【速報！】2024年度共通テスト数学ⅡBを当日講評

全体の感想

今年度の数学ⅡBの問題は大問数が5つ(大問1,2は必修、大問3,4,5から3つ選択)となっており設問数にも大きな変化は見られなかった。全体としては昨年と比べてやや難化した。微分積分で論理を中心とした出題や、数列の分野で見慣れない問題が出題されたことで苦戦した人もいるだろう。どの設問にどれほど時間をかけるかを考えながら、高得点を狙っていきたい内容であった。

試験形式

試験時間　60分
配点　100点
大問数　5(大問1,2は必修、大問3,4,5から3つ選択)

問題構成

大問	出題分野	マーク数
第１問[１]	指数関数・対数関数
第１問[２]	方程式・式と証明
第２問	微分法・積分法
第３問	確率分布と統計的な推測
第４問	数列
第５問	ベクトル

各大問の講評

第１問

第１問[1]は、対数関数に関する出題であった。全体としては基本的な対数の式変形や、グラフの特徴を理解していれば、完答できる問題である。対数の底の値による場合分けなど、細かい部分でのミスをしないように素早く回答したい問題である。
第１問[2]は、整式の処理に関する問題であった。命題が同値になる条件を考える設問では、数式から分かることを選ぶ問題が多く、計算ができるだけでなく、式の意味を考える必要があるので、思考力が試される問題であった。この設問は差が付く問題だったと言えるだろう。

第２問

第２問は、微分・積分の分野からの出題であった。（１）に関しては積分計算を素早く行うことで回答したい。（２）（３）に関しては、扱われる文字が多く、解きにくさがある問題であった。一つ一つ丁寧に処理をして、ミスをなくしていきたい。問題に詰まったら、一旦その問題を飛ばして他の問題を解いた方が場合によって点数が上がったかもしれない。最後のマークする部分を飛ばすなどして得点を最大化するべき問題で、今までの共通テスト形式の演習量が得点に直結しただろう。

第３問

第３問は、確率分布と統計的な推測からの出題であった。日曜日に晴れになる確率がテーマとなった問題である。確率変数Xを定義して、進めていく形式であった。丁寧に処理をして回答していきたい。

第４問

第４問は数列からの出題であった。(1)では等差数列を求め、(2)では典型定な漸化式を求める問題であった。一方、(3)では見慣れない式の漸化式が登場したが、一般項を求めるというよりは実際に数を代入してその性質を調べる問題であった。途中で数式の論理性を問う出題も見られたため、少し戸惑う受験生も多かったと考えられる。全体的には標準的な内容の設問だったが(3)を解ききれたかどうかで差がついたと思われる。

第５問

第５問は、ベクトルからの出題であった。(1)では与えられた座標から空間ベクトルを求める問題であった。(2)では直線を動く点において原点からの距離が最短になるような点を求める問題であり、誘導に乗れば計算量もコンパクトになる問題であった。一方(3)は(2)の考え方を利用して解く問題であり、方針に困ることはないが、少し計算量が多く時間を多く費やしてしまう可能性のある問題であった。ここであきらめずに解ききることができるかがポイントだった。

前年度との共通テストとの比較

昨年度と比べてやや難化したと言える。計算中心ではなく、論理や考え方が問われるような出題傾向であったので、数学ⅡBの分野に対する正確な理解が問われる試験となった。

ライター、監修

高賀茂大介

東京工業大学工学院在籍。
現論会ジャーナル数学・理科担当主任。
現論会渋谷校教室長。
現論会では受験生のコーチング指導も行っている。

中世古遼太

東京工業大学在学。
現論会ジャーナル数学・理科担当副主任。
現論会では受験生のコーチング指導も担当している。

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