古文解釈の方法:現代文講師が読む価値を徹底解説
監修者
■柳生 好之(やぎゅう よしゆき)
■リクルート「スタディサプリ」現代文講師。難関大受験専門塾「現論会」代表。
■早稲田大学第一文学部総合人文学科日本文学専修卒業。
■「文法」「論理」という客観的ルールに従った読解法を提唱し、誰でも最短で現代文・小論文ができるようになる授業を行う。その極めて再現性の高い読解法により、東大など最難関大学を志望する受験生から現代文が苦手な受験生まで、幅広く支持されている。
■主な著書に、『大学入試問題集 柳生好之の現代文ポラリス1基礎レベル・2標準レベル・3発展レベル』(KADOKAWA)、『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』(かんき出版)、『入試現代文の単語帳 BIBLIA2000 現代文を「読み解く」ための語彙×漢字』(Gakken)などがある。
執筆者
現論会ジャーナル編集長 寺田貴博
開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の執行役員。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。
この記事のポイント
• 駿台の名著『古文解釈の方法』を取り上げ、その内容と活用法を解説
• 現代文講師としての視点から、古文解釈と現代文の共通点を深掘り
• 受験生が直面する課題と克服のヒントを提供
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①『古文解釈の方法』とは?
名著に秘められた価値とは
駿台文庫から出版されている関谷浩先生の『古文解釈の方法』。
受験指導に携わる講師陣の間でも「古文解釈のバイブル」と称される一冊ですが、受験生には「難解」と敬遠されがちです。
この本が提供する「古文を読み解く力」をどう活かせるのかを紐解いていきます。
内容解説:主語と述語に注目する大切さ
本書では、「文の意味のまとまり」を掴むことの重要性が説かれています。
例えば、接続助詞「て」「つつ」で繋がる文は同じ主語が続くことが多いので、スムーズに読み進められます。
一方、「ば」「に」「を」で繋がる文は主語が変わる場合があり、意味の切れ目として捉えるべきです。
この視点が古文読解の基礎となります。
現代文との共通点
現代文読解でも「主語・述語の関係」や「修飾・非修飾の関係」に注目します。
これらは古文読解の基礎とも一致し、共通の分析手法を習得することで、現代文と古文の双方で力を発揮できます。
②動詞と助動詞を掴む:「む」と「べし」の核心
助動詞「む」の本質
「む」には「推量」「意志」「勧誘」など複数の意味がありますが、本書では「未確定な事態」として一貫して説明されています。
これにより、文中で「む」が出現するたびに「未確定」という視点を持つことでスムーズな解釈が可能になります。
助動詞「べし」との違い
「べし」は「む」に比べて「当然性」や「必然性」が強調された助動詞です。
本書ではこの違いを論理的に説明しており、意味の整理がつきやすくなります。
③接続助詞「ば」に学ぶ論理的な読解力
条件法の視点で古文を読む
接続助詞「ば」の役割は論理学における「条件法」で説明されています。
この視点は、論理学でいう「AならばB」の関係に通じ、古文だけでなく現代文や英語の読解にも応用可能です。
読後の感想:受験生に薦めるタイミング
『古文解釈の方法』は内容が高度で、すべてを吸収するには相応の読解力が求められます。
受験生が基礎を固めたうえで、大学進学後に改めて読むとさらに深く学べる一冊です。
時間に余裕がある方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
• 古文解釈に革命を起こす名著:古文読解の基本から論理的な思考まで学べる
• 現代文や英語との共通点:一貫した分析手法が他科目にも応用可能
• 受験生にとっての注意点:基礎固めを優先し、難解な部分は講師や参考書の助けを借りることが大切
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