【速報!】2025年度共通テスト『地学基礎』を当日講評
2025年1月18日、1月19日に行われる大学入学試験共通テストについて、
今年も当日分析と講評を行います!
2026年の共通テストを攻略するためのおすすめの参考書ルートや勉強法も紹介しているので、
ぜひ最後までご覧ください!
監修
現論会ジャーナル編集長 寺田貴博
開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。
今年も現論会でコーチを務める現役難関大学スタッフが実際の試験時間で解いて、徹底分析をしてくれました!
全体講評
知識や図表を用いて過去の出来事を推定したり、発生しうる事象について考察する幅広い問題が出題された。
- 大問数、マーク数は、昨年から変更が無かった。
- 出題形式:語句選択問題を中心に出題され、6択以上の問題が増加したのが特徴的である。
- 出題分野:昨年と同じく、特定の分野に偏ることなく、分野横断型で幅広く出題された。
- 難易度:昨年よりやや易化。
試験形式
試験時間 60分(理科基礎2科目)
配点 50点
大問数 4問
マーク数 15
問題構成
大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
第1問 | A 太陽系天体と地球の性質 B 火成岩と火山 C 堆積構造 | 5 | 6 | 20 |
第2問 | 大気と海洋 | 3 | 3 | 10 |
第3問 | A 宇宙の進化 B 銀河系の構造 | 3 | 3 | 10 |
第4問 | 自然災害、地層、地震 | 3 | 3 | 10 |
各大問の講評
第1問
A 太陽系天体と地球の性質
問1
レベル:標準レベル
問題パターン:グラフ読み取り×知識の正誤組み合わせ問題
特徴・解説:図の読みとりは容易であり、太陽系天体の性質を整理して覚えていれば、難なく解答できる。
例題:2020年 第3問 問3
問2
レベル:やや難レベル
問題パターン:知識の正誤組み合わせ問題
特徴・解説:アは衝突帯が大陸プレートの重なりであることは教科書に載っており簡単だが、イは密度が小さいからプレートがマントルの中に沈み込みにくいというのは教科書や参考書に書かれていることは珍しく、同じく収束する境界の海溝型で海洋プレートが大陸プレートに沈み込む理由が海洋プレートの方が密度が高いからということから発展させて思考する必要があった。
B 火成岩と火山
問3
レベル:やや易レベル
問題パターン:グラフ読み取り×知識の組み合わせ問題
特徴・解説:火成岩の頻出問題である。火山岩と深成岩の整理を以下の有名な表を頭に入れておけば、容易である。正直、SiO₂量だけでいける。
例題:2022年 第1問 問6、2019年 第1問 問9、2018年 第1問 問6、2017年 第1問 問5
問4
レベル:標準レベル
問題パターン:知識の組み合わせ問題
特徴・解説:非常に面白い問題である。火山の問題でもあり、大気の構造の問題でもあるという、分野横断型の問題である。ただ簡単な知識問題であるため、容易であろう。
C 堆積構造
問5
レベル:易レベル
問題パターン:知識の組み合わせ問題
特徴・解説:これも頻出問題である。日頃から資料集を見て視覚的に勉強している人にとってはサービス問題であろう。
問6
レベル:やや難レベル
問題パターン:知識の組み合わせ問題
特徴・解説:問5で間違えたら、これもセットで落とすだろう。水流の方向が分かるものといえば、リプルマークとクロスラミナなので①である。
第2問
問1
レベル:標準レベル
問題パターン:天気図と本文の読み取り×知識の組み合わせ問題
特徴・解説:放射冷却の知識と、「雲や水蒸気が…放射冷却の効果が弱まる」から放射冷却の効果が強い方の天気図を選択すれば良い。
問2
レベル:やや難レベル
問題パターン:グラフの読み取り×知識の組み合わせ問題
特徴・解説:この題材はよくあるものではあるが、模式図を選ぶのは非常にユニークな問題である。
問3
