【受験生へ】過去問に赤ペンを入れるな
更新日 : 2025年12月8日
この時期、過去問演習の回数が増え、問題用紙が何冊も机に積まれていることと思います。ここで、一つ見直してみてほしい習慣があります。それは、問題用紙や解答用紙に、直接、赤ペンや解説を書き込んでいないか、ということです。
私たちは過去問を一度解いたらそれで終わりだと思いがちです。しかし、過去問の最大の価値はその点数にあるのではなく、分析と復習を何度も繰り返すための「教材」としての側面にあると、私は考えています。最初に書き込んでしまうと、その問題がもう二度と使えなくなってしまうのです。
過去問演習の質を上げるには、「解く作業」と「分析の作業」を物理的に分断することが大切です。問題を解く時は、解答用紙に直接書き込まず、すべて別のノートかコピー用紙に解答を書き出します。
そして、丸付けと復習の時こそ、専用の分析ノートを用意します。このノートには、次の3つのことだけを記録します。
1. 間違えた原因: 知識不足か、ケアレスミスか、思考力不足か。
2. 正しい思考プロセス: 解説を読んで理解した、正解に至るまでの流れ。
3. 次に解く時の目標: 次は、どういう点に注意して解き始めるか。
過去問は、あなたの弱点を明らかにする、貴重なデータです。それを一度きりの消耗品として扱うのはもったいない。問題用紙を常にまっさらな状態に保つことで、時間をおいて、完全にリセットされた状態で何度も解き直すことが可能になります。
道具の使い方一つで、思考の質が変わる。この冷静な使い分けこそが、残された時間を最も有効に使う技術だと考えるのです。
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