国公立二次模試を“最大限活用”する方法|得意・不得意・やってきたことを可視化し、次の一手へつなぐ
更新日 : 2025年11月8日
「頑張るぞー」「難しかった…」「この問題はできた」
「自己採点はこのくらい」「合計偏差値と順位はこうだった」──
ここで終わる模試活用はもったいない。
この時期の国公立二次模試の目的は、
結果そのものではなく方向を定めることです。
もちろん、努力が足りないのに「目的が大事だからOK」は違います。
大切なのは模試に向けて具体的に準備し、受け方を設計し、受けた後に行動へ落とすこと。
これができる人は、残り時間で点数の伸び方が変わる。
■ 模試の“正しい目的”──結果よりも「方向」を定める
二次型模試は、本番の形式・時間・思考負荷をまるごと体験できる貴重な場です。
ここで測りたいのは次の4点。
- 得意:どの設問形式・出題分野なら安定して得点化できるか
- 不得意:どの形式・思考ステップで詰まりやすいか
- 定着不足:やってきた知識・手順がどこで再現できないか
- 運用力:時間配分・問題選択・見切りの基準が機能したか
この4点を言語化して次の行動へつなげる。それが模試の本質的価値です。
■ 模試“前”にやること:目標は「点数」よりも「行動」
当日の行動を具体化すると、結果が安定します。
科目別に守るべき約束を事前に決めておきましょう。
数学(例)
- 全大問の【1】は必ず解く。難化していても基本配点を拾う。
- 初見で重い問題は10分で一度見切る。根拠のない粘りはしない。
- 時間配分を固定:例 見取り図5分→全体走査10分→取り切る2題×各25分→戻り時間10分。
- 方針メモ→1行理由→途中式可視化の手順を崩さない。
英語(例)
- 長文:どれだけ難化しても「設問先読み→本文根拠マーキング→選択肢消去」の型を守る。本文を読むのは何回なのか
- 英作文:「文構造の破綻」「主語・時制・冠詞」の3つはゼロミスを目標に。難しい語彙よりも正確な構文を優先。
- 時間見切り:1問に固執しない。長文は段落ごとの部分得点を積む意識。
国語(例)
- 現代文:接続語・対比・指示語のマーキングと論理展開メモを徹底。
- 古文:設問の文法・敬語ポイントを先に拾い、本文に根拠を取りに行く。
「高得点を目指す」は目標として弱い。今書いたのは一例です!自分で
“どの順番で・何分で・どこを取り切るか”まで事前に決める。
■ ありがちな失敗と対策:一問に時間をかけすぎる罠
二次型では「それなりにできる力」があるほど、満点を狙って1問に時間を溶かすリスクが高い。
この失点は設計で回避できます。
- 対策1:最初の10〜15分で全体を走査し、取り切る2問を先に決める。
- 対策2:「解けそう」でも手が止まりすぎたら退く(方針が言語化できなければ一度離れる)。
- 対策3:「戻り時間」を必ず確保。深追いは最後の10分にまとめて行う。
合格点は“取り切り×見切り”で作る。この原則を当日の行動に落とすことが重要です。
■ 本番形式で受けるメリット:思考と時間の精度が上がる
- 思考の整理:設問の読解→方針決定→計算・記述の手順が磨かれる。
- 時間感覚:「5分で見切る」「25分で取り切る」など、身体感覚としての配分が身につく。
- 記述の型:「結論→根拠→検算(英語なら構文の整合性)」のテンプレが固定される。
- メンタル耐性:難化・出題ブレでも自分の型で戦える安心感が生まれる。
■ 模試“直後”にやること:数字ではなく“原因”を集める
点数・偏差値・順位を眺めるだけでは行動は変わりません。
失点の原因を3分類し、言語化→次の週の計画へ反映します。
- 知識不足:定理・語彙・文法・古典文法などが抜けていた。
- 読解・方針の誤り:設問要求の取り違い、本文根拠の取り漏れ、方針の立て方が不明確。
- 時間配分・見切り:配点の低い設問で時間を浪費、戻り時間の不足。
それぞれに1行アクションを付けます。
「語彙不足→英作文で主語・時制・冠詞だけゼロミス訓練を毎日10分」
「方針が立たない→数学は方針メモ→1行理由→途中式可視化をテンプレ化」
「見切れない→最初の10分で全体走査、戻り10分は死守」など。
■ 科目別・当日の“実行ガイド”
数学
- 見取り図5分→全体走査10分。各大問のレベル・配点・取れそう度を即判定。
- 【1】は確実に。基本配点を落とさないだけで合計が安定する。
- 方針メモ→1行理由→途中式。途中式は採点の保険にもなる。
- 戻り時間10分確保。深追いは最後にまとめる。
英語
- 長文:設問先読み→本文根拠マーキング→選択肢消去の型を崩さない。
- 英作文:語彙で背伸びしない。構文正確性(主語・時制・冠詞)ゼロミスを最優先。
- 時間管理:1問に固執せず、段落単位の部分得点を積む。
国語
- 現代文:接続語・対比・指示語のマーキングで論理の骨格を追う。
- 古文:設問に出る文法・敬語を先に押さえ、本文へ根拠取り。
■ 「順位・偏差値を見て“へー”で終わらせない」チェックリスト
- 目標は達成したか:達成/未達成/一部達成(理由を一言)
- 時間配分は機能したか:見切り・戻り時間は守れたか
- 設問タイプ別の正答率:典型/応用/融合での強弱
- やってきた範囲の再現度:既習単元での失点はどこで出たか
- 次回の行動:来週のToDoに落ちたか(量・時間・締切まで具体化)
■ 模試を“分析素材”に変える:1週間の落とし込み例
例:数学で「方針は立つが計算で失点」「時間見切りが甘い」場合
- 月〜木:標準題を毎日2題。方針メモ→1行理由→途中式。25分で打ち切り。
- 金:本番形式で60分演習(見取り図→全体走査→取り切る2題→戻り)。
- 土:失点箇所だけ再現テスト(別問題で同じ考え方を使う)。
例:英語で「英作文の構文ミス」「長文で根拠が曖昧」場合
- 毎日10分:英作の型練(主語・時制・冠詞のゼロミス)。
- 長文:設問先読み→根拠マーキング→消去の手順練を1題。時間内で打ち切る。
- 週末:模試の英作文を添削観点で書き直し、減点理由をカード化。
■ 結論:模試の価値は「点数」ではなく「次の一手」
模試は、自分がどう戦うかを決める場所です。
点数や判定を眺めるだけでは何も変わらない。
受ける前の目標設定、当日の行動の型、終わった後の原因言語化→計画反映。
この一連を毎回回すことで、本番の得点力は確実に上がります。
■ 現論会は“模試→行動”の変換を伴走します
- 事前設計:科目別の目標・時間配分・問題選択の基準を一緒に決める
- 当日運用:「取り切り×見切り」の型を個別最適化
- 事後分析:知識/方針/時間の失点要因を仕分け、翌週ToDoへ落とし込む
- 継続改善:週次でミニPDCA(小さな改善を積む)
三宮校では神戸大学・大阪大学など現役の難関大コーチが、あなたの実力を点数に変える設計を伴走します。
自習環境も整備。いつでも質問・相談が可能です。
お問い合わせはこちら(無料受験相談 受付中)
「結果で一喜一憂」で終わらせず、次の一手へ!