「どこに行くか」よりも「そこで誰になるか」
更新日 : 2026年3月20日
3月20日、春分の日。日本ではお彼岸を迎え、いよいよ新しい生活へのカウントダウンが聞こえ始める頃ですね。
進路が決まり、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちでこの休日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。
今の時期、私たちはつい「どこに行くか」という結果ばかりに目を向けてしまいます。
「あの大学に合格したから、私の人生は成功だ」
「第一志望に行けなかったから、私の価値は下がってしまった」
そんな風に、自分が所属する場所や与えられた「肩書き」が、自分という人間の価値をすべて決めてしまうような錯覚に陥ることがあります。
しかし、実存主義という哲学の考え方に「実存は本質に先立つ」という言葉があります。
簡単に言えば、「人間はまずこの世に存在し、その後の自分の行動によって自分を定義していく」ということです。つまり、合格した大学名や「浪人生」というラベルは、あなたの「本質」を1ミリも決定しません。あなたがその場所で、明日からどう生きるか。その選択の積み重ねだけが、あなたという人間を形作っていくのです。
今の私にとって、この言葉は単なる理屈ではなく、痛みを伴う実感です。実習現場では、私がどこの大学の学生であるかなんて、誰も気に留めません。英語が詰まり、指示を一度で理解できない私は、ここでは単なる「不器用な実習生」でしかありません。
最初は自分のブランドが通じないことにひどく怯えていましたが、最近はようやく、その「何者でもない自分」が、目の前の患者さんのために何ができるかを考えること。その泥臭い選択の中にこそ、自分の本当の価値があるのだと思えるようになってきました、、 等身大の自分を曝け出す、それはとても怖いことでありますが、同時に一番エネルギーに溢れているんだなと思います。
もしあなたが望んだ場所へ行くのなら、その環境を「自分の価値を証明する飾り」にするのではなく、自分をどう成長させるかの「舞台」にしてください。
もしあなたが望まぬ場所へ行くのなら、その環境を「自分への罰」にするのではなく、誰も知らない自分の強さを磨くための「修練場」にしてください。
置かれた場所で咲く、とっても素敵な言葉だと私は思います。
どちらの道を歩むにせよ、その場所があなたを幸せにするのではありません。
あなたがその場所で「誰」として振る舞い、どんな価値を周囲に提供しようとするか。その意志こそが、あなたの新生活に色を塗っていくのです。
新しい環境へ踏み出すまで、あとわずか。
「どこへ行くか」という悩みはもう終わりにしましょう。
その代わりに、「そこでどんな自分でありたいか」を、ゆっくりと、けれど強くイメージしてみてください。
その決意がある限り、あなたはどこへ行っても、最高にあなたらしい人生を歩んでいけるはずです。
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