【大学受験 高3/浪人生へ】E判定・残り70日。その「焦り」を「合格点」に変える逆転戦略
更新日 : 2025年11月10日
こんにちは! 現論会立川校 教室長の横井です。
11月。共通テストまで、あと約70日。
模試はもちろんE判定。志望校の過去問は、どの科目も40~50%。
「もう、間に合わないかもしれない」
「やるべきことが多すぎて、何から手をつければいいか分からない」
本気で志望校を目指してきたからこそ生まれるその強烈な「焦り」に、押しつぶされそうになっていませんか。
その焦りは、君が本気である証拠です。
しかし、危険なのは、その「焦り」が君に間違った行動(=NG行動)を取らせてしまうことです。
この記事は精神論ではありません。残り70日を最大効率化するための「戦術」です。
本題に入る前に、まず「君が今、絶対にやってはいけないNG行動」を3つ、断言します。もし一つでも当てはまっていたら、今すぐ立ち止まってください。
🈲 この時期、絶対にやってはいけない「NG行動」ワースト3
NG行動 1:「もっと良いもの」を探し、新しい参考書・問題集に手を出す
不安になると、本屋で評判の良い参考書や、友人が使っている問題集が輝いて見えます。
「英語ができないのは、今使っている解釈の本が合わないからじゃないか…?」
「日本史の文化史がダメだ。専用のもっと簡単な講義系参考書を買おう…」
これが、最悪の一手です。
今から新しいものに手を出しても、中途半端に終わるだけです。
残り70日でやるべきことは、新しい知識を100増やすことではありません。
今持っている知識の精度を50から90に上げることです。
君が今すべきことは、使い込んできた参考書・問題集を信じ、その1冊を「完璧に(95%以上)仕上げる」ことだけに集中することです。
NG行動 2:「解ける」かを確認しない、「インプット」だけの作業に逃げる
「まだ知識が足りない」という不安から、インプット作業に逃げていませんか?
「日本史の『流れ』がわからないから」と、教科書を1ページ目から読み直す。
「古文の文法が不安だから」と、文法の講義動画を見直す。
「勉強した気」にはなりますが、「わかる」と「解ける」は全く別物です。
入試本番で君を救うのは「知っている知識の量」ではなく、**「制限時間内に正解できる得点力」**です。
今すぐ勉強時間の比率を**「アウトプット(演習・過去問)7割:インプット(復習・暗記)3割」**に強制的に切り替えてください。解いて、間違えて、その間違えた箇所「だけ」をインプットし直すのが最短ルートです。
NG行動 3:戦略なく「がむしゃら」に勉強する
「とにかく時間がない!」と焦るあまり、戦略を立てず、目の前にある科目や、自分の「マシな」科目に手を出していませんか?
「現代文は最近6割取れるから、今日も現代文を3時間やろう」
「古文・漢文と日本史の文化史は、ボロボロすぎて怖いから後回し…」
これは、地図を持たない行軍であり、遭難と同じです。
がむしゃらに10時間勉強しても、それが「合格最低点」に直結しなければ、自己満足で終わってしまいます。合格への「コストパフォーマンス」が最も良い科目・分野に、優先的に時間を割く戦略が必要です。
🗺️ E判定の「なぜ」を解体する【あなたの“現在地”の診断書】
NG行動に「ハッ」としたなら、ここからが本番です。
君がE判定で、過去問が45%しか取れないのには、明確な「理由」があります。
それは、君の「勉強法」と、志望校が「求めている力」が、根本的にミスマッチを起こしているからです。
君の努力は、間違っていません。しかし、向かう方向がズレているのです。
まずは「敵(志望校)」の姿を正確に把握しましょう。
ここでは具体例として、最難関私大の一つ「早稲田大学 商学部(地歴・公民型)」を分析してみます。
【Case Study】早稲田商学部:200点満点の戦場マップ
| 科目 | 試験時間 | 配点 | 合格ライン (予測) | 分析に基づく主要課題(ミスマッチの例) |
| 英語 | 90分 | 80点 | 55点 (約70%) | 【スピードの壁】 総語数3,400語超。単語力ではなく、複雑な構文を瞬時に処理する「解釈の速度」が問われる。 |
