【2025年最新版】共通テスト公共・政経の勉強法を徹底解説|高得点を狙うための最短ルート

共通テスト、私大二次の公共・政経は正しい順序を踏まずに勉強を進めると、膨大な時間がかかってしまいます。
限られた時間で合格点を取るには、何を・どの順番で・どこまでやるかを見極めた、戦略的な学習が不可欠です。
政経は、公共の発展科目として、現代の政治や経済を学んでいく科目です。
私大の二次試験では地歴の代わりに利用できる場合もあるため、選択する受験生が多いです。
本記事では、共通テスト、私大二次に対応できる攻略ルートを明確に示し、他の科目に時間を割きながらでも効率良く政経の得点力を伸ばす方法を解説します。

この記事では、共通テストの公共・政経のうち、おもに政経を中心にお伝えしていきます!
政経を攻略するための3つの視点
共通テストで高得点を取るためには?
共通テストの公共・政経で高得点を狙うには、やみくもに問題を解き始めるのではなく、まず全体像を押さえてから学習に入ることが大切です。
そのために意識してほしいのが、次の3つの視点です。
- 政経について知る
科目の特徴や出題範囲を理解し、どんな力が必要かを把握します。 - 共通テストについて知る
試験時間や大問構成、出題傾向を知ることで、学習の方向性を掴みます。 - 学習の進め方を設計する
正しい学習順序と計画を立てることで、効率的に高得点を狙います。
この3つを学習に取りかかる前に整理できれば、準備は万全です。
あとは正しい手順に沿って勉強を進めるだけで、公共・政経を安定した得点源に変えることができるでしょう。
倫理について知る
内容と出題範囲を理解する

(東京書籍 令和8年度用高等学校教科書のご案内 政治経済より引用)
公共のうち、倫理分野は「公共空間の形成」という、高校教科書の第一部にあたります。
高校教科書の第二部である「社会のしくみ」は、政治経済分野となります。
政経では公共で学んだ政経分野をさらに深めていくという学習となります。
共通テストでは、教科書全体から幅広く出題されることが明言されているため、公共、政経ともに全分野をバランスよく学習することが高得点への近道です。
共通テストについて知る
試験形式と出題傾向を理解する
共通テストでは、歴史・地理・公民のうち、必要な1科目、もしくは2科目を選択して解答します。

試験時間は1科目60分となっており、2科目受験の場合は合計で120分となります。
大問構成は、2025年度共通テストでは6問へ増えましたが、設問数やマーク数は変化していません。
配点は、公共分野が25点、政経分野が75点となっており、政経の比重が大きくなっています。
政経分野では、統計のグラフや表、図などの読み取りや、長めのリード文を読む問題が出題されます。
2025年度では、一次関数のグラフを用いた計算問題という、慣れていないと戸惑う問題も出題されました。
こうした特徴は戦略的に準備をすれば周囲と差をつけやすいことも意味します。
重要な制度や原理などの内容を理解し、グラフ読み取りのトレーニングなどを行えば、政経は共通テストで安定して高得点につなげやすい科目となります。
番外編:倫理と政経、どっちがいい?
多くの受験生は共通テストの社会科目を、世界史・日本史・地理から1科目、公共、倫理・公共、政経から1科目を選ぶことになります。
そこで受験生が迷うこととして、倫理と政経のどちらを選ぶか?という点です。

(大学入試センター 共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験))
上は令和7年度の共通テストについての表です。
倫理よりも、政経を選ぶ受験生が圧倒的に多いことが分かります。
政経は、公共と学習範囲が似ているため学習しやすいことや、私立大学の2次試験で地歴の代わりに利用しやすいことが理由として考えられます。
政経と違い、倫理は私大2次の利用はほとんどできません。
また、高校によっては授業が政経のみの場合もあり、倫理を独学しなければならないことも、倫理が選ばれにくい理由となっているでしょう。
実際に倫理・政経を選ぶ理由は様々です。
受験で必要な公民を勉強する上で、なにを優先するのかをぜひ考えてみてください!
学習の進め方を設計する
正しい学習順序を知る
政経は、正しい順序を踏めば誰でも着実に得点を伸ばせる科目です。
その学習は、大きく3段階に分けて積み上げていくのが基本です。

