📘『山川一問一答 世界史』|現論会 厚木校
更新日 : 2025年11月9日

膨大な知識を整理する定番の参考書として、山川出版社が出版する『山川一問一答 世界史』は、多くの高校や予備校で推奨されています。
本書は、質問に対して一つの回答を提供する形式で、英単語や漢字を覚えるのと同じ感覚で世界史用語を効率的に暗記できます。しかし、その圧倒的な網羅性ゆえに、正しい使い方を知らなければ「勉強しているのに成績が上がらない」という罠に陥りやすい一冊でもあります。
今回は、この最強の用語集をいかにして合格力に変えるか、その詳細な使い方と注意点を解説します。
圧倒的な網羅性:教科書を丸ごと暗記する「辞書」
本書の最大の強みは、その網羅性です。山川出版社の世界史教科書に準拠しており、本文の重要語句はもちろん、教科書の注釈(小さい文字)に至るまで、入試で問われる可能性のあるほぼ全ての用語が収録されています。
この一問一答形式は、知識のアウトプット訓練に最適です。付属の赤シートを使い、通学中の電車内や休憩時間などのスキマ時間を活用して、テンポよく暗記を進めることができます。まさに英単語を覚える感覚で、世界史の知識をインプットできる効率的なツールです。
最大の注意点:「流れ」の理解がすべての大前提
この参考書を使う上で、最も注意すべき点があります。それは、「この一冊から世界史の勉強を始めてはいけない」ということです。
一問一答は、あくまで用語という「点」を覚えるためのものです。しかし、実際の入試問題、特に共通テストや難関大の論述問題では、出来事の因果関係や時代背景といった歴史の「流れ」を理解しているかが問われます。
用語だけを暗記しても、「なぜその出来事が起こったのか」「その用語が歴史上どのような意味を持つのか」を理解していなければ、正誤問題や並び替え問題に対応できず、点数には結びつきません。
知識を「武器」に変える効果的な使い方
では、この『山川一問一答 世界史』はいつ、どのように使うべきなのでしょうか。
使うタイミングは「通史を終えた後」
最適なタイミングは、教科書や講義系の参考書(『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』など)で、通史(時代の流れ)を最低でも一周し、全体像を把握した後です。流れを理解した上でこの一問一答に取り組むことで、初めて用語が知識として定着し、歴史の「流れ」の中に正しく位置づけられます。
「辞書」として、知識の「穴」を埋める
この参考書は、知識の辞書として非常に優秀です。模試や過去問演習で間違えた問題や、知識が曖昧だった用語を本書で確認し、その周辺知識も含めて覚え直す、という使い方を推奨します。これにより、自分の知識の「穴」を効率的に埋めることができます。
志望校レベルに合わせた調整
本書は、共通テストレベルから早稲田・慶應といった最難関私大レベルまで、膨大な用語をカバーしています。志望校の過去問を分析し、どのレベルまでの用語が問われているかを把握した上で、覚える範囲に優先順位をつけることも重要です。
まとめ
『山川一問一答 世界史』は、使い方を誤らなければ、世界史の知識を盤石にするための最強の武器となります。
用語集は「仕上げ」のツールである
多くの受験生が、この参考書を完璧にすること自体を目的化してしsまいます。重要なことは、覚えた用語を歴史の文脈の中で「使える」状態にすることです。本書を、インプットした通史の知識を確認し、補強するための「仕上げ」の道具として活用してください。
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