地学で点数が安定しない理由と、気象・地震・天体を読み解く“資料判断の型”による直前期対策
更新日 : 2025年12月13日
地学は、共通テストの中でも図表の比率が高く、文章・地図・数値を組み合わせて判断する科目です。知識を覚えるだけでは対応が難しく、直前期になると「天気図で迷う」「地震の波の読み取りが不安」「天体の周期が安定しない」という悩みが多く見られます。しかし、地学は“資料を読む手順”が整うと急速に安定します。暗記量よりも、読み取りの順番と判断の仕組みが点数の差をつくる科目です。
地学で点数が安定しない生徒に共通する事実
地学が不安定になるとき、次のような状態がよく見られます。
・天気図で前線の動きを読み取れない
・地震の初期微動と主要動の扱いに迷う
・震央距離の求め方に時間がかかる
・天体の周期の問題で計算がズレる
・資料の読み取りに時間がかかる
これらは、知識量の不足ではなく、読み取りの判断ルールが曖昧であることが原因です。地学は、図表を読み解く「順番さえ整えば」直前期でも点数が大きく改善します。
なぜ地学は読み取りの“型”で安定するのか
地学は現象を理解する科目であり、資料には必ず“読み取るべき順番”があります。順番を決めずに読もうとすると、情報量に圧倒され、正確な判断ができなくなります。
気象は、気圧配置 → 前線 → 風向 → 雲の動き の順で読み取ると理解が安定します。 地震は、初期微動・主要動の関係 → 震央距離 → 走時曲線 の順で整理することで迷いがなくなります。 天体は、位置関係 → 観測者の視点 → 周期 の順で考えるとズレにくくなります。
このように、地学は“手順の固定化”が最も効果的な科目です。
直前期に整えるべき三つの読み取り型
地学全体に共通するのは、「図のどこから読むか」を固定することです。ここでは、気象・地震・天体の三つを横断して使える型をまとめます。
1つ目は「大枠→細部」の順番です。天気図なら気圧配置、地震なら波形の全体像、天体なら位置関係。細部から読むと迷いやすくなります。
2つ目は「比較して差を見る」ことです。気象の前線の違い、地震の揺れの差、天体の位置差など、差を読むことで因果関係がつかみやすくなります。
3つ目は「数値ではなく傾向を見る」ことです。地学では、数値そのものより増減・周期・並びなどの傾向が判断の中心になります。
気象:天気図の読み取りを安定させる手順
気象は地学の中でも最も資料量が多い分野です。直前期は次の手順を守るだけで安定します。
① 気圧配置を確認する
高気圧・低気圧の位置は天気の大枠です。ここを最初に読むことで、前線や風向が理解しやすくなります。
② 前線の種類と動きを見る
温暖前線・寒冷前線・停滞前線の違いは、天気の変化の因果そのものです。位置と移動方向を確認します。
③ 風向と気温の傾向を読む
風向がわかると、気温と湿度の変化が予測できます。資料問題ではこの予測が選択肢の判断につながります。
④ 雲の広がり方を確認する
雲の発生は前線と大きく関係し、天気の変化を判断する重要な要素です。
地震:初期微動・主要動と震央距離の安定化
地震の問題では、波形の読み方と震央距離の求め方を安定させることが重要です。
① 初期微動と主要動の差を見る
P波とS波の到達の差を読むことで、震央距離が求められます。数値よりも“差”を先に確定することが大切です。
② 走時曲線で震央距離を決める
走時曲線は、時間→距離の関係を整理し、正しい距離を判断するための資料です。縦軸と横軸を先に読むことが重要です。
③ 複数観測点の交点で震央を特定する(仕組み)
震央は複数の観測点から求めます。この仕組みを理解しておくと、選択肢の正誤が判断しやすくなります。
天体:位置関係と周期を安定させる読み方
天体分野は、位置関係と周期で判断が決まります。ここでは最も安定する手順を紹介します。
① 太陽・地球・月の位置関係を先に確認する
日食・月食、季節、南中高度などすべての基盤です。位置が曖昧なまま計算すると必ずズレます。
② 観測者の視点を意識する
地球上のどこから観測したかで見え方が変わります。これを忘れると判断が不安定になります。
③ 周期計算は“変化の幅”を見る
周期は細かい計算よりも、変化の大きさと方向で判断すると安定します。
地学が伸びにくいと感じる理由と、実際には伸びる根拠
地学は数学的な処理が必要と思われがちですが、実際には“情報を整理する科目”です。図表のどこから読むかを決めるだけで、理解の負荷が大きく下がり、本番でも迷いが減ります。直前期に手順を整えるだけで得点が安定しやすいのは、社会科と同じ構造を持つためです。
直前期に最適な演習方法
地学は、短いサイクルで反復すると最も伸びます。次の方法が効果的です。
・天気図・地震波形・天体図をそれぞれ1題ずつ、毎日読む
・間違えた問題を「読み取り」「知識」「判断」のどこでミスしたか分類する
・翌日、同じ分類の問題を1題だけ解く
・週末に一週間分のミスをまとめて修正する
判断の型を崩さず反復することで、資料への耐性が高まります。
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