体系学習
政経の全体を把握します。
過去問
共テは資料や図から読み取る問題や、文章を読んで考える問題が出題されます。共テに対応できるよう、過去問や模試で練習していきましょう。
問題演習
重要単語である各制度や原理の意図や背景、内容まで理解します。
本番から逆算した学習計画を立てる
共通テストまでの限られた時間で高得点を狙うには、質の高い学習計画が不可欠です。
まずは本番から逆算して、学習内容を月単位で可視化していきましょう。以下は、実際に現論会で生徒向けに作成された年間スケジュールの一例です。

このように年間をフェーズごとに明確に区切ることで、自分が今どの段階にいるのかを常に把握しやすくなります。
年間スケジュールは全体像をつかむために大切ですが、それを実行に移すには週単位での計画が必要です。

このように週ごとにやるべきタスクを具体化することで、年間計画は実行可能なプランに変わります。
他の教科とのバランスを意識しながら効率よく仕上げていきましょう。
自分に合った参考書選び
参考書・問題集の選び方を知る
政経の学習を進める上では、自分にとって最適な参考書や問題集を選ぶことが欠かせません。
すべての教材は、基礎・標準・応用・発展といった難易度の軸と、体系学習・問題演習といった学習段階の軸に分類できます。
以下の図は、各学習段階における代表的な教材を、レベルごとに整理したものです。

また政治・経済は、私大の二次試験で使える場合もあります。
私大二次対策用の参考書は以下の通りです。

早慶レベルの私大を目指す人は、「畠山のスパっととける政治・経済 爽快問題集」を終わらせたあと「政治・経済 標準問題精講」へ進むとよいでしょう。

次の章からは、いよいよ各段階の具体的な勉強法を紹介していきます!
復習におすすめ!スタディサプリ
映像授業のスタディサプリでは、
- 「ベーシックレベル公共」
(倫理分野と持続可能な社会の学習を中心に!) - 「高1・高2・高3政治経済」政治編・経済編
(知識インプット) - 「共通テスト対策講座公共、政経」
(大問ごとの対策)
という講義が視聴できます。
公共の授業をもう一度聞きたい!という方や、高校の授業の復習用に視聴するのもおすすめです!
スタディサプリは講義ごとに確認テストがあるので、受けっぱなしにならない点がメリットです。
講義内容の理解度を把握できるので、復習のための手掛かりにもなります。
また、
- スマホでいつでも講義を見られる
- 分からない部分を巻き戻せる
- 何度も同じ講義を受けられる
もスタディサプリの強みです!

現論会では志望校に合わせて、参考書とスタディサプリを組み合わせた学習計画を作成しています!
政経の勉強法
体系学習
政経の体系学習では、公共で学んだ政経分野の発展を学習していきます。
まずは科目全体の流れと主要なキーワードを把握します。
特に、三権分立、市場経済の原理、国際協力の枠組みなどの制度の仕組みや基本原理を理解することに重点を置きましょう。
高2生
多くの高校では、高1で公共、高2以降に政経の授業が行われます。
制度の仕組みや基本原理を授業内で押さえられると、学習の負担がぐっと減らせます。
国語、英語などの主要科目に時間を割けるよう、学校の授業を最大限に活用することが効率的です。
高3生・受験生
体系学習に不安がある場合は、「蔭山の共通テスト 政治・経済」での復習がおすすめです!
高3以降は、模試や過去問を使っての演習がメインとなるため、できるだけ早い時期に復習を終わらせておきましょう!
体系学習の際は、個別の知識をバラバラに覚えるのではなく、「なぜその制度があるのか」「その出来事の背景には何があるのか」という因果関係や関連性を常に意識することが、共通テストの対策につながります!
重要単語の内容や背景を理解するには、自作の単語ノートを作ってまとめたり、友人に教えたりするなど、アウトプットを行うとより自分の中で整理できるためおすすめです!
とりあえず過去問
体系学習を終えたら、まずは過去問に取り組みます。
「え、ここでいきなり過去問?」「まだ学校の授業受けただけなんだけど……」と思った人もいるかもしれません。
そんな人こそ、ぜひ問題集に取り掛かる前に過去問を解いておくことが重要です!
過去問を解く目的は、「実力試し」ではなく「問題形式の把握」と「弱点の特定」です。
政経よりも、英語や国語、数学に時間を使いたい人がほとんどではないでしょうか。
問題形式の把握や、弱点の特定ができれば、志望校や共テの目標点数に合わせた問題集を選ぶことができ、無駄な勉強を避けられます。
効率よく学習するからこそ、ぜひとりあえず過去問を解いてみてください!
高2冬~高3春夏
高校の授業が一通り終わった高2冬から、高3の夏休みまで一度過去問を解いてみましょう。

