入試が終わった人へ。今こそ“本当の勉強”を始めよう!
更新日 : 2025年11月5日
1. はじめに
入試が終わって、ようやく自由な時間ができた。
この時期に何を学ぶかで、大学での成長スピードも、社会に出たときの武器もまったく変わる。
この記事では、入試後〜大学入学前にやるべき汎用スキルを厳選して紹介する。
※専攻が決まっている人はそちらを優先すること。この記事はあくまで「何をしたらいいか悩んでいる人」を対象としている。
2. ロジカルシンキング ― すべての学問の土台
推薦書籍:『東大現代文でロジカルシンキングを鍛える』

大学入試とその後の学びの橋渡しとなるような入門書。
教養のためにぜひ持っておきなさい。
特に入試現代文をまともに勉強しなかった人は、小学校の頃からやっていた「国語」の解像度が驚くほど上がること間違いなし。
3. 情報リテラシー ― IT・AI時代の「読み書きそろばん」
おすすめ資格:基本情報技術者試験(かやのき先生の基本情報技術者教室)

MOSのような操作資格よりも、根本を理解できるこの試験の方が圧倒的に価値がある。
ネットワーク、アルゴリズム、マーケティング、経営戦略など、多くの人が想定している以上の範囲が出題される。
今の時代、ITリテラシーは第二の国語力だ。
大学でも企業でも、データとアルゴリズムの話が読めないと会話についていけない。
ITパスポートでは物足りない人にこそ、挑戦してほしい。
内容は難しいが、身につく教養の幅は段違い。
4. プログラミング ― 思考を形にする力
Pythonをはじめる人が増えている。
けれど一番多い挫折理由は「環境構築」。
設定でつまずいて終わる。
まずはGoogle Colaboratoryを使えばよい。
ブラウザ上でそのままPythonを動かせるため、ストレスゼロで始められる。
一応主要なプログラミング言語も↓にまとめておくが、特にこだわりがないのであればPythonが無難。
| 言語 | 向いている用途 |
|---|---|
| C言語 | コンピュータの仕組みを理解したい人 |
| Java | 大規模なシステム開発志向 |
| Python | 研究・AI・データ分析・自動化 |
| JavaScript | Webアプリ開発・UI設計 |
| R | 統計解析 |
迷ったらPythonでいい。
だが、本質は言語そのものではなく、アルゴリズムをプログラム化する力と、プログラミングで何ができるかをすることである。
5. 数学(統計学) ― データを読む力


統計はすべての分野に通じる共通知だ。
医療、経済、心理、情報と、どれを学ぶにもデータを正しく読む力は不可欠であり、何をするにしても役立つ。
『基礎から学ぶ統計学』は図が多く、数式に頼りすぎない。
t検定、分散分析、相関分析などを、直感的に理解できる構成になっている。
『統計でウソをつく法』はより実践的に、統計の思考がないとどのような苦労をするかを、ストーリー感覚で読める本になっている。
統計検定3級→2級を目標にすれば、大学でのレポートや研究にもそのまま活かせるし、統計学は「人生の基本」である。
6. ファイナンシャルプランナー(FP3級) ― 生きるための実学
税金、保険、年金、投資。
これらのざっくりとした仕組みを知っておくだけで、
FP3級では、その生きる知識を体系的に学べる。
特にYouTubeの「ほんださん / 東大式FPチャンネル」は、無料とは思えない完成度だ。
将来、独立・起業・副業を考える人にも、実践的な力になる。
7. 簿記3級 ― ビジネスの“言語”を読む力
簿記は数字の勉強ではない。
企業の思考構造を理解する学問である。
どんなビジネスも、会計という言語で動いている。
貸借対照表と損益計算書が読めるだけで、世界の見え方が変わる。
スタディサプリの簿記講座(日商簿記講座はこちら)は解説が丁寧で、コスパも抜群。
8. 英語 ― 世界を広げる共通言語
私自身、TOEICは900点台後半、TOEFL iBTは100点を超えている。
けれど、「英語の勉強」をした記憶は大学以降ほとんどない。
論文も英語、研究室の会話も英語。
使わざるを得ない環境にいれば、勉強というより呼吸のように英語が入ってくる。
TOEICかTOEFLか ― 目的で選ぶ
- TOEIC:ビジネス・就職・総合的英語運用力
- TOEFL:海外大学・大学院・研究志向
ただしTOEFLを目指すなら、最低でもTOEIC800点相当の実力をつけてから。
いきなりTOEFLから始めると挫折率が高い。
まずはTOEICで“運用の土台”を固め、その上で学問的英語に移行するのが鉄則だ。
「とりあえずどんな試験か知りたい」という人には、
森鉄先生のYouTube動画【3時間で攻略 TOEIC全パート完全攻略講座】が最強の導入になる。
英語は「目的」ではなく「媒介」
大学以降、英語は“勉強するもの”ではなく“使うもの”になる。
論文を読む。
議論をする。
情報を集めて発信する。
大切なのは「英語で考える時間」を日常に組み込むことだ。
「英語を通して何を考えるか」に意識を切り替えた瞬間、世界は広がる。
推薦図書(関正生先生シリーズ)
- 『関先生が教える 世界一わかりやすいTOEIC L&R TESTの上級英単語』
- 『関正生の TOEIC L&Rテスト 超速効! 神ポイント100』


受験英語の延長ではなく、「英語をスキル化する」ための教材群。
特にリスニング編は、“なぜ聞き取れないか”を理論的に説明できる唯一の本といっていい。
9. 最後に ― 「大学は勉強する場所」ではなく「問いを立てる場所」
大学で問われるのは、知識の量ではなく「問いを立て、仮説を検証する力」だ。
そして、それを支えるのがこの7つの学び。
学びとは、他人に教えられてするものではなく、自分で構築していくもの。
その感覚をこの春から掴んでほしい。
もしこの記事にあるようなことを、
“自分で学んで、他人に伝えられるようになりたい”と思ったなら、
あなたはもう、教える側の思考を持っている。
現論会のインターンでは、そういう「考える人」を求めている。
学ぶことをやめない人が、次の時代の教育をつくる。
藤沢校・青葉台校で、それを一緒に形にしよう。
👉 コーチ・インターン応募はこちら
このブログを書いている人

難関大受験専門塾「現論会」藤沢校・青葉台校 代表 | ベイエイト株式会社 CEO
石井 亮太 Ryota Ishii
慶應義塾大学・環境情報学部早期卒業後、東京大学大学院・新領域創世科学研究科・メディカル情報生命専攻情報生物科学群に飛び入学。現論会では最年少で教室長を経験し、今もなお現場の最前線で数々の合格を出し続ける。現論会MVP賞の受賞回数は過去最多。