直前期になると、急に集中できなくなったり、不安が強くなったりする生徒が増えます。この状態は意志の弱さではなく、脳の特性によって起こります。ここでは、高3生と浪人生が直前期に安定して学習を続けるための科学的な視点と、今日からできる環境づくりを整理します。

直前期に不安が強くなる事実

共通テストが近づくと、普段できていることができなくなりやすくなります。例えば、理解しているはずの問題に迷いが出たり、解くスピードが落ちたりすることがあります。これは多くの受験生に共通する現象です。

また、不安が強まると次のような行動につながりやすくなります。

・演習量を増やそうとして計画が崩れる
・焦りから別の問題集に手を出す
・睡眠が乱れる
・ミスが増える

これらは精神的な弱さではなく、脳が負荷に反応しているだけです。

なぜ不安定になるのか：科学的な理由

脳はストレスを感じると、情報処理を司る前頭前野の働きが一時的に低下しやすくなります。その結果、判断力の低下や集中力の乱れが生まれます。これは受験生特有の現象ではなく、人が緊張下に置かれたときに自然に起こる反応です。

直前期は「不確実性」が高まる時期です。人は先が見えない状況ほど脳が負荷を感じ、パフォーマンスが不安定になります。つまり、受験前に不安が強まるのは自然なことです。

不安を減らすにはメンタルではなく“環境”を整える

直前期は「気持ちを強く持つ」よりも、「不安が起きにくい環境と習慣を作る」ほうが効果的です。脳は環境に影響されて働き方が変わるため、勉強場所やルーティンが整っているほど安定して学習できます。

特に、次の三つが重要です。

1つ目は「迷う要素を減らすこと」です。今日やる内容が明確であれば、脳の負荷が軽くなります。

2つ目は「同じリズムで生活すること」です。睡眠・食事・学習時間が一定だと、脳の活動が安定します。

3つ目は「相談できる環境を持つこと」です。悩みを自分だけで処理しようとすると、脳の負荷が大きくなり、集中力が低下しやすくなります。

今日からできる習慣：直前期を安定させる行動

① 一日の最初に“やる内容を3つだけ決める”

タスクは多いほど不安が増えます。優先度の低いものは後回しにして構いません。

② 勉強場所を固定する

同じ場所で学習すると、脳が“学習モード”に切り替わりやすくなります。

③ 寝る前にスマホを遠ざける

睡眠の質が乱れると前頭前野のはたらきが低下します。直前期ほど睡眠が重要です。

④ 迷ったときは必ず相談する

迷いをそのままにすると不安が増えるだけです。判断の方向性が整えば集中しやすくなります。

現論会としてのサポート

現論会では、直前期に生徒が不安を抱えないよう、学習の仕組みと生活リズムを一緒に整えています。メンタルに頼るのではなく、安定して行動できる“環境と習慣”を作ることを重視しています。相談しやすい校舎の雰囲気も大切にしています。

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