「もう十分だ」と頑張る自分に声をかけてもいい
更新日 : 2025年12月5日
入試本番が近づくにつれて、「もっと勉強しなければ」「まだ時間が足りない」という焦燥感が、あなたの中に強まっているかもしれません。それは、目標達成に向けた真剣な気持ちの表れです。しかし、その強すぎる真剣さが「努力が足りない」という強迫観念になり、知らず知らずのうちにあなた自身を追い詰めてしまうことがあります。
私たちは、努力の指標を「机に向かっている時間」で測ってしまいがちです。しかし、疲労困憊の状態で行う勉強は、たとえ長時間であっても、記憶に残らない非効率なものになってしまいます。残された時間を有効に使うためには、「量」よりも「質」に視点を切り替える必要があります。
ここで、一つの視点を持ってみるのはどうでしょうか。今日の自分が集中して取り組めた部分、着実に理解できた事柄を、小さな達成として認めてあげることです。「今日は〇〇分野の復習をやりきった」「計画の8割はクリアできた」。その小さな成功を、あなた自身が褒めてあげましょう。
休息は怠惰ではありません。それは長期戦を乗り切るための、極めて戦略的な時間の使い方です。疲れを感じた時に「今日はもう十分やった」と自分を許し、心を解放してあげることで、翌朝脳はクリアな状態でスタートラインに立つことができます。
自己肯定は継続のためのエネルギー源です。「頑張りすぎている自分」を否定するのではなく、認めてあげること。その心の余裕こそがこの直前期のプレッシャーを跳ね返し、最後まで走り切る力になると、私は強く思うのです。