「毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」
更新日 : 2025年10月2日
今日はそんな皆さんに私が受験生時代、そして今も、心の底から「これだけは、やっててよかった」と思っている習慣について、話したいと思います。
それは、すごく地味で、退屈に聞こえるかもしれないけれど、「毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」ということです。ただ、それだけです。
意志力は”有限”。だから「仕組み」で戦う
皆さんは、「意志力」って、無限に湧いてくる泉のようなものだと思っていませんか。実は、脳科学の世界では、意志力は、スマートフォンのバッテリーのようなものだと考えられています。朝起きた時が100%。そして、何かを「決断」するたびに、少しずつ、確実に消耗していくんです。
「今日は何時に起きようかな」「朝ごはん、何食べようかな」「どの科目から勉強を始めようかな」…そんな、日常に溢れる小さな決断の積み重ねが、あなたの貴重な意志力バッテリーを、午前中のうちに、どんどん空っぽにしてしまう。そして、一番頭を使いたい、午後の数学の問題を解く頃には、もうバッテリー切れ寸前、なんてことになってしまうんです。
根性や気合で乗り切ろうとするのは、いわば、残り10%のバッテリーで、高画質の動画を見ようとするようなもの。賢い戦い方とは、言えませんよね。
ルーティンが、あなたの脳を”自動操縦”してくれる
そこで、ルーティンの出番です。「毎朝6時半に起きる」「起きたら、まず顔を洗って、英語の単語帳を15分やる」「朝食は、ご飯と納豆と味噌汁」。このように、一連の行動を、完全に”仕組み化”してしまうのです。
そうすると、脳は、いちいち「次は何をしようかな」と決断する必要がなくなります。意志力バッテリーを全く消費せずに、半ば”自動操縦(オートパイロット)”で、勉強モードへとスムーズに移行できる。朝の貴重な意志力を、完全に温存したまま、一日で最も重要な思考系の勉強に、全集中できる。ルーティンとは、そういう、すごく賢い省エネ戦術なんです。
私が実践していた、超シンプルな生活リズム
私が受験生の頃に、自分に課していたルールは、本当に、たった二つだけでした。
- 23時に寝て、6時に起きる(平日も、休日も):
「休日は、昼まで寝たい…」という誘惑と戦うのが、一番大変でした。でも、これを徹底するだけで、体のリズムが完全に整って、日中に眠くなることが、本当に少なくなりました。睡眠の質も上がって、記憶の定着も良くなった、という実感があります。 - 朝一番のタスクを、完全に固定する:
私の場合は、「起きてすぐ、数学の問題を3問だけ解く」でした。一番苦手な科目だったからこそ、一番頭がスッキリしている朝に、”儀式”として、問答無用でやってしまう。これをクリアすると、「今日も、一番難しいことから逃げなかったぞ」という、小さな自信が生まれるんです。これが、その日一日を乗り切る、お守りのような存在になっていました。
もしあなたがこれから何か一つだけ、自分を変える習慣を始めたいと思うなら、私は、この「毎朝、同じ時間に起きる」というルーティンを、心からお勧めします。
最初は、少し退屈に感じるかもしれません。でも、一ヶ月後、その地味な繰り返しが、驚くほど大きな、あなたの”自信”と”集中力”という財産に変わっていることに、きっと気づくはずです。