【受験生へ】知識に持たせる「余裕」の価値
更新日 : 2025年12月30日
受験生の皆さんは今、膨大な知識を整理し、完璧を目指して学習を進めていることでしょう。しかし、私は完璧主義というものが、時に本番で足かせになる可能性があると考えるのです。
情報科学やシステム工学の分野には、「冗長性の確保」という考え方があります。これは、主要なシステムが万が一機能しなくなった場合に備え、あらかじめバックアップとなる予備の機能を持たせておくという設計思想です。飛行機の設計やコンピューターのデータ管理など、失敗が許されない現場で非常に重視されています。
私は、皆さんの知識の習得にも、この「冗長性」の概念を取り入れてほしいと願うのです。ある特定の単元や知識が、試験中に完全に思い出せなくなったとします。これはシステムにおける一時的な故障と言えるでしょう。このとき、その一つの知識に全てを依存していると、解答のプロセス全体が停止してしまいます。
しかし、周辺分野の知識や、関連する応用問題への取り組み、あるいは異なる切り口からの思考法が、「保険」のように機能していたらどうでしょうか。不完全な一つの知識を、別の確かな二つの知識で補い、解答を導き出すことができるかもしれません。
これは、一つ一つの知識を完璧にすることと同じくらい、あるいはそれ以上に、知識の範囲と相互連携を広げることの重要性を意味します。深い知識の追求と同時に、少しでも関連性の高い分野に触れておく。これが試験本番において、想定外の事態から自分を守るための、確実性の高い防御策になると私は痛感するのです。
完璧ではない部分を恐れる必要はありません。その不完全さを、周辺知識という「冗長性」で覆い隠す戦略こそが、土壇場での突破力を生むと私は信じています。
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