エビングハウスの忘却曲線から学ぶ「復習タイミングの科学」
更新日 : 2025年10月23日
「覚えたはずなのに、すぐ忘れる」——これは誰もが経験すること。
しかし、記憶の減少には明確な法則があります。
それが、心理学者エビングハウスの提唱した忘却曲線です。
① 忘却曲線とは?
人間の記憶は、学習後すぐに急激に減少します。
実験では、以下のような割合が確認されています。
- 20分後 … 約42%忘れる
- 1時間後 … 約56%忘れる
- 1日後 … 約74%忘れる
つまり、「覚える努力」よりも、「忘れる前に復習する工夫」が大切なのです。
② 最適な復習タイミングは「5回」
記憶の定着を最大化するには、以下の5回復習が効果的です。
- 1回目: 学習直後(即時確認)
- 2回目: 翌日
- 3回目: 3日後
- 4回目: 1週間後
- 5回目: 1か月後
この間隔で復習を行うと、記憶の保持率が大幅に向上します。
この方法は「間隔反復(spaced repetition)」として、教育科学でも広く実証されています。
③ 復習は“短く・思い出す”ことが目的
復習というと「もう一度読む」と考える人が多いですが、
本当に効果があるのは“思い出す練習”です。
- ノートを閉じて、内容を口頭で説明する
- 自分で小テストを作って解く
- 赤シートで隠して思い出す
「取り出す練習(リトリーバル)」を繰り返すことで、記憶が長期的に定着します。
④ まとめ:忘れる前に「再点火」する
記憶は放っておけば消えるもの。
でも、タイミングよく復習を重ねれば、確実に“残る記憶”に変わります。
「理解した」で終わらせず、“忘れる前にもう一度”を意識しましょう。
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