A〜E判定の“本当の意味”と合格点のリアル|数字に振り回されず、次の一手へつなぐ
更新日 : 2025年11月8日
模試の判定や点数・偏差値は、努力の成果が“見える化”された貴重な情報です。
一方で、数字だけを見て一喜一憂しても、明日の得点は上がりません。
この記事では、A〜E判定の読み取り方と、本番点数(合格最低点付近)に合格者が集中しやすいという現実を整理し、数字を「次の一手」に変える具体策まで落とし込みます。
■ まず確認:A〜Eは“5等分”ではない
たとえば受験者が200人でも、A判定40人・B判定40人…という均等配分ではありません。
判定は一般に「合格可能性の区分」として設計され、受験者の人数で機械的に5分割しているわけではないからです。
A判定は母集団の上位少数に集中し、C・D・E判定には幅のある層が多く含まれることが一般的です(年度・試験・主催者により異なります)。
重要:「Aは人数が多い層」ではない/「Eは必ず遠い」わけでもない。
数字の意味は「あなたが次に何を直せばいいか」を示す材料です。
■ 主催・塾によって“前提”が違う(母集団/指標/算出法)
模試は主催団体・塾によって母集団の特性や算出方法が異なり、同じ偏差値でも意味合いが変わることがあります。
- 母集団の違い:受験者の学力分布・志望校傾向・受験教科の組み合わせが異なる。
- 指標の違い:偏差値中心か、合格可能性(%)中心か、科目合算の扱いなどに差がある。
- 判定帯域の違い:「A=合格可能性◯%以上」などの区切り方は主催ごとに設計が異なる。
このため、塾1のB判定=塾2のC判定というように表示がずれることもあります。
大切なのは、主催を考慮して推移を追うことと、数字の背景(母集団・設計意図)を理解したうえで自分の学習に翻訳する姿勢です。
■ 合格者は“合格最低点付近”に集中しやすいという現実
実際の入試では、合格者の多くが合格最低点の前後に集中する傾向が見られます(年度・大学により異なるが、少数の上位独走と、多数のボーダー近辺の拮抗が併存しやすい)。
これは、難関校ほど科目数や出題の広さによって、“全科目で大幅に上振れ”する人が少数派だからです。
言い換えると、「あと数点」を安定的に拾える人が合格を引き寄せます。あと一桁点で合格だった、不合格だったという人がめちゃくちゃ多いんです。
結論:本番は「完璧勝ち」より「取りこぼし最小」が勝ち筋。
上位合格層なら話は別ですが、ほとんどの受験生は数点、数問が勝負です!
■ 「判定の読み方」を誤ると、勉強の方向がずれる
どの判定でも共通するのは、「どの問題を落としているか」まで分解して読むことです。
偏差値1〜2の上下より、落とした1問の“中身”のほうが対策価値が高い。
■ 「数字→行動」への翻訳術:5つの観点
- 設問タイプ別の強弱:典型・応用・融合・記述・英作文・自由英作・証明・グラフ…どれで落とす?複数の模試を受けるとより自分を理解できます!
- 配点×時間の収支:低配点に時間を溶かしていないか/高配点の“取り切り”が甘くないか。
- 既習範囲の再現度:「やったはず」の単元で落としていないか(計画の再設計ポイント)。
- 初手の方針:方針メモ→1行理由→途中式・根拠マーキングのテンプレが機能したか。
- 戻り時間:「見切り→戻り10分」の型を維持できたか。深追いは最後にまとめたか。
この5観点で原因を1行で言語化し、次の週にToDo化します。
■ 科目別:数字の“読み替え”と次の一手
英語
偏差値や素点だけでなく、「根拠の取り方と英作文の減点理由」を見る。
長文は設問先読み→本文根拠マーキング→選択肢消去の型が崩れていないかを検証。
英作文は主語・時制・冠詞・語順・一致のゼロミスを最優先(難語より構文の正確性)。
ToDo化例:毎日10分の英作文型練/長文は段落ごとの根拠位置を声出し確認。
数学
総合点より、各大問の“取り切り率”を見る。
【1】落ち→基本の穴、中盤失点→方針の甘さ、終盤失点→時間管理。
ToDo化例:見取り図5分→全体走査10分→取り切る2題→戻り10分の型を60分演習で毎週再現。
国語
現代文は、接続語・対比・指示語で論理骨格を追えたか。
古文は、設問の文法・敬語ポイント→本文の根拠取りの順を守れたか。
ToDo化例:本文根拠の線引き→設問根拠の対応表を自作。毎日10〜15分の型練。
■ 判定に“左右されない”ためのチェックリスト
- 設問タイプ別の正答率を記録しているか:「どこで勝ち、どこで負けたか」を把握。
- 時間配分の守破離:決めた型を守れたか/どこを意図的に崩したか。
- 既習範囲の落ちを即ToDo化:「やったはず」を最優先で回収。
- 来週の計画への反映:量・時間・締切まで書けているか。
■ ケースで見る“数字の翻訳”
Case A(英語・B→Cに下降):
長文の根拠取りが乱れ、英作文で構文ミス多発。
→ 長文は設問先読み→根拠マーキング→消去の手順練を毎日1題(25分で打切)。
→ 英作文は主語・時制・冠詞のゼロミス型練を10分×毎日。
目的:“型の再現性”を回復し、安定帯へ。
Case B(数学・C→C横ばい):
【1】は取れるが、中盤の方針決定が遅く配点を取り切れない。
→ 60分演習で見取り図→全体走査→取り切り→戻りを毎週再現。
→ 方針メモ→1行理由→途中式のテンプレで採点の保険も確保。
目的:時間あたりの得点効率の最大化。
Case C(国語・D→Cへ上昇):
本文の論理追跡と設問対応のズレが減少。
→ 接続語・対比・指示語のマーキングを最初の3分で固定。
→ 古文は設問の文法・敬語先取り→本文根拠の順を徹底。
目的:“読み方の型”を固め、ブレを減らす。
■ ここが本質:合格点は「上振れ」ではなく「取りこぼし最小」で作る
本番の合格者の多くは、全教科実力通り、もしくは上振れの点数を取れたのではありません。
むしろ、自分の実力と学科の合格点を見極めて大幅な下振れがない人です。だからこそ、毎回の“あと数点”を確実に拾う仕組みが最重要です。受験生に判定結果を気にするなとはもちろん言いませんが
判定に安心・落胆するだけではなく、「次の1点」を設計しましょう。
■ 現論会三宮校は「数字→行動」の変換を設計します
- 判定の翻訳:主催ごとの前提(母集団・算出法)を踏まえ、あなた専用の意味づけに変換。
- 弱点の特定:設問タイプ×配点×時間の観点で、落としている“中身”を特定。
- 週次ToDo化:量・時間・締め切り・確認方法まで具体化(迷いゼロ)。
- 再現トレーニング:本番形式の時間配分・見切り・戻りをミニ模試で定着。
神戸大学・大阪大学など現役の難関大コーチが、判定と点数を合格力に変える伴走をします。
自習環境も整備。いつでも質問・相談が可能です。
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数字で終わらせず、数字を“次の一手”に。