【2025年最新版】古典文法の王道学習法!レベル別おすすめ古文参考書も紹介!
「助動詞の勉強法が分からない」
「助動詞の識別が難しい……」
古典文法が苦手な受験生、こんなお悩みを抱えていませんか?
この記事では、
- 古典文法の全体像と具体的な勉強方法
- 古典文法に適した参考書や問題集
- 偏差値70に到達するための効果的な学習戦略
また、古文の勉強法の全体像がわからないという人は下記の記事を参考にしてみてください!
古文の勉強法の詳しい情報についてはこちら
古典文法の攻略法

古典文法とは?
そもそも、古典文法ってなんでしょうか?
大学受験における古典文法とは、高校までで学習する平安時代を中心とした作品をもとに整理されたルールです。
現代では「ら抜き言葉」や「読めれる」といった可能表現が、当たり前の言葉遣いとして広がってきました。
このような変化は古典の世界でも起きており、平安時代と鎌倉時代では、助動詞の使い方や読み方が変化していることが分かっています。
しかし、各時代で変化する文法を受験生がすべて学習することは現実的ではありません。
学校では平安時代の作品を中心に学習すること、また学校で学習する鎌倉時代以後の作品は平安時代の作品を始点としていることから、大学受験では主に平安時代の文法を古典文法として学習します。
参考書に書かれない「例外」
参考書は、助動詞や助詞の識別方法など書かれている内容が違うことがあります。
例えば「る・らる」の上に敬語がある場合や、主語が身分の高い人の場合は「る・らる」は必ず尊敬になる、と書かれている参考書がありますが、これは厳密には正しい記述ではありません。
こういった説明の違いは、参考書ごとに「どこまで例外を含めるか」という基準が異なっているため起こります。
使っている参考書では説明できない助動詞の使い方や訳に出会った場合は、辞書や他の参考書を参照したり、「例外」としてメモをしておくとよいでしょう。
古典文法を学ぶメリット
文法の学習は、文法問題はもちろん、長文読解においても得点率を上げるための重要なステップです。
古文の勉強法は「単語」「古典文法」「解釈」「長文読解」という段階に分類できます。
単語
古文の4技能すべての基礎になる、古文単語を学習する段階です。名詞や動詞、形容詞など、単独で文節となることができる自立語の現代語訳を学習します。
文法
文法では、品詞の種類やその活用、また助動詞や敬語といった付属語について学習します。単語をどのように文章として組み立てるのか、というルールを学習します。
解釈
直訳するのではなく、省略されている主語や指示語を補い、敬意の方向や接続詞などから文脈に沿って文意を読み解く方法を学習します。
長文読解
長文はただ解くのではなく、再現性を持って点数を取ることが大切になります。そのためには長文の読み方と解き方を学習したうえで、同じやり方で問題演習をしていくことが重要になります。
古典文法を学ぶメリットを2つ紹介します!
1. 文法問題で確実に得点を稼げる
文法の学習は、特に私大入試などで配点の高い文法・語法問題に直結します。
入試で問われる文法事項はある程度パターン化されており、学習すればするほど得点に結びつきやすい、いわば「コスパの良い」分野です。
ライバルと差をつけられたくない、むしろ差をつけたいと考えているなら、文法問題は絶対に落とせない得点源です。ここを固めることが、合格への最短ルートです。
2. 長文読解の精度が向上する
文法は、長文を読み解くためのツールです。一つひとつの単語の意味が分かっても、文全体の構造が把握できなければ、文章の正確な意味はつかめません。
文法を学ぶことで、複雑な修飾関係や省略、倒置といった、長文特有の「仕掛け」を見抜く力が身につきます。
その結果、「なんとなく」の読解から脱却し、設問の根拠をピンポイントで特定できるようになるため、長文読解の正答率が向上します。
古文を学ぶメリット
理系志望のみなさん、古文をおろそかにしていませんか?
共通テストの国語は200点満点です。2025年度は、200点中45点が古文の配点となっています。
古文を捨てる、というのは45点を捨てることにつながります。
理系志望であれば、数学や理科は他の受験生と点差が付きづらいですが、国語でしっかりと点数が取れれば合計点数で差をつけることが可能です。
文系志望のみなさんにとっては、主要な得点源ですね!
文系志望であれば、国公立・私大の多くの大学で古文が二次試験に入ってきます。
古文が苦手なままだと、受験で苦しい場面が増えてしまいます。
しかし、古文単語と助動詞を覚えることができれば、古文は得意科目にすることができます。

