先生を”最高の家庭教師”に変える「賢い質問」の技術について
更新日 : 2025年10月7日
授業が終わった後、あるいは休み時間に、先生のところに質問に行く。皆さんもよくある光景だと思います。でもその「質問」の仕方一つで得られる学びの深さが全く変わってくる、としたらどうでしょうか。
今日は、あなたの質問を単なる「答え合わせ」から、自分の思考力を鍛えるトレーニングへと進化させるためのちょっとしたコツについて話してみたいと思います。
なぜ「わかりません」だけの質問は、”もったいない”のか
もちろん分からないから質問に行くわけですから、「先生、この問題が分かりません」と言うこと自体は何も悪いことではありません。でもこの一言だけだと、先生に伝わる情報があまりにも少ないんです。
先生の側からすると、「どこが、どのように、分からないのか」が全く見えません。単語の意味が分からないのか、公式の使い方が分からないのか、問題文の意味が読み取れていないのか…
原因が分からないので、先生は一番最初から、全てを説明するしかなくなります。それはあなたにとっても、先生にとっても、少しだけ”もったいない”時間になってしまうかもしれません。
質問をトレーニング”に変える一言
その魔法の一言とは、「自分は、こう考えたのですが」です。質問の前に必ず、この一言を付け加えてみてください。
「先生この問題が分かりません」ではなく、「先生この問題、〇〇という公式を使うと思って、ここまで計算してみたのですが、ここから先どうすればいいか分かりません」というように、質問をしてみるのです。
「賢い質問」がもたらす3つの効果
このほんの少しの工夫が、あなたの学びを劇的に変えてくれます。
① 自分の”思考の穴”が明確になる
「ここまで考えた」と口に出すことで、あなたは、自分の思考のプロセスを、客観的に見つめ直すことになります。「ああ、自分は、この部分の理解が、曖昧だったんだな」と、自分自身で、弱点に気づくことができる。これこそが、本当の”学び”です。
② 先生から、”的確なアドバイス”がもらえる
先生はあなたの思考プロセスを聞くことで、「なるほど、君のつまずきの原因はここだな」と問題の核心を正確に診断できます。そしてあなたに今、本当に必要な的確なヒントだけを与えてくれるのです。
③ 先生があなたの”本気”の応援団になる
「ただ答えを聞きに来た生徒」と、「自分の頭で必死に考えた上で、助けを求めに来た生徒」。先生が、どちらの生徒をより応援したくなるか。答えは明らかですよね。あなたのその姿勢は先生に、あなたの”本気度”を伝え、先生をあなたの最強の味方にしてくれます。
質問に行くのは、少し勇気がいることかもしれません。でもそれは答えをもらうためだけの時間じゃない。自分の思考を整理し、先生という最高の壁打ち相手に、自分の考えをぶつける絶好のトレーニングの機会です。
「わかりません」の一言から、卒業してみませんか。そのほんの少しの工夫があなたの学びをもっと深く、もっと面白いものに変えてくれるはずです。