【速報!】2025年度共通テスト『化学』を当日講評
2025年1月18日、1月19日に行われる大学入学試験共通テストについて、
今年も当日分析と講評を行います!
2026年の共通テストを攻略するためのおすすめの参考書ルートや勉強法も紹介しているので、
ぜひ最後までご覧ください!
監修
現論会ジャーナル編集長 寺田貴博
開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。
今年も現論会でコーチを務める現役難関大学スタッフが実際の試験時間で解いて、徹底分析をしてくれました!
全体講評
2025年度は、ページ数は昨年と比べて減少しているが、マーク数が増加しているので、昨年と同様に、時間内に解き切るのは難しい試験だった。例年通り、思考力を要求する問題が多く出題され、難易度は昨年並みといえるだろう。
試験形式
試験時間 60分
配点 100点
大問数 5問
マーク数 34
問題構成
大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 |
第1問 | 物質の構造・状態 | 5 | 6 |
第2問 | 物質の変化と平衡 | 4 | 6 |
第3問 | 無機物質 | 4 | 8 |
第4問 | 有機化合物、高分子化合物 | 4 | 8 |
第5問 | 無機物質・有機化合物 | 3 | 6 |
各大問の講評
第1問
第1問は、理論科学の物質の構造・状態からの出題であった。知識問題は、判断が難しい問題が出ており、不安に思った受験生も多いだろう。計算問題やグラフを読み取る問題は、一見複雑そうに見えるが、落ち着いて処理すれば解答できる問題であった。
問1,2は共通テストに頻出の知識問題で、確実に押さえておきたい。
問3はヘンリーの法則に関する問題だが、図を描いたりなどして、落ち着いて状況をつかむことができれば、そこまで難しい問題ではない。
問4はコロイドに関する知識問題だが、懸濁液についての知識を持ち合わせていない受験生も多かったのではないだろうか。
問5は溶液についての問題であり、「沸点上昇度は8Kであるとする」という文言が普段あまり見ないものであったので困惑した受験生も多いだろう。浸透圧の問題も、落ち着いて状況を理解できれば、解答できるであろう。
第2問
第2問は、理論科学の物質の変化と平衡からの出題であった。グラフに関する問題が多く出題された。
問1は光に関する問題で、普段あまり見ない問題であるが、素直に考えて解答してほしい。
問2は放電に関する計算問題で、共通テストに頻出なので確実に解答したい。
問3はグラフを選ぶ問題で、普段あまり見ない問題だが、その場で考えて解答してほしい。
問4は化学平衡に関する問題で、グラフから正方向が発熱反応であることを見抜けるかがポイントであった。落ち着いて完答したい問題である。
第3問
第3問は、無機物質からの出題であった。知識問題が多いが、それほど深いことを問いているわけではないので、全問正解したい。
問1~3は無機化学の知識問題なので完答したい問題である。
問4は化学反応式の係数比較や、物質量計算を要求されたが、落ち着いて処理すれば、解答できるだろう。
第4問
第4問は有機化学・高分子化合物からの出題であった。高分子化合物の問題に手こずった受験生も多いのではないだろうか。
問1は有機化学に関する知識問題であった。正解したい問題である。
問2は普段あまり見ない反応であるが、条件から消去法で解答できる問題であろう。
問3,問4のaとbは高分子化合物に関する知識問題で、落としたくない問題である。
問4のcは高分子化合物に関する計算問題で、慣れていない受験生も多かったのではないだろうか。落ち着いて正答したい問題である。
第5問
第5問は、原油をテーマにした大問であった。原油を起点にして、幅広い科学知識を問われている。
問1は原油の分流に関する知識問題で、抜けていた受験生も多かったのではないだろうか。
問2は、有機化学に関する知識問題で、確実に正解したい問題である。
問3のaとbはバナジウム(Ⅴ)に関する知識問題で、確実に正解したい問題である。
問3のcは新課程のエンタルピーが登場した。初出ということもあり、難易度は抑えめであった。
問3のdは、普段あまり見ない物質が登場したが、落ち着いて何が起こっているのかを把握できれば、容易に正解できるだろう。
前年度との共通テストとの比較
昨年同様に、思考力を試す問題が多く出題されたが、全体としては難易度やや難化したといえるだろう。昨年よりも、知識問題は細かいところを問うてくる問題が多く、高得点が取りにくいテストであるといえる。昨年同様に、解きやすい計算問題や知識問題を素早く解答し、時間のかかる思考力を試す問題に多くの時間を割きたい。
新高3生・高2生へのアドバイス
共通テストだからといって、何か特別な勉強が必要かと言われたらそうではない。
志望校の個別試験にむけて、普段の化学の勉強を丁寧にやれば、安定して得点が取れるようになるだろう。そういった勉強で得た知識を基盤に、思考力を試す問題に多く取りかかることで、高得点が狙えるようになる。
そのため、早い段階から共通テスト形式の問題に取り組む必要はなく、個別試験に対応できる実力を身につけることが最優先である。
共通テストを攻略するおすすめルート
『宇宙一わかりやすい高校化学』
学校などでまだ触れていなかったり、知識が浅いと思う場合は、『宇宙一わかりやすい高校化学』シリーズに手を付けることをおすすめする。初学者でもわかりやすいように説明されていて、図やイラストが多く使われている。別冊の問題集もついており、理解した公式をどのように使用できるかを確認することができる。
『化学[化学基礎・化学]入門問題精講 三訂版』
上記の『宇宙一わかりやすい高校化学』シリーズを終わらせたら、そこで学んだ公式が問題でどのように使われているのかを『化学[化学基礎・化学]入門問題精講 三訂版』で確認するべきである。問題自体は比較的易しいが、図やグラフを用いた解説が充実していて、化学の問題に対する正しい考え方を学ぶことができる。また、問題集を解いている中で間違えた部分や忘れていた分野があれば、適宜ひとつ前の参考書に戻り、内容を確認するべきである。
『化学重要問題集[化学基礎・化学]』
上記の『化学[化学基礎・化学]入門問題精講 三訂版』を終わらせたら、『化学重要問題集[化学基礎・化学]』で、標準問題や応用問題を取り扱っていくべきである。共通テストでは、思考力を試す問題が多く出題されるので、『化学重要問題集[化学基礎・化学]』のA問題程度の難易度の問題を完璧にしていくべきである。高得点を目指す受験生は、B問題を解いてさらなる思考力を鍛えるのもいいだろう。
ライター
現論会教務部 山根舜太
大阪公立大学医学部医学科在籍。
現論会天王寺・上本町校コーチ。
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