受験は残念ながら孤独な戦い。馴れ合いはあまり推奨しない。
更新日 : 2025年9月27日
塾の講師として、本来、私はこういうことは、あまり言うべきではないのかもしれません。でも、皆さんのことを本気で思うからこそ、今日は、あえて少し厳しい話をします。
それは、大学受験とは、残念ながら、本質的には”孤独”な戦いである、ということです。そして、友達との「馴れ合い」は、時にその戦いからあなたを遠ざける、危険な罠にもなり得ます。
「みんなと一緒」という心地よい”停滞”のワナ
もちろん、仲間は大切です。励まし合い、高め合える友達は、何物にも代えがたい宝物です。しかし、その関係が、いつしか「馴れ合い」になっていないか、一度胸に手を当てて考えてみてほしいのです。
「みんな、この問題集を使っているから、私もこれを使おう」
「友達が休憩するから、私も休憩しよう」
「周りもまだ本気じゃないから、自分もまだ大丈夫」…
その「みんなと一緒」という安心感は、あなたの思考を停止させ、あなた”個別の課題”から、目をそむけさせていませんか。
あなたの弱点と、友達の弱点は、全く違います。あなたの志望校と、友達の志望校も、全く違うかもしれない。それなのに、なぜ、歩くペースまで同じである必要があるのでしょうか。
”自立した学習者”だけが最後に笑う
大学受験のゴールテープは、残念ながらみんなで手をつないで一緒に切ることはできません。試験会場の、あの冷たい机に座る時、あなたは、完全に一人です。自分の頭の中にある知識と、自分の力だけで、その問題と向き合わなければならない。
だからこそ、今、この時期から、意識的に「自立した学習者」になるための訓練が必要です。それは、他人の動向に流されず、自分だけの課題と自分だけの計画を、信じ抜く力のことです。
真の”仲間”とは孤独を尊重し合える存在
これは、友達と仲良くするな、という意味では決してありません。むしろ逆です。真の仲間とは、互いの「孤独な戦い」を、心から尊重し合える存在だと、私は思います。
「ごめん、今日は先に自習室に戻るわ」
「おう、頑張れよ。俺も、あと30分したら戻る」
そんな、短い言葉を交わすだけで、互いの覚悟を理解し合える。相手が集中している時は、そっと距離を置く。相手が本当に辛い時は、黙って隣に座ってあげる。馴れ合いではなく、”敬意”で結ばれた関係。それこそが、受験期における、最高の友人関係だと、私は信じています。
9月からの道は、これまで以上に、険しいものになります。そして、その道は、あなたが、あなた自身の足で、歩いていかなければなりません。
群れの中から、一歩、前に踏み出す勇気を持ってください。その他大勢から、抜け出す覚悟を決めてください。
その孤独な道は、決して楽ではないでしょう。でも、その道の先で、誰よりも高く、遠い景色を見ることができるのは、間違いなく、”自立した学習者”である、あなたです。