願書の分厚い封筒を前に親子でできること
更新日 : 2025年10月21日
10月も下旬に差しかかると、塾での面談や会話も具体的な大学名や学部名が飛び交うことが増えてきます。それと同時に、各大学から「募集要項」が発表されいよいよ出願の準備が現実味を帯びてくる。そんな時期ではないでしょうか。分厚い願書の封筒を前にすると、これまで漠然としていた「受験」が、急に目の前に迫ってきたように感じられるかもしれません。
毎年この時期、多くの保護者の方を見ていて思うのは、出願は情報戦であり、そして何より「段取り」が大切だということです。特に一般選抜では複数の大学・学部を併願される方がほとんどですから、その管理は想像以上に複雑になります。
ご存知の方も多いと思いますが、大学への出願は、大きく分けて「共通テストの後」に本番を迎える国公立大学と、「共通テストの前」から出願が始まることの多い私立大学とで、スケジュールが異なります。締切日も、提出書類も、大学ごとに少しずつ違う。この管理をお子さん一人に任せるのは、勉強と並行して行うにはかなりの負担になる可能性があります。
これはあくまで一人の教育者として、多くのご家庭を見てきた中での私個人の考えですが、理想的だなと感じる準備の進め方があります。それは、親子での役割分担です。どの大学のどの学部を受験するかという最終決定はお子さんの意志を最大限に尊重する。その上で、各大学の出願締切や必要書類をリストアップし、スケジュールを管理するのは、保護者の方がサポートしてあげる。そうすることで、お子さんは直前期の最も大切な時間を、勉強に集中させることができます。少なくとも私は受験期に母にお願いして大事な締め切りなどは把握してもらっていました。今でも感謝しかありません。
出願という、親子にとっての一つの共同作業。それを冷静に、そしてお互いを尊重しながら乗り越えていく。その経験は、っと合否とは別の、大切な何かを残してくれると私は信じています。