受験生との関わり方で悩む保護者の方へ——「信じて見守る力」が子どもを伸ばします
更新日 : 2025年6月7日
大学受験が近づくにつれ、親として何をどこまで関わればいいのか、不安になる方も多いのではないでしょうか。
「ちゃんと勉強してるの？」「このままで間に合うの？」と、つい声をかけたくなってしまう——それは、我が子のことを思う親心ゆえの自然な反応です。
しかし最近の研究や教育専門家の見解では、親の「関わり方」ひとつで、子どもの学習意欲や精神的な安定が大きく左右されることがわかってきています。
◆「頑張ってるね」——その一言が子どもの背中を押す
ある研究によると、親からのポジティブな声かけや、「学習に集中できる環境を整えること」は、子どもの自己効力感（＝自分にもできるという自信）を高め、学習への意欲を促すとされています。
特に、「最近よく頑張ってるね」「君なら大丈夫だよ」といった具体的な励ましは、子どもにとって大きな安心材料になります。
◆「プレッシャーになる言葉」を避ける工夫
一方で、親の声かけが無意識にプレッシャーになってしまうこともあるため注意が必要です。
たとえば、「どうしてこの点数なの？」「もっと頑張ったら？」という言葉は、子どもを責めるつもりがなくても、自信ややる気を失わせる原因になりかねません。
また、「○○ちゃんはもっとやってるみたいよ」といった他人との比較も、かえって子どもを萎縮させてしまいます。
◆親自身が「穏やかであること」も、大切な支え
受験期は、親も不安になったり緊張する場面が増えます。しかしその表情や態度は、想像以上に子どもへ伝わっています。
ある専門家は、「受験当日、親が緊張した顔で送り出すより、笑顔で『行ってらっしゃい』と言ってあげてください」と助言しています。
子どもは親の落ち着いた態度から安心感を得て、本来の力を発揮しやすくなるのです。
◆「信じて見守る」ことが、自立と集中力を育てる
子どもが自分で考え、行動し、成長していくためには、親が一歩引いて見守る姿勢が欠かせません。
口出しを我慢するのは難しいかもしれませんが、「この子はきっとやり遂げる」と信じる気持ちが、子どもにとって何よりの支えとなります。
勉強に迷った時も、「どうしたらうまく進められそう？」と問いかけてあげるだけで、子どもは自分で考える力を育てていきます。
◆まとめ：親子で一緒に「信じる受験」を
大学受験は、結果だけではなく「どのように向き合ったか」も非常に大切です。
親子で不安や焦りを共有することもありますが、お互いに信じ合い、支え合う関係こそが、最も心強い後押しとなります。
宇都宮市内で、そんな温かい親子の受験期を支えたい——それが私たち現論会宇都宮校の願いでもあります。
もし「子どもの勉強について悩んでいる」「声かけが正しいのか不安…」という方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください
参考文献・引用記事
- 岡山大学教育学部（2020）「進路選択時の『親の関わり方』が進学後の大学生活満足度に影響」
https://edu.okayama-u.ac.jp/news/post-2353/ - ベネッセ教育情報（2022）「受験生の親、どうかかわるのが正解？」
https://benesse.jp/juken/202208/20220805-2.html - 河合塾マナビス「受験期のお子様との接し方」
https://www.manavis.com/family/connection.html - NHKハートネット「“頑張ってね”が逆効果に？受験期の親の関わり方」
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/592/ - 日本能率協会総合研究所（2018）「受験生の母親を対象とした意識調査」
https://www.jmar.biz/report/2018/12/04.html - 東京大学大学院教育学研究科（2019）「親による教育関与に関する研究の動向と展望」
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/52044/files/edu_58_44.pdf
