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Home現論会ジャーナル特集記事その他【速報!】2025年度共通テスト『地理総合、地理探究』を当日講評

【速報!】2025年度共通テスト『地理総合、地理探究』を当日講評

2025年1月18日、1月19日に行われる大学入学試験共通テストについて、
今年も当日分析と講評を行います!

2026年の共通テストを攻略するためのおすすめの参考書ルートや勉強法も紹介しているので、
ぜひ最後までご覧ください!

監修

現論会ジャーナル編集長 寺田貴博

開成中学校・高等学校を経て東京大学農学部を卒業。
現論会を運営する株式会社言楽舎の取締役。
「大学受験参考書を知り尽くしたコーチング指導のプロ」として、日々難関大受験生の自学自走と第一志望校合格をサポートしている。

寺田
寺田

今年も現論会でコーチを務める現役難関大学スタッフが実際の試験時間で解いて、徹底分析をしてくれました!

全体講評

昨年と異なり、6題構成となっていましたが、問題数は多くなっておらず、マーク数は全体で30でした。難易度としては昨年の地理Bと比較しても大きな変化はなく、例年通りの出題だと思われます。地理総合については各大問に散りばめられており、世界史や日本史の歴史総合のように地理総合のみが出題された大問はありませんでした。また、日本に関する問題は11/30出題されていました。

試験形式

試験時間 60分
配点 100点
大問数 6問
マーク数 30

問題構成

大問出題分野マーク数配点
第1問食文化、食料について13点
第2問豊川市の地域調査12点
第3問大地形、自然災害20点
第4問エネルギー、産業21点
第5問人口、都市17点
第6問インド洋地域17点

各大問の講評

第1問

食料に関係する統計が出題されていました。

問1の食や健康に関する指標の問題など馴染みのない統計が出題されていましたが、基本的な内容を押さえていれば解答ができる問題となっていました。

問4に関しては食品ロスなどの身近な内容についての出題がされていますが、解答には地理の学習が必要な問題となっています。

また、問2、3は既存の共通テスト対策で十分対応可能な問題でした。

第2問

この形式の問題は既存の共通テストの地域調査の問題とあまり変わっていません。難しい問題はほとんど出題されていないため、確実に点を取りたい大問です。

問1、問2は読み取りが非常に大切です。

問3は1960年頃と2000年代以降の日本における農業の種類の変化がどのようになっているかを押さえておくことが重要になっていました。

問4は他の地域で学んだ内容を東三河地域において応用できるかが問われていました。

第3問

問1~3、4は今までの共通テストの問題と同じような知識が必要な問題でした。全体的に少し細かい知識が多く、得点しづらい問題もいくつかありました。

特に問1と問3は基本的な内容ですので、確実に点を取りたい問題です。一方、問2は今までの共通テストで出題されているとはいえ、陰影起伏図は見慣れていない人が多く、苦戦している人も多いです。近年よく出題される形式のため、共通テスト演習で慣れておくと他の受験生と差をつけることができます。

問5は考えたことがない視点から地球温暖化について考える問題、問6は地理総合で大きく扱われるようになった「持続可能な」に関する問題が出題されていました。問5、6が新しい形式の問題であり、見慣れていない人も多く苦戦した人が多いと思われます。ただし、今後よく出題される内容と予測できますので、練習は必須になります。

第4問

エネルギーと産業について標準的な問題が出題されていました。

問1~4、6は今までの共通テストで出題されてきた問題形式であり、各資料の注意すべき事項は勉強の中で押さえておくべきものでした。そのため、この大問をできるだけ時間をかけずに取り組みたい問題です。

問5は今回初めて出題されたファブレス企業に関する問題でした。この知識は理解しておいた方がよいものです。

問4は全体的に内容としてもそこまで難しい内容は問われていないため、確実に点数を取りたい大問でした。

第5問

高校生のイブキさんが探求するという設定となっていますが、問題自体は既存の共通テストの問題とあまり変わりがありません。

問1は日本における工業発展について、問2は日本の都心周辺の人口の動向について分かっていれば正答が可能です。

問3はアジア、ヨーロッパ、新大陸の都市人口率の推移やGDPに占める製造業の割合など基本的な大枠を知っていれば正答可能です。

問4はよく出てくる内容のためおさえておきましょう。問5は文章と地図の読み取りです。読み取れば、正答しやすい問題なので、必ず正答しましょう。

第6問

今年はインド洋沿岸地域の地誌が出題されました。2023年も環太平洋地域について出題されていたため、今後は一つの地域に固定されない出題が増えてくると思われます。レベルとしては少し細かい知識はあるものの、標準的な問題が出題されていました。

問1はサイクロンについての問題のため、正答してほしい問題の一つです。

問2は降水量が多い地域に限られるという点に着目することができるかがポイントです。

問3は輸出量、移民数などの全体的な傾向を押さえておく必要があります。

問4は各国の宗教についての出題されています。他の地域でも宗教に関する出題は多くされるため、押さえておきましょう。

問5はモーリシャスやモルディブという馴染みのない地域が出題されていました。しかし、多くの地域で共通している特徴について問われています。

前年度との共通テストとの比較

昨年と比べて、思考力を試す問題が多くなった一方、今までと同様の資料問題は比較する資料が少なく、比較検討がしやすくなっていました。そのため、全体としては例年通りであると考えられます。読み取り問題がある程度時間がかかる問題が多くあり、知識や見覚えのある資料の問題を確実に早く正答することが高得点を取る鍵であったと思われます。また、問題構成が昨年までとは異なり6題構成となったことや第1問が地形といったような大問の順序が以前と異なっています。ですが、順番が変更されたのみで、地形は第3問、産業は第4問というように各大問でテーマが決まっていました。

新高3生・高2生へのアドバイス

地理の基礎力を固めるには、まずは系統地理を完璧にするところから始めましょう。

「系統地理」で地理で出てくる様々な事象や地域ごとの産業が【なぜそこで起こっているのか】を理解した上で、その因果関係に基づいて地誌の内容を推理することができるようになる必要があります。

その推理力が共通テスト地理でも重要になってきます。

また、全体講評に記述した通り、日本に関する問題が全体の約1/3を占めています。しかし、日本に関する内容は高校の地理ではあまり扱いません。そのため、日本に関する設問が苦手な方は中学地理を復習する必要があります。教科書で十分ですので困ったら一度見直してみましょう。

共通テストを攻略するおすすめルート

『改訂第2版 大学入学共通テスト 地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本 』


通称黄色本と呼ばれています。地理用語の意味だけでなく、現象がなぜ起こるのかが詳しく書かれているのがこの本の特徴です。

『瀬川聡の 大学入学共通テスト 地理B[系統地理編]超重要問題の解き方』


系統地理を一通り学んだあとに、学んだ知識をどのようにして問題を解答するのにつなげるかがわかる本です。

『瀬川聡の 大学入学共通テスト 地理B[地誌編]超重要問題の解き方』


系統地理編と合わせて取り組むことで地誌の見方も身につきます。

ライター

現論会教務部  大川峻矢
大川峻矢 現論会新宿校、オンライン校 慶応義塾大学法学部所属

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