| 国語 | 60分 | 60点 | 40点 (約67%) | 【古漢の壁】 現代文は標準的だが、合否は「古文・漢文」で決まる。特に漢文は数問だが、ここで落とすと致命傷になる。 |
| 日本史 | 60分 | 60点 | 40点 (約67%) | 【単純暗記の壁】 用語の「単純暗記」では解けない「正誤問題」の精度が問われる。「なぜ」を理解していないと即死する。 |
| 合計 | 210分 | 200点 | 約135点 (67.5%) | 合格最低点は例年130点前後。調整を考慮し135点を狙う。 |
君の現状(45% = 90点)から、最低でも「あと45点」を積み上げる。
これが、残り70日間のミッションです。
君も、自分の志望校の「配点」「合格最低点」「問題構成」を書き出し、「あと何点、どこで稼ぐか」を明確にしてください。
⚡ 残り70日で「あと45点」を稼ぐ、科目別「逆転戦略」
【今回の戦略モデルとなる受験生像(ペルソナ)】
この戦略は、以下のような「君」を想定して組まれています。
(※これは早稲田商学部を志望するA君の例です)
- 現状: 模試E判定。過去問は4〜5割。
- 英語: 単語帳(ターゲット1900など)は完璧に覚えた。しかし、文法や解釈が曖昧で、読むのが遅く、いつも大問1個分くらい時間が足りなくなる。
- 国語: 現代文は6割前後で安定してきた。しかし、古文・漢文が壊滅的。特に文法は「やったはず」なのに、長文になると全く使えない。
- 日本史: 通史(教科書レベル)は一通り終わらせた。しかし、「流れ」がわからず単純な用語暗記になっている。文化史やテーマ史(経済史など)はほぼ手付かず。
「何をすべきかわからない」時間は、今日で終わりです。
インプット作業は即時停止。NG行動も即時停止。
今日から、合格点への「コスパ」が最も高い作業(=演習)に切り替えます。
これは「点を取りに行く」ための、具体的な「戦術」です。
(※以下は、上記のペルソナが早稲田商学部を攻略する例です。君の志望校に合わせて応用してください)
3.1 【英語:80点】「読めない」から「稼ぐ」へ(目標:+15点)
- 早稲田商の英語(90分・3,400語超)はスピード勝負。君が遅いのは、複雑な英文の「文法・解釈」で立ち止まっているからです。これは「知識量」の問題ではなく、「処理速度」の問題です。
- 70日間の逆転ミッション
- ミッション1:『ターゲット1900』はチェック程度にする。君の単語力は十分です。その「単語帳を眺める時間(NG行動2)」を、すべて「英文解釈」に回してください。新しい参考書は買いません(NG行動1)。今持っている解釈の参考書の精度を50%→95%に上げ、「構文処理の速度」を鍛えます。
- ミッション2:「大問1個解けない」を“物理的に”矯正する。週に3回、「過去問90分」のタイムアタック演習を行います。目的は「高得点」ではなく、「全大問に触れ、時間内に終わらせる」というリズムを体に叩き込むことです。アラームが鳴ったら、途中でも次の大問に移る。これを徹底してください。
3.2 【国語:60点】「コスパ最強分野」の攻略(目標:+15点)
- 君の国語の点数は、古文・漢文に全てを握られています。現代文の6割(約20点)で満足し、配点の残り(約40点)がある古漢から目をそらしているのが、NG行動3(得意科目への逃避)です。
- 70日間の逆転ミッション
- ミッション1:【最優先】漢文を「14日間」でマスターする。なぜ漢文か? 全科目の中で、最もコストパフォーマンス良く、短期間で得点源に変わるからです。70日もいりません。「14日間」で、持っている参考書の「句法」と「基本単語」だけを完璧に暗記してください。これは「学問」ではなく「暗記ゲーム」です。
- ミッション2:古文文法を「使う」訓練に切り替える。文法の教科書や動画を見るのは、もうやめてください(NG行動2)。中レベルの「古文長文の問題集」(例えば古文ポラリス①②)を毎日1題解き、本文中のすべての「助動詞」と「敬語」に丸をつけ、その「意味」と「活用形」をノートに書き出す。「わかる」を「解ける」に変える、唯一の作業です。
