「ありがとう」を1日10回言うと、自己肯定感が上がるというのは本当かもしれない
更新日 : 2025年9月28日
最近、ある本で読んで、面白いな、と思った考え方があります。それは、「ありがとう、という言葉を、意識して1日に10回言うようにすると、自己肯定感が上がる」というものです。
正直、最初にこれを聞いた時は、少しスピリチュアルな話かな、と思いました。でも、よくよく考えてみると、これは、私たちの脳の”クセ”をうまく利用した、すごく合理的な心のトレーニングなのかもしれない、と思い始めたんです。
今日は、この「感謝」という行為が、私たちの心にどんな影響を与えるのかについて、私なりの考察を話してみたいと思います。
私たちの脳は、”足りないもの”探しの天才
以前にも少し話したかもしれませんが、私たちの脳って、放っておくと、どうしても「足りないもの」を探してしまうクセがあるんですよね。「英単語があと500個足りない」とか、「偏差値が5足りない」とか。これは、危険を回避し、生き残るための本能みたいなものなので、仕方がない部分もあります。
でも、この”欠乏感センサー”が、常にオンになっていると、心は、いつまでたっても満たされず、不安や焦りを感じ続けてしまいます。常に「ない」ものばかりを見ている状態です。
「ありがとう」は、”満たされていること”探しの魔法の言葉
そこで、「ありがとう」という言葉の出番です。この言葉を口にするためには、その前提として、自分が「何かを与えられている」「何かをしてもらっている」という事実を、まず”発見”する必要があります。
「ありがとう」と10回言う、という目標を立てると、脳は、それまでの”足りないもの探し”モードから、”満たされていること探し”モードへと、強制的に切り替わります。アンテナの向きが、180度、変わるんです。
どんな小さな「ありがとう」でもいい
最初は、10回も見つからない、と思うかもしれません。でも、ハードルを、ものすごく下げてみてください。
朝、起こしてくれたお母さんに、「ありがとう」。
コンビニの店員さんに、商品を渡されたら、「ありがとう」。
友達が、面白い話をして笑わせてくれたら、「(楽しかったよ)ありがとう」。
今日も、勉強できる机と参考書があることに、「ありがとう」。
一日、健康に過ごせた自分の体に、「ありがとう」。
そうやって、当たり前だと思っていたことの中に、たくさんの「ありがたいこと」が隠れていることに気づき始めると、世界の見え方が、少しずつ、変わってきます。「ない」と思っていた世界が、実は、たくさんの「ある」に、支えられていたことに気づくんです。
自己肯定感って、無理やり「自分はすごい!」と思い込もうとすることじゃないのかもしれません。むしろ、自分がいかに多くの人や、多くの物事に支えられて、”生かされている”かに気づくこと。その謙虚な気づきの中にこそ、静かで、温かい、本物の自信が、宿るんじゃないかな、と私は思います。
1日10回の「ありがとう」。それは、誰かのためじゃなく、巡り巡って、あなた自身の心を、豊かにするための、素敵な習慣なんじゃないかな。僕も意識するようにしてみます。