【物理と数学の関係】物理に微積分は使うべきか
物理を苦手とする人の主な原因の一つに、そもそも数学が苦手だからという人がいます。
確かに、物理と数学は切っても切れない関係にあります。
しかし、それら数学知識を理解できれば、物理現象の理解は今までよりも深く、理解できるようになります。
物理に用いられている数学知識の中でも代表的なものがあります。
それは、微積分の考え方です。
微積分を使うことで物理をより体系的に理解することができますが、具体的に明示している参考書はそれほど多くありません。
ここでは、微積分の知識が物理のどのような考え方に役立つのか、そして微積分を用いて物理を説明している参考書についていくつか紹介したいと思います。
微積分を使った物理の考え方
現行の高校物理教科書では、微積分の知識がないことを前提として、微積分を使わずに教科書が作られています。
そのため、物理のどこに微積分を使うのか、わからないという方もいるかもしれません。
まずは、微積分が物理のどの場面で用いられているのかを紹介します。
力学
力学で微積をどのように使えるのか見ていきましょう!
例えば、運動方程式 ma=F から、加速度aが求まりますね。
ここから、加速度aについて、時間tで積分することにより、速度vを求めることができます。
さらに、同じく速度vを時間tにより積分することで位置xを求めるkとおができます。
このx、v、aの三つの関係式は、高校物理では暗記する公式として教科書に載っています。
しかし、微積分の知識により、暗記ではなく理解して公式を使うことが可能になります。
それにより、試験で公式を忘れてしまったという事態を防ぐことができます。
さらに、位置、速度、加速度に関してお互いの互換性を把握できることにより、一つの式を立てれば、残りの式を求めることも可能になるわけです。
バネの絡んだに物体運動など、式が作りにくい問題でも、比較的式を立てやすい一つを立式することで、エネルギー関係などから迂回して求めるより遥かに効率よく必要な値を求めることができるようになります。
暗記ではなく、理解して式を導けるようになる!
電磁気学
電磁気で微積がどのように使えるか見ていきましょう!
電磁気学で、最も微積も恩恵を受けることができるのは交流回路の分野です。
微積分を使わないように作られている教科書などでは、これらは全て暗記事項として取り上げられています。
交流回路は、学校の授業では電磁気分野の最後に触れるだけのところが多い、なのに入試問題は特に頻出で難しい問題が多いということもあり、多くの受験生を苦しめてきました。
式の数も多く、また、理解できていないために応用が効かないために、多くの受験生が交流回路に苦しめられ、苦手としているのです。
多くの受験生が苦手とする鬼門、交流回路の問題ですが、微積分を使うことで遥かに解きやすくなります。
微積分を使うことにより、電流iの値から、抵抗、コイル、コンデンサーの電圧と、必要な情報を求めることができるようになるのです。
このように微積分を使うことで、不必要な丸暗記を避け、しっかりと理解し、応用することができるようになります。
何度も繰り返していますが、交流分野は入試頻出分野にもかかわらず毎年苦手とする受験生が続出している分野です。
これを機に、微積分を使って交流分野を得意分野にし、大きなアドバンテージにしましょう!
微積分を使うことで交流回路の問題を得点源にできる!
微積分が用いられている参考書
微積分を用いて解説されている物理の参考書を見ていきましょう!
新・物理入門
特徴
特徴
・物理の参考書、問題集の中で最もレベルが高い
・微積分を使って、暗記で対応していた部分を理解できるように説明されている
微積分が用いられている物理参考書の代表とも言えるのがこの、新物理入門です!
高校物理の一般的アプローチと異なり、大学で学ぶ物理学の考え方を軸としているため、微積分の考え方は当然のように出てきます。
数々の物理現象に対して、暗記ではなく、なぜそうなるのか、どのように求めるのかを全て解説してくれているので、今まで暗記で対応していた部分が全て理解して使えるようになるます。
理解して物理を解けるようになることで、応用問題にも幅広く対応できるようになります!
使い方
使い方
・授業、普段の勉強の副読書として使用
・式の導出を中心に、暗記に頼りがちな部分を理解
新物理入門は内容も難しく、1人で1から理解するには時間もかかりますし、わからない部分も多くなり、挫折してしまうことが多いです。
ですので、新物理入門を使うときには、学校や塾の授業、自身の参考書を用いた勉強の副読本として利用することをおすすめします!
この参考書が理解できれば、今までは暗記に頼っていた式の導出などが全て理解して自分の力で導けるようになります。
また、別の参考書や問題集をやっていてわからない部分や曖昧な分野があったときに確認としてこの新物理入門に取り組むのも効果的です。
また、新物理入門についてさらに詳しく知りたい方は、[参考]で確認してみてください!
新物理入門は物理の理解を助ける副読本として使用する!
[参考] 新物理入門の難易度は?難関大対策に必須新物理入門の使い方とは!?
理論物理への道標
特徴
特徴
・微積分など、高校物理で使わない数学的知識、発展的考え方が省略することなく書かれている
・大学数学の知識についても説明がなされている
微積分が解説に用いられている参考書としておすすめしたいもう一つの参考書は、理論物理への道標です!
理論物理への道標も、新物理入門と同様に最もレベルが高い物理参考書の一つであり、主に東大や京大などの最難関大学を目指す人向けの参考書です。
高校物理で曖昧にされる部分のしっかりした数学的説明が欲しいが、難しい数学の説明を理解する自信がないという方は是非この参考書を読んでみてください!
この本は、微積分の他にも、大学数学で習う数学知識や発展的な考え方などが用いられていますが、その都度数学知識についても説明されています。
そのため、高校範囲までしかわからなくても、十分に物理の理解ができる内容となっています。
使い方
使い方
・授業、普段の勉強の副読書として使用
・問題演習の復習の時に発展事項を理解するために使用
理論物理への道標の使い方については、新物理入門と同じように学校や塾の授業、自身の勉強の理解を助けるための副読本として使用するのが良いでしょう。
また、理論物理への道標には、たくさんの発展知識や発展事項が掲載されているので、過去問などで問題演習を行った時に、その分野の発展事項を参考するためにこの本を使うのもいいでしょう。
難関大学では発展事項を題材にした入試問題は毎年多く出題されているので、本番似たような問題に出会う可能性もあります。
そういった意味でも、発展知識の確認はしておいて損はないでしょう。
理論物理への道標発展知識の理解、確認に使用!