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Home現論会ジャーナル特集記事その他【速報!】2024年度共通テスト物理を当日講評

【速報!】2024年度共通テスト物理を当日講評

全体の感想

昨年の試験と同様に大問構成は4つで、設問数は20でした。昨年に比べて物理に関する知識を問う問題が多く出題されました。難易度は昨年と同様でしたが、第2問ではあまり見慣れないペットボトルロケットに関する問題が出題されました。

試験形式

試験時間 60分
配点 100点
大問数 4つ
マーク数 22個

問題構成

大問出題分野設問数マーク数
第1問小問集合(力学、熱、波動、電磁気、原子)56
第2問力学56
第3問波動55
第4問電磁気55

各大問の講評

第1問

第1問は小問集合(力学、熱、波動、電磁気、原子)でした。全体的に全分野からバランスよく例年通り物理的知識を問う問題や基本的な計算問題が出題されました。

問1 力学の力のモーメントに関する出題でした。重心に関する知識を活用して基準点に対する力の成分と方向を正しく考えることができたかがポイントです。

問2 熱の分野からの出題でした。分子の運動エネルギ―と温度の関係に関する知識を問う問題でした。

問3 波動分野からの出題でした。スネルの公式を活用するだけでなく、全反射に関する知識も問われたため第1問の中で最も差が付きやすかった問題と思われます。

問4 電磁気分野の荷電粒子の運動に関する出題でした。荷電粒子が作る磁場に関する問題で荷電粒子が運動することによってできる磁場への理解が玉される出題でした。

問5 原子分野からの出題でした。前半は核エネルギーに関する知識を問う問題で後半は半減期の理解を試す問題でした。第1問の中でこの問題が最も取り掛かりやすかった問題だと思われます。

第2問

第2問は力学からの出題でした。あまり見ないペットボトルロケットに関する問題でしたが、ひも解いてみるとエネルギーや運動量の問題に帰結する、共通テストらしい標準的な内容でした。

問1 量的関係の式を立てる設問でした。問題文をよく読めば物理的知識が無くても解けるものとなっています。

問2 質量変化と仕事をそれぞれ求める設問でした。単位に気を付けながら解くことを意識することでミスを防ぐことができます。

問3 エネルギーに関する設問でした。誘導の文章をよく読めばエネルギー保存の問題に帰結する易しい出題でした。

問4 運動量に関する設問でした。問題文をよく読み、近似に気付けば易しかったと思われます。

問5 推進力の出し方が一見難しい設問でした。推進力の力積とロケット運動量に関する式を立てれたかどうかがポイントとなっています。第2問の中で最も難易度が高かったように思われます。

第3問

第3問は波動分野からの出題でした。波に関する基本的な知識を問う問題から実験データを考察する共通テストらしい問題まで様々な問題が出題されました。また、一部電磁気分野の出題もありました。

問1 この設問のみ電磁気分野からの出題でした。電流と磁場が及ぼす力の向きの理解を問う問題でした。

問2 定在波のから波の波長を求める設問でした。定在波に関する知識があれば容易に解くことがきるきわめて易しい問題でした。

問3 実験データからグラフの意味を考察させる設問でした。波の基本式と定在波の知識を合わせて解く問題でした。あまり見慣れない問題で戸惑った受験生も多かったと考えられます。

問4 張力と周波数に関する設問でした。波の速さと張力の関係式の知識があった受験生は一瞬で解ききることのできる、差がつく出題だったと考えられます。

問5 データから比例する要素を見つけるあまり見慣れない内容の設問でした。落ち着いて一つずつ考えることができればそこまで難易度が高い設問ではなかったと考えられます。

第4問

第4問は電磁気分野からの出題でした。等電位線や電気力線などの知識を問う問題から、抵抗に関する問題まで、電気分野の知識を問う問題が中心に出題されました。

問1 等電位線に関する知識を問う設問でした。この第4問の中で最も取り組みやすかったと思われます。

問2 等電位線と電気力線に関する知識を問う設問でした。教科書レベルのきわめて基本的な設問でした。

問3 電流や電場に関する知識を問う問題でした。知識があやふやだと解きにくかった問題だったと思われます。

問4 グラフから電場の大きさを求める共通テストらしい設問でした。公式だけでなく単位に注意することが本問題を解くヒントにもなっています。

問5 抵抗率を求める設問でした。抵抗率と抵抗の関係式の知識があれば解くのは容易だったように思われます。

前年度との共通テストとの比較

昨年に比べて物理の知識を問う問題の数が増加しました。また、第2問のようなあまり見慣れない問題も出題されたがほかの大問の計算量が少なかったため、難易度は昨年と同程度であったと考えられます。教科書レベルの知識を着実につけておくことが高得点を狙う鍵でした。

ライター、監修

中世古遼太

東京工業大学在学。
現論会ジャーナル数学・理科担当副主任。
現論会では受験生のコーチング指導も担当している。

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