共テ、私大二次は傾向が異なるので、受ける可能性のある大学やテストの過去問はすべて解いておきましょう!
共テは資料読解や思考力を問う問題が多いのが特徴です。
単なる知識の有無だけでなく、「与えられた資料から何を読み取れるか」という情報処理能力も同時に確認しましょう。
私大の二次試験では、時事を絡めた問題がよく出題されます。
志望校の傾向を把握しておくと、問題集や「図解でわかる時事重要テーマ100」「政治・経済 計算論述特訓問題集」などでの対策がしやすくなります。
問題演習
問題演習では、過去問で把握した弱点や傾向を対策していきます!
高3生・受験生
概要把握、過去問は遅くとも夏までに終わらせて、夏休みからは問題演習に入ります。
過去問で判明した苦手分野は、参考書の該当ページに戻ってその分野の問題を徹底的に解き込みましょう。
その際、忘れていた単語をただ暗記するだけではなく、制度や決議の意図や背景、内容まで理解して押さえておくと、共テや私大二次の対策となります。
時事問題は、直近のニュースや統計データを扱った問題が出題されやすい傾向があります。
ニュースや新聞に触れる習慣をつけ、日本の内閣の動き、世界情勢、最近の法改正などの主要な時事を、これまでに学んだ基本原理と関連付けて理解しておきましょう。

たとえば2025年度の早稲田大学法学部の政経では、ロシアのウクライナ侵攻が取り上げられました。
また問題集を解く際は、不正解だった選択肢の内容を検討してください!
正解の選択肢は、なぜ正しいのか、その根拠となる記述や時代背景を教科書や参考書で確認します。
不正解の選択肢は、どこが間違っているのかを確認し、正しい記述に書き直してみましょう。
選択肢になりやすい制度や、選択肢にあったら気を付けるべき単語が、だんだんと分かるようになってきますよ!
共通テスト対策
2025年度の共テでは、初めて見るグラフや図からの読み取りや、長い会話文を読む問題が出題されました。
そのような問題に対応していくには、応用問題の演習を行うこと、そして知識問題で時間を使わないことが重要です。
知識問題の対策は、とにかく問題演習を重ねていきましょう。
問題集や共テの過去問、センター試験の過去問を中心に、弱点をつぶす演習を心がけましょう。
読解問題や応用問題については、センター試験の過去問や模試で対策していきましょう!
二次試験対策
政経の二次対策は、私大対策向けの問題集による問題演習と、時事、計算、論述対策が必要です。
私大向けの参考書はこちらです。

私大の二次試験は共テと傾向が異なり、長めのリード文や資料や図の読み取り問題が少なく、一問一答形式の知識問題が多い傾向にあります。
共テよりもマニアックな知識が問われることもあり、いかに重要単元の用語を覚えるかが重要となります。
また出題範囲の傾向がある大学も多く、日本経済史などよく出る分野があります。
そのため、政経の私大対策としては教科書の内容を理解し、知識を定着させることを目指します。
GMARCHレベルであれば「私大攻略の政治・経済」、早慶レベルであれば「政治経済 標準問題精講」で知識の抜け漏れを減らすことを優先しましょう。
時事問題は日ごろからニュースに触れておくことが重要です。
テレビやYoutubeのニュース番組、また新聞やインターネットのニュースサイトなどで国際政治や法改正に注目しておきましょう。
ニュースをしっかりと見たうえで「図解でわかる時事重要テーマ100」や、予備校の冬期講習での対策を行うと安心です。
また、過去問は可能な限りさかのぼり、少なくとも10年分は解きましょう。
大学ごとの分野傾向の対策だけでなく、記述形式の問題への対策にもなります。
過去問を解いて感じた傾向や、自分の苦手分野を参考書で補うと効率よく勉強できます。
まとめ
ここまで、共通テスト公共・政経、私大二次の政経を伸ばすための根本的な考え方と、実践的な勉強法を紹介してきました。
公共・政経は、志望校から逆算して今すべきことを正しく実行できていれば、必ず伸ばせる科目です。
この記事が日々の学習に役立つことを願っています。合格まで一歩一歩着実に歩んでいきましょう!
監修者

現論会ジャーナル編集長 寺田貴博
開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。
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