【数学】数学の「確率」が苦手な君へ。場合の数から条件付き確率まで、”思考を整理する”ための最強ノート術
更新日 : 2025年7月22日
「赤玉3個、白玉2個を袋から取り出し…」「A、B、Cの3人が一列に並ぶ…」「サイコロを2回投げて、出た目の和が…」
問題文を読んだだけで、頭が真っ白になる。どのパターンを数えればいいのか、重複や漏れはないか、考えれば考えるほど可能性の迷路に迷い込んでしまう…。
もしあなたが「確率」の問題でいつもこのように感じているなら、その原因は、計算力や発想力の欠如ではありません。最大の原因は、複雑な状況を整理する「技術」を知らない、ただそれだけです。私も現役時代、ずっと確率は苦手でした。なんて複雑なんだ。なんでここは同じとか言えるの?などなど
この記事では、あなたの頭の中のゴチャゴチャを解消し、確率の問題をクリアに解き明かすための「最強のノート術」を伝授します。この技術を身につければ、確率は決して怖い分野ではなくなります。
なぜ「確率」で、あなたの頭は混乱するのか?
それは、あなたが無意識に、すべてを頭の中だけで処理しようとしているからです。確率の問題は、複数の条件が絡み合う、いわば”情報戦”です。人間のワーキングメモリ(一度に処理できる情報量)には限界があり、それを超える情報を脳内だけで処理しようとすれば、混乱して当たり前なのです。
攻略の鍵は、頭の中の情報を、決まった「型」に従ってノートに書き出し、可視化(見える化)すること。優れたノート術は、あなたの第二の脳として機能します。
思考がクリアになる!確率を”攻略”する3つのノート術
状況に応じて、以下の3つの「思考整理ツール」を使い分けてください。
ノート術①:「樹形図」を恐れない。すべてを書き出す勇気を持つ
「場合の数」で、どの公式(PやC)を使えばいいか少しでも迷ったら、面倒くさがらずに、まず「樹形図」を書いてみましょう。原始的に見えますが、すべての場合を重複なく、漏れなく列挙するには最も確実で強力な方法です。特に、試行回数が少ない問題や、条件が少し複雑な問題では絶大な効果を発揮します。「きれいに解く」より「確実に正解する」ことを優先する勇気が、合格への近道です。
ノート術②:「表」でタテとヨコを支配する
「サイコロを2つ投げる」「AさんとBさんが、それぞれクジを引く」のように、独立した2つの試行がある問題では、「表」が最強のツールです。タテ軸とヨコ軸にそれぞれの試行の結果を書き出し、マス目を埋めるだけで、起こりうる全事象(36通りなど)が一目瞭然となります。これにより、視覚的に条件に合うマス目を探すだけの、シンプルな問題に変わります。
ノート術③:ベン図で「じゃない方」をあぶり出す
「少なくとも1つは〜」というキーワードが出てきたら、それは「余事象」を考えるサインです。この「〜ではない」確率を考える際に、威力を発揮するのが「ベン図」です。全体集合の四角と、事象Aの円を描くことで、「Aが起こる確率」と「Aが起こらない確率」の関係性を視覚的に捉えることができます。これにより、複雑に見える問題も「1-(Aじゃない確率)」というシンプルな引き算で解決できます。
「ノート術」とは、思考の”OS”をアップデートする作業です
これらのノート術は、単なる小手先のテクニックではありません。それは、確率の問題に取り組む際の、あなたの思考の”OS(オペレーティングシステム)”をアップデートする作業です。
しかし、ここで新たな疑問が生まれます。
「目の前の問題に対して、樹形図、表、ベン図のうち、どのツールを使うのが最適なんだろう?」
この「ツールの選択」こそが、確率を得意にするための最後の関門です。そして、この判断力を一人で磨くのは、時間がかかり、非常に困難です。
あなたの問題に、最適な「思考ツール」を処方します
私たち現論会のコーチングでは、あなたの解答だけでなく、そのプロセスが書かれた「ノート」を重視します。そして、週に一度の面談で、こう問いかけます。
「この問題、樹形図で解いたんだね。もちろん正解だけど、もし『表』を使ったら、もっとシンプルに考えられないかな?一緒に書いてみよう」
このように、その問題に対して最適な「思考ツール」は何かを一緒に考え、処方し、使い方をトレーニングする。私たちは、解法を教えるだけでなく、あなたの「思考プロセス」そのものを指導します。これこそ、現論会が提供する指導の質の高さです。
確率の勉強法に悩んでいるなら、ぜひ一度、あなたのノートを私たちに見せてください。どこをどう改善すれば、あなたの思考がクリアになるのか、具体的にアドバイスします。またこれは確率の初歩の部分について解説しました。応用が進むと漸化式と合わさったり、統計と複合したり、期待値を計算したりとよりテクニックと整理が必要になります。それについてはまたの機会に記事にしてみようと思います。