【受験生へ】ミスは「気合」ではなく「仕組み」で防ぐ
更新日 : 2026年2月11日
入試本番で悔やまれるのは、難問が解けなかったことよりも、解けるはずの問題をケアレスミスで落としてしまうことではないでしょうか。「次は気をつけよう」という反省は大切ですが、実は精神論だけではミスは防げません。私は、ミスを個人の注意力のせいにせず、物理的にミスが起こり得ない状況を作る「安全工学」の考え方を試験に応用すべきだと考えています。
工場の安全管理などで行われる「多重防御(フェイルセーフ)」という概念があります。人間は必ずミスをするという前提に立ち、ミスが起きても致命的な結果にならないよう二重三重のチェック機能を設ける手法です。エレベーターが地震で停止する、石油ストーブが倒れると火が消える、鉄道の信号機が異常時に赤信号になる、自動車のブレーキが二系統で制御されるなどがこれにあたります。これを試験の解法に組み込んでみましょう。例えば、「問題文の条件(『適さないものを選べ』など)に大きく印をつける」「計算の過程を後から追いやすいように整理して書く」「答えを出した後、逆算や概算で検算する」といった具体的な動作をルーティン化するのです。
私は、ケアレスミスが多い人ほど「頭の中だけで処理しようとする」傾向があると感じています。記憶だけに頼らず、情報の断片を解答用紙や問題用紙に「見える化」して残しておくこと。これが、脳のワーキングメモリの負荷を減らし、ミスを物理的に防ぐ最強の防御策になります。見直しの時間も、「全体をざっと眺める」のではなく、「符号のミスはないか」「単位は合っているか」と、チェック項目を絞ってスキャンするように動いてみてください。
「自分はミスをする人間だ」と認めることは、決して弱さではありません。むしろ、その前提に立って万全の対策を講じることこそが、プロフェッショナルな受験生の姿勢です。1点の重みが合否を分けるこの時期だからこそ、あなたの実力を100%得点に結びつけるための「ミスの封じ込め術」を確立させてください。落ち着いて、一つひとつの動作を丁寧に行えば、ミスは必ず最小限に抑えられます。
本番であなたを助けるのは、一時の高揚感ではなく、日頃から鍛え上げた「正確な手続き」です。自分の手を、頭を、仕組みとして使いこなし、確実に得点を積み上げていきましょう。あなたが積み重ねてきた努力を、1ミリもこぼさずに解答用紙へ。その執念を応援しています。
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