レベル:易レベル
問題パターン:知識の組み合わせ問題
特徴・解説:海水の知識さえ知っていれば3秒で解ける問題である。
第3問
問1
レベル:標準レベル
問題パターン:知識の4つの組み合わせ問題
特徴・解説:宇宙の進化についてのストーリーを把握していれば、非常に容易な問題である。とはいえ、ここまで押さえている人は多くないと思うので、隅々までやっていたかどうかで明暗が分かれたであろう。
例題:2021年 第3問 問2、2020年 第3問 問1、2019年 第3問 問3
問2
レベル:標準レベル
問題パターン:知識の正誤問題
特徴・解説:宇宙の晴れ上がりはメジャーな内容ではないが、水素原子やヘリウム原子が出来て、自由な電子が減り、光を通しやすくなったのを知っていれば難なく答えられる。
問3
レベル:やや易レベル
問題パターン:知識の組み合わせ問題
特徴・解説:銀河系の頻出問題である。これも日頃から図を使って覚えているかどうかが求められる。
第4問
問1
レベル:標準レベル
問題パターン:グラフ読み取り×知識の組み合わせ問題
特徴・解説:我々の日常生活と関連する自然災害の時間と空間スケールについて問われた。共通テストらしく非常にユニークな問題である。CとDの見分けは容易だが、AとBで悩む人もいただろう。
問2
レベル:やや難レベル
問題パターン:グラフ読み取り×思考×知識の正誤問題
特徴・解説:ここで地層を問われたのは面白いが、しっかり条件を把握することができなければ、解けないので、戸惑う受験生も続出しただろう。
問3
レベル:易レベル
問題パターン:グラフ読み取り×思考×知識の正誤問題
特徴・解説:非常に簡単な問題である。一般教養レベルではないか。地震aは余震では無く前震である。
前年度との共通テストとの比較
昨年と比べて、単なる細切れの知識だけではなく、知識の組み合わせが求められ、またグラフや図の読み取りも多く、思考力を試す問題が多かった。過去問と似た問題や頻出問題も出題され、全体としてはやや易化しただろう。分野別では無く、分野横断型の問題も出題されるなど、地学基礎の勉強において、より分野横断型の学習をすることが大切であろう。
新高3生・高2生へのアドバイス
一つの知識を持っているだけでは解けない問題構成になっているので、知識を整理してつなげることを意識すると良い。また事象の流れや原因、詳細を聞かれることも多いので、地学的事象を理解して覚えることが大切である。また数値も覚えていないと解けないこともあるので、重要な数値を覚えるようにしておこう。与えられた条件に自分の知識を使って思考する問題も多いので、地学的な思考力を鍛えると良い。また、過去問から似た問題や頻出分野の出題が多いので、2016年からのセンター、共通テストの過去問を追試験も含め、全て解き、満点が取れるレベルで極めておこう。
共通テストを攻略するおすすめルート
体系学習:青木の地学基礎をはじめからていねいに
- 共通テスト地学基礎を解くのに必要十分な知識を網羅し、わかりやすく解説している。
- 口頭チェックリストがついており、セルフレクチャーにより自分の理解度を確認できる点が素晴らしい。
問題演習:リードlightノート地学基礎
- 大学入学共通テストの出題傾向を反映した問題を収録し、共通テストへの対応力を身につけることができる。
- 問題文の読み取り方に注目した要素を解説で示しあるため、入試問題の着眼点を養うことができる。
共通テスト対策:短期攻略 大学入試共通テスト 地学基礎
- 単元ごとの章立てで共通テスト形式の問題を演習することができる。
過去問演習:赤本
- とにかく過去問演習が大切なので、とにかく量を解き、自分の苦手分野をしっかり克服しながら、点数のブラッシュアップをしていきましょう!
ライター
横井裕人
早稲田大学政治経済学部在籍。
現論会新宿校・立川校教室長。
現論会では受験生のコーチング指導も行っている。
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