親・教師が手をかけすぎ? 大学受験を通して自律を育むには|現論会 厚木校
更新日 : 2025年9月9日
主体性を育む教育
「大人(親・教師)が手をかけ過ぎる教育が、子どもの主体性や当事者性を奪っている」
これは、一般社団法人アントレ教員ラボ*1 のブートキャンプで講演された工藤勇一氏(元 千代田区立麹町中学校、前 横浜創英中学・高等学校校長)の言葉です。
この言葉は、私たち現論会厚木校が掲げる教育理念と深く共鳴するものです。私たちは、ただ知識を詰め込むだけの教育ではなく、生徒が「自ら考え、選び、行動する力」を育むことこそが、これからの大学受験、そしてその先の人生を切り拓く鍵だと考えています。
今回は、教育現場で議論されている「主体性を育む教育」について考察するとともに、その考え方が現論会の運営にどのように活かされているかをご紹介します。
日本の教育が抱える課題と「生きる力」
工藤氏は「日本社会の問題は学校教育の問題そのもの」と指摘しています。不登校やいじめ、教員の過重労働といった日本特有の問題の背景には、子どもが自己決定する機会が少ないという構造的な課題があるという認識です。
「日本では、いろいろな選択肢から選べないことが不登校を生んでいる。そもそも子どもが自己決定できないことが問題ではないか」
この指摘は、大学受験にも通じます。たとえば、多くの高校生が「どの大学に行くべきか」「何を学ぶか」を誰かに決めてもらおうとします。しかし、私たちは、生徒自身が自らの目標を定め、そのための計画を立て、実行する過程でこそ、将来を生き抜く「生きる力」が育まれると信じています。
文部科学省:学習指導要領「生きる力」*2 には、紺野美沙子さん(女優、国際開発計画(UNDP)親善大使)のインタビューが掲載されています。
要旨、
1.長期的視座を持つこと:『「万葉集の時代には、この言葉にこんな漢字を当てていたんだ」と、この年になってようやくその面白さが分かりました』
2.時間は不可逆的であること:『今しかできないことを大切に』
3.没個性を避けること:『他人と異なるということを恐れず、自分の好きなことを大事にしてほしい』
と語られています。紺野さんは柔らかく述べられていますが、問題提起(本ブログ表題)の本質を抉る重要な指摘ではないかと思われます。
「対話」から生まれる当事者性と主体性
日本の教育に最も足りないことのひとつが、「対立を対話で解決する力(当事者性)」だとも指摘されています。『みんな仲良く』『心を一つに』といった集団の同調圧力や、安易に多数決に流されるのではなく、(多数決で切り捨てられる存在を含めた)「みんながOKの上位概念」が何であるかを、対話を通じて見出すことの重要性が強調されています。
現論会の指導では、この「対話」を非常に大切にしています。一方的な指導ではなく、生徒との対話を通じて、なぜその勉強をするのか、どうすれば目標に近づけるのかを一緒に考え、納得した上で学習を進めます。このプロセスが、生徒の学習への当事者性と主体性を育むのです。
受験勉強を通して「自律」を育む
ブートキャンプで語られた「主体性は、生まれたときから全員が持っているもの。しかし、日本の教育を受けているとどんどん失われていってしまう。なぜなら、大人(親・教師)が手をかけ過ぎるからだ。手をかければかけるほど自律できなくなり、うまくいかないことを誰かのせいにするようになる」という警鐘は、塾や予備校の在り方を考える上でも重要な示唆を与えてくれます。
私たち現論会は、生徒の時間を管理するのではなく、生徒自身が自分の時間を管理できるよう支援します。日々の学習計画の策定から振り返りまで、対話を通して生徒の自己決定を尊重し、学習習慣の確立を伴走します。
現論会の学習コーチングは、まさに生徒の「自律」「自立」を促すためのものです。コーチは「権威」「指導者」ではなく「伴走者」です。
大学受験は、単に知識を問われるだけでなく、そのプロセスを通して人間的な成長を遂げる絶好の機会です。▶ 開校のご挨拶でも所見を述べさせていただきましたとおり、生徒がこの機会を最大限に活かし、自らの人生を主体的に切り拓いていけるよう、私たちが全力でサポートします。
*1 一般社団法人アントレ教員ラボ
https://www.entreteacherlab.org
*2 著名人インタビュー 紺野 美沙子 さん(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1418849.htm
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