【とある日のmonologue #17】
更新日 : 2025年10月17日
仕事の帰り道、少しだけ遠回りをして、夙川の川沿いを歩くことがあります。特にこの季節は、空気が澄んでいて、少しだけひんやりとした風が気持ちいい。川の流れる音を聞きながら、ただぼんやりと歩く。私にとっては、頭の中を整理するための、ささやかで、とても大切な時間です。
当たり前のことですが、この川は、いつ見ても同じ方向へ、ずっと流れています。季節によって水量が少し変わったり、周りの木々の色が変わったりはするけれど、川そのものの流れは変わらない。海へと向かう、大きな流れです。
その絶え間ない流れを見ていると、ふと塾にいる生徒たちのことを思います。彼ら、彼女らもまた、「受験」という、とても大きな、そして抗うことのできない流れの中にいるのだな、と。模試の結果に一喜一憂し、近づいてくる本番に焦りを感じながら、その流れの中を必死に進んでいる。講師としてできることはたくさんあるけれど、その流れそのものを、止めてあげることはできません。
流れ続ける川のそばには、ずっと変わらずにそこにあるものもたくさんあります。私がいつも座るベンチや、橋の欄干、川岸の木々。私自身がこの変わらない景色に、勝手に安心感をもらっているだけなのかもしれませんが。
流れが速くて、少し心細くなった時に、ふと岸辺に目をやるといつもと同じ木がそこにある。そのことがどれだけ心を落ち着かせてくれることか。毎日塾に来れば私たちがいる。どんなに成績が揺れても、私たちはあなたの味方である。そういう、当たり前で変わらない場所でありたいと私は思うのです。
こんな風に思う自分、カッコつけてるな、と思います。ええ、それでいいんです。だってそれが私なのですから。皆さんもぜひカッコつけて散歩を楽しんでみてくださいね。