文法の勉強法
先ほど説明した通り、文法は単語を基に成り立つ学習段階になります。
まだ、単語の学習が進んでいない方は、まず以下の記事を参考に単語の基盤を固めることをお勧めします。
具体的な「文法の勉強法」について紹介します!
STEP 1. 講義系参考書で古文の構造を見抜く力を養う
古文文法の入口は、「品詞ごとのルールを理解する」ことです。
丸暗記より、まずはどういう時に使われる形なのかを掴むのがポイントです。
→ 五段・上一・下一・カ変・サ変など、声に出すと体が覚えます
→可能・受身・尊敬の「れる・らる」セット
→推量の “む・むず・らむ・べし” など
→これを知ると、どの語にくっつくかが一瞬で判断できます
インプット段階では、「実戦で使えそうな理解」になっているかだけチェックしましょう。
STEP 2.文法の問題集で、文法知識を使える知識に
文法は、覚えただけでは読めるようになりません。
実際に文章に触れて、「これは助動詞の『む』の意思か?推量か?」と判断する経験が必要です。
アウトプット段階では「文脈で意味を選ぶ練習」が一番重要です。
単語帳のように一問一答で終わらず、「なぜその意味になるのか」を言語化すると、読解力が一気に伸びます。
STEP 3. 【反復学習】繰り返しで知識を「盤石な得点力」にする
文法は間を空けるとすぐ忘れます。
そこで、短いサイクルで反復できるようにしておくのがコツです!
→筋トレと同じで毎日コツコツと
→推量セットだけ10問、受身・尊敬だけ5問
反復は単調ですが、ここで差がつきます。
「忘れる前に触れる」のが最強の記憶法です。
おすすめ参考書と効果的な学習戦略!
現論会でも使用している、【2025最新版】志望校レベル別おすすめ参考書と効果的な学習戦略を紹介します。
ここでは、文法の学習に特化した、おすすめの参考書とその効果的な使い方を、具体的な学習ステップに沿って解説します。
①日東駒専・産近甲龍合格レベル、共通テスト7割レベル(偏差値~55)
🔹 対象: 基礎に不安がある人、共通テストで7割を目指したい人
🔹 目標: 共通テストの過去問7割、日東駒専・産近甲龍の基本問題を解けるようにする
おすすめ参考書
インプットのおすすめは、『大学受験ムビスタ八澤のたった6時間で古典文法:MOVIE×STUDY』
アウトプットのおすすめは、『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』です。


学習戦略
『大学受験ムビスタ八澤のたった6時間で古典文法:MOVIE×STUDY』を効率よく学習するポイントです。
本書は「6時間で基礎を習得」とありますが、これは動画視聴+一通りの演習にかかる時間の目安です。完璧な習得には復習と反復学習が不可欠です。
本書は古典文法に特化しているため、古文の読解に必要な古文単語はカバーされていません。必ず別途、単語帳と並行して学習を進めましょう。
本書は基礎から標準レベルまでの内容に特化しています。難関大学で出題されるような発展的な文法事項は扱っていません。この本で基礎を固めた後に、志望校のレベルに合わせた応用問題集に進むのが理想的です。
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』を効率よく学習するポイントです。
このドリルでは「識別」を完璧にすることを目指しましょう。特に助動詞や助詞は、形が同じでも文脈によって意味や働きが異なります。巻末に助動詞・敬語の一覧表があれば、それを見て活用や意味を即答できる状態にすることが、文法学習の最終目標です。
問題を解くときに、「この助動詞はなぜ連用形に接続するのか?」「この助動詞の意味は文脈にどう合致するのか?」と、文法の仕組みを理解することに重点を置いてください。単なる暗記で終わらせないことが、読解力に繋がります。
②地方国公立、GMARCH理科大、関関同立、共通テスト8割レベル(偏差値~60)
🔹 対象: 基礎はある程度できていて、共通テストで8割を目指したい人
🔹 目標: 共通テストの過去問8割、二次試験の基本問題を解けるようにする
おすすめ参考書
『岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』がおすすめです。

学習戦略
この本は「文法と単語の基礎知識がある」ことが前提です。もし、問題解説中に文法事項や単語の意味でつまずいたら、『ステップアップノート30』や単語帳に戻って、復習しましょう。
古文のつまづきのひとつに「主語が省略されていて話がわからない」ことがあります。この参考書では、主語把握のルールを作品のジャンルごとに学ぶことができます。
どの参考書にも共通することですが、1周目で内容の5割を、2周目以降で内容の8割を覚えることを目指しましょう。
③旧帝大、早慶、東京一科レベル(偏差値~70)
🔹 最難関大レベルを目指し、共通テスト9割以上を狙いたい人
🔹 難関大二次試験で合格点を取れるようにする
おすすめ参考書
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』などで文法がある程度できた人は、長文などの問題演習を行っていきましょう。
知らない識別や分からない文法があれば、『体系古典文法』などの学校で配布される文法書で確認し「例外」を押さえていきましょう。

学習戦略
難関大で出題される文法に対応するには、いかに「例外」を知っているかが鍵となります。
古典文法の「例外」は長文読解や過去問を解いていると出会います。
演習中に「例外」に出会ったら、『体系古典文法』などの文法書を参照しましょう。
まとめ
古典文法は、長文読解や解釈で正確に文意を捉えるために覚えておくべきルールです。
助動詞の識別や活用を押さえておけば、確実に古文を得点源にすることができます。
逆を言えば、古典文法があいまいなままだと古文は点を取ることができません。
合格のために、ぜひ古典文法を押さえておきましょう。
古典文法のその先へ
古典文法の参考書を2~3周したら、次は長文読解や解釈の参考書に着手しましょう。
また、高校2年生以降の受験生で過去問を解いたことがない人は、ぜひ一度過去問を解いてみましょう。
過去問の着手が遅くなることは自分と大学とのギャップを体感する時期が遅れることと同義です。
過去問を解いて志望校の傾向が把握できると、長文読解や解釈の参考書が選びやすくなりますよ。
もし、どの参考書から始めれば良いか迷っている、あるいは自分の学習法が正しいか不安を感じているなら、ぜひ一度、プロの専門家にご相談ください。
あなたに最適な学習計画を立て、志望校合格まで徹底的にサポートします。
監修者

現論会ジャーナル編集長 寺田貴博
開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。
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