3.3 【日本史:60点】「単純暗記」から「戦略的解体」へ(目標:+15点)
- 君が「単純暗記」で勉強していること、それ自体が早稲田日本史の出題者の思うツボです。求められているのは、「しっかり歴史のなぜと流れを体系的に理解し、アウトプットする」という力(=流れの理解)なのです。
- 70日間の逆転ミッション
- ミッション1:今日から君は「エラー・アナリスト」になる。日本史の勉強時間の「半分」を、過去問の「正誤問題」の演習と分析に充ててください。
- ダメな復習: 「あ、3番が正解か。よし次」
- 受かる復習: 「正解は3番。だが、1番は“どこが”誤りか? 2番は“どの単語”を“何に”変えれば正文になるか? 4番は“時期”が違うのか?」これを全選択肢でやるのです。これが「流れ」と「なぜ」を理解する最短ルートです。
- ミッション2:文化史・テーマ史は「外科的手術」で対応する。苦手な文化史・テーマ史を、今から講義系参考書で「理解」しようとすると破綻します(NG行動1)。対策を「暗記」と「資料」に絞ります。『一問一答』の「文化史」と「戦後経済史」のページだけを回し、『資料集』の同じ時代の「写真」「地図」「グラフ」を目に焼き付けます。本番で「あ、この写真、資料集で見た!」と“即答”するための、点を拾う「外科手術」です。
- ミッション1:今日から君は「エラー・アナリスト」になる。日本史の勉強時間の「半分」を、過去問の「正誤問題」の演習と分析に充ててください。
📅 あなたの「70日間・逆転実行計画」
戦略は渡しました。しかし、君の悩みは「何をすべきかわからず、手が止まる」ことでした。
だから、もう君が「迷う時間」をゼロにします。
以下は、君の「毎日のタスク」です。
【君専用:70日間の“作業”スケジュール(例)】
| 時間(休日) | タスク(45分集中+15分休憩) |
| 【午前:頭がフレッシュな時間】 | |
| 09:00 – 09:45 (45分) | 【英語】解釈(ミッション3.1) |
| 10:00 – 11:30 (90分) | 【英語】過去問タイムアタック(ミッション3.1) |
| 11:30 – 12:00 (30分) | 【英語】復習(なぜ遅かったかを分析) |
| 【午後:ドリル&演習】 | |
| 13:00 – 13:30 (30分) | 【国語】漢文の句法ドリル(最優先)(ミッション3.2) |
| 13:30 – 14:15 (45分) | 【国語】古文「見つける」ドリル(ミッション3.2) |
| 14:30 – 15:30 (60分) | 【日本史】正誤問題“誤り分析”(ミッション3.3) |
| 15:30 – 16:15 (45分) | 【日本史】文化史・テーマ史「外科手術」(ミッション3.3) |
| 【夜:復習と調整】 | |
| 17:00 – 18:00 (60分) | 現代文の演習(週3回) |
| 19:00 – 20:00 (60分) | 今日間違えた全科目のエラー分析 |
計画を立てても、動けない日もあるかもしれません。
そんな時は、「完璧」を目指すのをやめてください。0点か100点か、ではありません。
計画の7割できたら、上出来。
ダメな日は、一番コスパの良いタスク(例:漢文の句法15分)だけでもいい。
「0点」より「10点」を取る。その積み重ねが、本番の「あと1点」につながります。
最後に:戦略家になれ
君の「焦り」は、本気だからこそ生まれるエネルギーです。
そのエネルギーを、不安に向けるな。NG行動に向けるな。
今日やるべき「目の前のタスク」だけに向けろ。
君はもう「何をすべきかわからない」受験生ではありません。
自分の弱点(ミスマッチ)を分析し、敵(志望校)の地図を持ち、70日間の最短ルート(逆転戦略)を知る「戦略家」です。
もし、この戦略を一人で実行するのが難しいなら。
「どの科目を優先すべきか、客観的に判断してほしい」
「このペースで本当に間に合うのか、確認してほしい」
そう思ったら、いつでも現論会 立川校のドアを叩いてください。
私たちは、君の現在地から志望校までの「最短ルート」の地図を描き、ゴールまで伴走するプロです。
焦っている暇があったら、ペンを動かせ。
君はまだ、ここから伸びる。