【とある日のmonologue #30】
更新日 : 2025年12月15日
指導の現場で、ある生徒がふと漏らした言葉が、今日一日、私の心に深く残っています。彼は「結果がどうあれ、自分はやりきったと思いたい」と、力強い決意を口にしました。私はその言葉を聞いて、教育の本質とは、単に知識を与えることではなく、自らの努力に納得できるだけの、内なる誇りを育む手助けにあるのだと、改めて痛感したのです。
すごく有名な話で、「飢えている人に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教え得るべきだ」というのがあります。もう本当に綺麗事ではありますが、今のあなたの努力から得られたものはかけがえのないものです。誇ってください。
私たちは、常に受験というゴールを目指して計画を立て、実行を促します。しかし、目標達成という外的な価値よりも、その過程で生徒たちが獲得する、自分自身を信じるという感覚の方が、人生においては遥かに価値があるのではないかと考えるようになりました。
彼らが取り組む学習のテーマは、歴史であったり、物理法則であったり、様々です。しかし、その根底にあるのは、未知の概念に立ち向かい、理解を深めるという、普遍的な人間の営みです。その粘り強さ、ひたむきな姿勢こそが、彼らの未来を形作るのだと感じます。
教育者としての私の役割は、彼らの歩みが迷いなく、確かなものとなるよう、寄り添い続けること。そして、彼らがこの受験期間を、自分自身への信頼を培う機会として終えられるよう、最後まで伴走することだと考えるのです。