含めたリーディングが200点、リスニングが50点という配点でしたが、大学入試共通テストからリーディングとリスニングの配点が100点ずつの均等配点になります。
これにより、リスニングの重要性が非常に高まったことがわかります。
さらにリーディングの出題内容も大幅に変更。
従来出題されていた「発音やアクセント」や語句を並び替える問題など、文法的知識を確かめる問題が出題されなくなります。
そして、その代わりに、全て読解問題で揃えられることになります。
読解問題と一言でいっても、従来型の読解問題だけでなく、チラシやポスターの読み取りなど、様々な形の英文が登場。
柔軟な読解力・正確なリスニング力など、実践的な英語力が求められることになります。
対策としては、受験的な問題演習だけでなく、英語の新聞記事、ニュース、TEDなど生の英語を読み聞きしていくことがベストでしょう!
※より詳しい解説はこちらの記事で
数学
共通テストの数学では、今まで強く問われなかった立式の能力が求められてきます!
数学は、記述式になる予定であった問題が従来通りのマーク式として残るため、当初の計画通りの分量となり、試験時間が10分伸びた70分間となります。
従来通り、基礎的知識・数学的思考力を問題を解く過程を丁寧に追わせながら解く問題も出題され、英語ほどの大きな変化はないでしょう。
しかし、センター試験より思考力を問う問題として、日常的なシーンにおいて数学的知識を活かすような問題が出題されます。
例えば、文化祭でTシャツを売る時の様々な計算を、方程式として立式させ、そこから数学の問題に移行していく問題や階段の「踏面(ふみづら)」の範囲を求める問題です。
「長いリード文をきちんと読み解き正確に立式する」、という今までの受験では問われてこなかったような出題が目立つので、ここに対して対策をうっていく必要があります。
各予備校の模試でも似たような類題の作成が進んでいますので、こうした例題を解きこなし、落ち着いて解答出来るようになりましょう。
※より詳しい解説はこちらの記事で
国語
今までより横断的で本質的な読解力が求められることになります!
記述式問題の導入が大きく物議を醸し、結論として無くなったため、大きな変更は見られません。
記述式問題に充てていた大問1問をなくすことで、センター試験と全く同じ試験時間80分、そして50点×4の大問構成をキープしています。
現代文・小説・古文・漢文の構成が変わらない中で、変わってくると考えられているのが、読解問題の題材。
問題の作成に当たっては,大問ごとに一つの題材で問題を作成するだけでなく,異なる種類や分野の文章などを組み合わせた,複数の題材による問題を含めて検討する
出題教科・科目の問題作成の方針より引用
つまり、一つの大問の中で複数の文章が与えられ、それらを組み合わせて読解する必要があるわけです。
さらに、親子や教師・生徒の会話の場面を導入し、これらを元に問題を解かせる出題もあるようです。
こうした様々な題材を横断的に読みこなし、問われている題意を捉えて、解答する能力が求められます。
読む量が増えれば必然的に時間が足りなくなっていくので、国語の対策においてはやはりスピードと正確性を重視した勉強を行っていく必要があります。
※より詳しい解説はこちらの記事で
社会
資料の読み取り問題が増えることで、理解力が問われる試験になるでしょう!
科目数は従来と大きくは変わりません。
地歴として、「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」。
公民として「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」。
これらの計10科目から最大で2科目を選択していきます。
そして、この全ての科目で、それほど大きな変化はありません。
今まで通り正確な知識と思考力があれば十分対応可能な問題構成となっています。
ただ、もちろん変更点はあります。
まず、全体として問題数が減っています。
そして、今までより問題を減らす代わりに、長いリード文や、複数の資料読み取り、時代背景や因果関係の理解にフォーカスした問題が増えています。
こうした問題に対しては、教科書をきちんと読み込み、知識の詰め込みで終わらない体系的な知識を身につけて対策するのがベストです。
さらに、一部では複数の選択肢の中から正しいものをすべて選ぶ問題も出題されています。
全体的に難易度では上がっているので、今まで以上に気を張って、共通テスト対策を行っておく必要があるでしょう
科目別対策記事をまとめました!
世界史:【満点・9割!】大学入学共通テスト世界史対策はこれひとつ!過去問の使い方や勉強法まで!
日本史:【満点・9割!】共通テスト日本史対策はこれひとつ!時間配分や勉強法まで!
理科
現実に即した事例で、より実践的な能力が問われることになります!
理科では、科目において大きな変更が一つあります。
それは理科専門科目における選択問題の削除。
選択問題がなくなるため、全ての分野において得点できる能力をつける必要があります。ヤマを張るのはご法度です。
そして、これまで説明してきた各科目と同じように、日常や実際に起きる現象を題材にした問題が増加し、正しい立式ができるかどうかの能力を問われるようになりました。
実際、プレテストでは、物理にて力士と高校生が相撲を取った時の力の動きを文字で置いたり、立式したりといった問題が出題されたり、化学にてカセットコンロ用ガスボンベの仕組みを題材にした問題が出題されたりと、今までにはないような問題が並んでいました。
数学などと同じように、根本的な原理や公式をきちんと理解した上で、与えられた題意を読み解き、きちんと立式していくことが求められているのです。
まとめ
この記事では大学入試共通テストに関してどのような傾向があるのか、各科目ではどのような出題がなされるのか、それにどう対応すべきなのかを見てきました。
総じて言えるのは、知識を覚えるだけでなく、深く理解し、その応用力を問われるような問題になるということ。
付け焼き刃の受験知識ではなく、将来にも役立つ教養として、深い理解を目指し、勉強を進めていきましょう!
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