習慣を続ける第2法則「欲求を魅力的にする」──勉強をやりたくなる仕組みづくり
更新日 : 2025年10月24日
──受験勉強を楽しさに変える秘訣
「勉強しなきゃいけないのは分かっているけど、どうしてもやる気が出ない」──受験生からよく聞く悩みです。モチベーションが続かないのは、意志が弱いからではありません。実は習慣をつくるためには『欲求を魅力的にする』ことが重要なのです。
今回は、ジェームズ・クリア著『複利で伸びる1つの習慣』の理論をもとに、受験勉強における「第2法則:欲求を魅力的にする」を解説していきます。受験生本人はもちろん、保護者の方がどのように関わればよいかについても紹介します。

なぜ「欲求」が習慣の原動力になるのか
すべての習慣の背後には欲求(渇望)があります。私たちは行動そのものを求めているわけではなく、その行動がもたらす「気分の変化」を欲しているのです。
- 歯を磨くのは「歯磨き」そのものではなく「口の中をさっぱりさせたい」から
- テレビを見るのは「テレビ」ではなく「楽しい気分になりたい」から
- 英単語を覚えるのは「単語帳」ではなく「合格に近づいた安心感が欲しい」から
つまり、欲求を魅力的に変換することができれば、行動は自然と続くのです。
ドーパミンの力を利用する
脳内物質であるドーパミンは「報酬を得たとき」よりも「報酬を予測したとき」に強く分泌されることが分かっています。つまり「これをやれば気持ちいいことが待っている」と思えるときに、人は強い行動力を発揮します。
例えば、ゲームがやめられないのは、勝った瞬間そのものより「次は勝てるかもしれない」という予測にワクワクしているからです。勉強でも同じ仕組みを応用できます。
習慣を魅力的にする3つの工夫
① 好きなことと組み合わせる(誘惑バンドリング)

「好きなこと」と「やらなければならないこと」をセットにする方法です。これを誘惑バンドリングと呼びます。
- 英単語を覚えながら好きな音楽のインストを聴く
- 数学の問題を解いたら、録画していた好きな番組を観る
- 模試の復習が終わったら、カフェでスイーツを食べる
「やらなきゃいけないこと」が「やりたいこと」への入り口になると、勉強が魅力的に感じられるようになります。
② 小さなご褒美を設定する
「テストで合格点を取る」といった大きなご褒美は先が長すぎます。
代わりに、1日の中で小さな達成を褒めることが効果的です。
- 単語帳を10ページやったら、好きな漫画を5分読む
- 模試の解き直しが終わったら、10分間スマホを見ていい
- 1週間続けられたら、友達とカフェに行く
ご褒美は大げさでなくて大丈夫。「行動=ポジティブな体験」が脳に刻まれることが重要です。
③ 勉強を「物語化」する
人はストーリーに惹かれる生き物です。単なる作業として勉強をするのではなく、「物語の主人公は自分だ」と思い込むことで勉強は魅力を帯びます。
例えば「自分は今、志望校合格という冒険の途中にいる主人公だ」と考えると、日々の勉強も「物語の一部」に変わります。これは地道な努力に意味を与え、挫折を防ぐ強力な方法です。
保護者ができる「欲求を魅力的にする」サポート
保護者の役割は、勉強を「罰」ではなく「魅力的な挑戦」と感じさせる環境をつくることです。
- 結果ではなく努力や習慣を褒める(「今日も机に向かったね」など)
- ご褒美は物より時間や体験にする(「一緒においしいご飯を食べに行こう」など)
- 子どもが「自分で選んでいる」と感じられるように選択肢を与える(「英語と数学、どっちからやる?」)
強制されてやる勉強よりも、自分で「やりたい」と思える勉強のほうが長続きします。保護者は「勉強を魅力的に感じられる工夫の裏方」になってあげてください。
現論会 熊谷校のアプローチ
現論会 熊谷校では、ただ学習計画を立てるだけでなく、生徒が「勉強を魅力的に感じられる仕組み」を取り入れています。
- 生徒ごとに「ご褒美の仕組み」を一緒に設計
- 勉強と好きなことを組み合わせた「誘惑バンドリング」の提案
- 週ごとの振り返りで「どんな工夫が勉強を前向きにできたか」を確認
「やらなければならない勉強」ではなく、「やりたいと思える勉強」へと変えることが、受験勉強を長く続ける最大のポイントです。
まとめ
習慣を続ける第2法則は「欲求を魅力的にする」こと。勉強は単なる作業ではなく、「未来の自分に近づける体験」として設計できます。
受験生は「勉強を魅力的にする工夫」を自分なりに取り入れてみてください。保護者は「勉強の魅力を引き出すサポート役」として関わってみてください。
参考文献:
ジェームズ・クリア『複利で伸びる1つの習慣』(Atomic Habits 日本語版)
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現論会 熊谷校では、受験勉強を「習慣化」する仕組みづくりをサポートしています。
「どうしても勉強が続かない」「勉強を魅力的に感じられない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。