【とある日のmonologue #9】夙川って、いいところだね
更新日 : 2025年9月26日
塾の窓から、ふと外を眺めていました。あの、独特のマルーンカラーをまとった阪急電車が、ゆっくりと夙川の駅に入っていくのが見えるんです。この光景を、私は、もう何十回と見てきたんだろうな、と思います。
ここにいて、この景色を見ていると、それが当たり前になってしまうけれど、こうして静かに眺めていると、改めて、この夙川という街は、本当にいいところだな、と感じます。今日は、そんな夙川の良いところを少し語らせてください。
阪急電車が作る、穏やかな”結界”
これは、この沿線に住んでいる方なら、分かってくれる感覚だと思うのですが、阪急電車、特にこの神戸線には、独特の、穏やかな空気が流れていますよね。
大阪の梅田という、あの大きな都市の喧騒から、わずか十数分。でも、ガタンゴトンと心地よいリズムで電車に揺られて、武庫川を渡り、西宮北口の活気を過ぎて、この夙川のホームに降り立つと、空気が、ふっと柔らかくなるような気がするんです。
それは、きっとこの沿線に長く住んできた人たちが、大切に育んできた文化や、品性のようなものが、作り出しているのかもしれません。私にとって、阪急電車は、都会の喧騒から私たちを守ってくれる、優しい結界のような存在です。
勉強に疲れたら、川のせせらぎを聴きに行こう
皆さんは毎日、この塾の自習室で、本当に、本当によく頑張っています。でも、時にはどうしても集中力が切れて、頭がパンクしそうになる時もあるでしょう。
そんな時、私は無理に机にかじりついているよりも、思い切って、たった15分だけ、外に出てみてほしいんです。幸運なことに、この塾のすぐそばには、夙川という、素晴らしい散歩道があります。
春には、日本さくら名所100選にも選ばれた、見事な桜並木。夏には、涼しげな木陰と、川のせせらぎ。秋には、色づく葉。冬には、凛とした空気。特別なことは、何もしなくていい。ただ、川沿いを、ゆっくりと歩いてみる。水の音を聴いて、木々の匂いを吸い込んで、空を見上げてみる。それだけで、ガチガチに凝り固まった頭が、少しずつ、ほぐれていくのを感じるはずです。
それは、スマホの画面を眺める15分とは、比べ物にならないくらい、贅沢で、豊かな時間だと、私は思います。
受験勉強は、時にすごく孤独な戦いです。自分だけが、狭い世界に取り残されてしまったような、そんな気持ちになる日もあるかもしれません。
そんな時はいつでも、川のせせらぎを聴きに行けばいい。そして、また、戻ってくればいい。そんな素敵な場所にこちらの校舎はあると思います。