イチロー選手の言葉に学ぶ。「自己肯定感なんて流行りの言葉、どうでもいい」の真意と、揺るぎない自信の作り方
更新日 : 2025年9月13日
ある日、いつものように?Youtubeのshortsで時間を浪費していた時でした。よくある名言のインタビューです。例のあの小粋なピアノのBGMと波打ち際の背景とともに、イチロー選手のインタビュー動画が流れてきました。
そこでは自己肯定感という言葉が私は嫌いだ、という内容を話されていました。
「自己肯定感なんて、そんな流行りの言葉、どうでもいいんですよ」
「自己なんて無条件に肯定されるべきなんです。誰がなんと言おうと」
一見、すごく冷たくて、厳しい言葉に聞こえますよね。でも、僕は、この言葉の裏にこそ、僕たち受験生が学ぶべき「本物の自信」の作り方のヒントが隠されているんじゃないか、って思ったんです。今日は、このイチロー選手の言葉の真意について、僕なりに考えてみたことを、みんなに共有させてください。
「自己肯定感」という”評価”に、僕たちは縛られていないか?
最近、本屋さんに行っても、SNSを見ていても、「自己肯定感」っていう言葉が、本当にたくさん目に入ってきますよね。「自己肯定感を高めて、幸せになろう!」みたいな。まるで、自己肯定感が高ければ、人生の全てがうまくいく、魔法のパラメータみたいに。
もちろん、自分を好きでいることって、すごく大事だと思います。でも、この風潮に、僕はずっと、少しだけ違和感を感じていました。
僕が感じていた違和感の正体。それは、「自己肯定感」という言葉自体が、いつの間にか、僕たちを縛る新しい”評価軸”になってしまっているんじゃないか、ということなんです。
「自分は、自己肯定感が高いのか、低いのか?」
「今日の模試の結果が悪かったから、自己肯定感が下がった…」
みたいに、僕たちは、常に自分の心の状態を”評価”して、一喜一憂してしまっている。気分良く勉強できた日は「よし、自己肯定感が高いぞ!」と感じ、思うように進まなかった日は「ああ、自分はなんてダメなんだ…」と落ち込む。それって、すごく不安定で、疲れませんか?
まるで、熱もないのに、毎日体温計で熱を測って、「36.5度だ、健康だ!」「36.7度だ、不健康かも…」って、一喜一憂しているようなものかもしれないなって思うんです。
イチロー選手が本当に言いたいこと。それは「自分を、疑うな」
じゃあ、イチロー選手は、どういう意味で「どうでもいい」と言ったのか。僕は、こう解釈しています。
「自分のことを好きか嫌いか、肯定できるかできないか、なんていう、フワフワした感情を評価することに時間を使うな。それよりも、自分が『やると決めたこと』を、ただ淡々とやり抜くことだけに集中しろ」
イチロー選手の、あの揺るぎない自信は、毎朝鏡に向かって「俺は天才だ!」と自己暗示をかけて作られたものじゃないはずです。彼の自信の源泉は、「自分は、誰よりも準備をしてきた」という、揺るぎない”事実”に他ならないのかなと思っています。
彼の意識は、「自己評価」ではなく、「準備」に向いている。だから、「自分は大丈夫だろうか?」なんていう、自分を”疑う”気持ちが、そもそも生まれる隙がない。なぜなら、その時間があったら、一本でも多く素振りをしているから。行動が、彼の自信を、自動的に裏付けていると思うんです。
受験勉強における「揺るぎない自信」の作り方
これを、僕たち受験生の勉強に置き換えてみましょう。イチロー選手流の「自信の作り方」は、たぶん、こうです。
- ① 決める:
まず、自分がやるべきことを、具体的に決める。「この英単語帳を、9月中に完璧にする」「毎日、数学の問題を10問解く」。これが、自分との”約束”です。 - ② 疑わない:
一度決めたら、その計画を、いちいち疑わない。「このやり方で、本当に合ってるのかな…」なんて、迷わない。決めた自分を、信じる。 - ③ 淡々と、やる:
そして、ここが一番大事。やる気があろうがなかろうが、気分が乗ろうが乗るまいが、決めたことを、ただ、淡々と、毎日実行する。感情を挟まず、”作業”として、やり抜く。
これを、例えば一ヶ月間、続けてみてください。そうすれば、一ヶ月後、君の手元には、「自分は、自分との約束を、30日間、守り抜いた」という、誰にも否定できない”事実”が残ります。
自信とは、この”事実”の積み重ねの上にしか、生まれない。それは、模試の判定ごときでは、決して揺らぐことのない、静かで、強固な自信です。
「自分を好きになろう」と、無理に思う必要はないのかもしれません。それよりも、一日一日、自分との小さな約束を守り続けていく。その結果として、「こんなにやってきた自分なら、信じられるな」と、自然に思える日が来る。
僕の場合、数学のノートをナンバリングしていて受験前日にそれらを積み上げてニヤニヤしてました。俺こんなにたくさん頑張ったんだから間違いなく力を発揮できると。
僕が思う、本物の自信の正体って、たぶん、そういうことなんじゃないかな。君が、君自身の一番の信頼できるパートナーになれることを、祈っています。