本番で解ける人は「緊張の使い方」がうまい|パフォーマンスを最大化する“科学的メンタル術”
更新日 : 2025年10月31日
試験が近づくと、多くの受験生がこう思います。
「本番でいつも通りできれば…」
もちろん仕方ないことです。
でも、実は違います。
本番は“いつも通り”ではなくていいのです。
緊張は悪者ではありません。
正しく使えば、集中力・判断力・記憶力を最大化する味方になります。
■ 緊張はなぜ生まれる?|体の防衛反応
緊張とは、生き延びるための脳のシステム。
「失敗できない状況=脅威」と判断した瞬間、脳は
- 心拍数上昇(血流が脳へ)
- 五感が敏感に
- 集中力を一点に絞る
つまり緊張は、“戦闘モード”。
性能を引き上げるためのスイッチです。
問題は…
スイッチの強さを調整できない人が多いこと。
少なすぎても、多すぎてもダメ。
最も結果を出せる緊張度=「最適覚醒水準」があります。
■ 緊張を味方にする3ステップ
① 自覚する|身体の変化を観察
「緊張しているな」
その一言だけで、扁桃体(恐怖反応)が落ち着きます。
不安の正体に名前をつける=コントロールの第一歩。
例:目の前の紙に書き出す
- 手汗が出ている
- 鼓動が速い
- 呼吸が浅い
これだけで、感情が思考に戻ってきます。
② 敵ではなく味方だと言い聞かせる
ハーバード大学の研究では、
「緊張=準備ができた証拠」と認知を変えるだけで
- 成績が向上
- ストレス反応が低下
という結果が出ています。
「緊張は集中力の燃料」
この言葉を当日の合言葉に。
③ 呼吸で整える|30秒でOK
心拍数を整えられるのは呼吸だけ。
▼緊張を下げる呼吸法
- 4秒吸う
- 6秒止める
- 8秒で吐く
2~3セットで脳が落ち着き始めます。
■ 試験中に「焦り」が来たらどうする?
焦りの正体は「時間が足りない」という恐怖。
その瞬間にパフォーマンスが下がるのは当然。
そこで必要なのは、
①今どこにいるかを言語化し、
②次の行動を一言で決めること。
例:国語(現代文)
- 今:第2問の問3で止まってる
- 次:設問先読み → 根拠拾い → 書く
止まったら、言葉にする。
それだけで思考が前に動きます。
■ 「分からない」問題との向き合い方
初見問題は解けるとは限らない。
でも戦える方法はあります。
▼考える順番を決めておく
- パターン適用できる?
- ヒントどこ?(注釈・図・選択肢)
- 部分点を取りに行く?
「考えることを決めている」人だけが踏みとどまれる。
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■ 1科目が崩れた時の立て直し方
受験で崩れない人はいません。
差がつくのは立て直しの速さ。
▼試験後:30秒ルール
- 深呼吸 × 2セット
- 「次の科目の1問目」だけに集中と宣言
過去は反省するな。未来だけ見る。
これが勝つ人の思考です。
■ 練習で「本番力」をつくる|ルーティン化
緊張に強い人は
緊張する環境で練習している人。
例:
- 時間を本番と同じにする
- 静かな環境で演習
- 見られている状況で模試を解く
状況は変えられない。
ならば「対応力」を鍛える。
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■ 緊張を味方にできた君は強い
緊張しているということは
本気で戦いに来ている証拠です。
そのエネルギーを、
勝つために使いましょう!
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<参考文献・出典>
Jamieson et al. (2013). “Reappraising arousal improves performance on math tests.”
Harvard University Study on Cognitive Reappraisal of Stress
Blascovich, J. (2008). Challenge and Threat: Neuropsychology in performance.
Research on Focused Breathing and Performance Regulation (Stanford, 2017)