【筆者の独り言】私が受験生だった頃の話。失敗しかなかった日々
更新日 : 2025年9月8日
こんにちは、このブログを書いてるKです。今日は、いつもの勉強法の話は少しだけお休み。その代わりに、僕がみんなと同じ、ただの受験生だった頃の話を、少しだけしてみようかなと思います。
夏の終わり、2学期が始まってすぐの頃。君たちの手元にも、夏休みの成果を問う、模試の結果が返ってくる頃じゃないでしょうか。期待と不安で、その紙を開く瞬間は、心臓が飛び出るくらい緊張しますよね。
僕もそうでした。そして、高校3年生の9月、夏休み明けの模試の結果を、震える手で開いた瞬間のことを、今でも鮮明に覚えています。
そこに印刷されていたのは、僕の第一志望校の欄に、冷たく、そしてハッキリと記された、「E判定」という3文字でした。
地の底だと思った、あの夏休み明け
血の気が引く、って、ああいうことを言うんだと思います。E判定。合格可能性20%未満。当時の僕にとっては、それはもう「不合格」と宣告されたのと同じ意味でした。
あれだけ「この夏が勝負だ」と意気込んで、毎日塾に通って、自分なりに必死で勉強した40日間。その全てが、全くの無駄だったと、否定されたような気がしました。親にその成績表を見せるのが怖くて、自分の部屋で、ただただ呆然とその紙を眺めていたのを覚えています。「もう、無理だ」と。
今になって冷静に振り返れば、僕の夏の勉強は、本当にひどいものでした。苦手な数学から目を背け、得意な英語ばかりやって自己満足に浸る。具体的な計画もなく、ただ「今日は10時間勉強した」という事実だけで、頑張った気になっていた。あのE判定は、そんな僕の”計画なき努力”が招いた、当然の結果だったんです。
僕を変えた、たった一つの「問い」
絶望のどん底にいた僕は、塾の面談で、担当の先生にその成績表を見せました。もう、「志望校を下げろ」と言われることを覚悟していました。
でも、先生は僕のボロボロの成績を一瞥し、そして僕の顔をじっと見て、叱るでも、慰めるでもなく、たった一言、こう言ったんです。
「…それで、君は、どうしたいんだ?」
「志望校をどうするべきか」でも、「これからどう勉強すべきか」でもない。「君は、どうしたいんだ?」という、僕自身の”意志”を問う、あまりにもシンプルな質問でした。
その瞬間、僕はハッとしました。E判定というデータに絶望し、僕はいつの間にか「自分はどうせ無理だ」と、自分の気持ちに蓋をしていたんです。でも、僕の心の奥底にあった答えは、たった一つでした。
「…このままじゃ、終わりたくないです。まだ、あの大学に行きたいです」
当時はチャンスを広げるため、と言って推薦入試にも挑戦しましたが最終選考で落ちたり、海外大学のアプリケーションも全部落ちるなど、ありとあらゆる失敗を目の前に叩きつけられ続けました。
「諦めない」とは、”がむしゃらに頑張る”ことじゃない
僕のその言葉を聞いて、先生は初めて、少しだけ笑いました。
「そうか。じゃあ、話は早い。もう『無理かどうか』を考えるのはやめだ。『どうすれば、行けるか』だけを考えよう」
そして、先生はこう続けました。
「いいか、『諦めない』っていうのはな、ただがむしゃらに同じことを繰り返すことじゃない。それは、ただの思考停止だ。本当の意味で『諦めない』っていうのは、自分の”失敗”を直視し、なぜ負けたのかを徹底的に分析し、昨日までのやり方を全部捨てる勇気を持つことだ」
その日、僕たちは、僕の夏休みの計画を、文字通りゴミ箱に捨てました。そして、あのE判定の成績表を、”不合格通知”としてではなく、僕の弱点が全て記された”宝の地図”として、隅々まで読み解きました。そして、僕の本当の苦手分野だけを、徹底的に潰すための、全く新しい学習計画を立て直したのです。
そして、運命の2月
そこからの日々は、正直、美しい物語ではありません。地味で、苦しくて、何度も心が折れそうになる、泥臭い毎日でした。でも、僕は、あの日の先生の言葉と、二人で立てた新しい計画だけを信じて、机にかじりつきました。
当時はまだセンター試験。初日の日本史を緊張で震えてほとんど分からず絶望したのを今でも覚えています。そこからなんとかなんとか色々あり、二次試験に望みギリギリのところでペンを持ち続けました。
…そして、運命の2月。僕は、第一志望の大学に、合格しました。
合格発表をサイトで知った時、不思議と涙は出ませんでした。それよりも、あの日の面談室の光景と、「君は、どうしたいんだ?」という先生の言葉が、何度も何度も、頭の中に響いていました。
なぜ、僕が今日、こんな昔話をしたのか。
それは、君たちの中にも、夏の模試の結果や、思うように進まない勉強に、かつての僕と同じように、心を折られそうになっている人がいるかもしれない、と思ったからです。
でも、忘れないでください。どんなに絶望的な判定も、それは君の未来を決定する”預言書”じゃない。それは、君が次の一歩を、より賢く、より強く踏み出すための、最高の”参考書”です。
「諦めない」ことの本当の意味は、一人で歯を食いしばることじゃない。自分の弱さを認め、助けを求め、そして、昨日までの自分とは違う、新しい一歩を踏み出す勇気のことだと、僕は信じています。
もし、君が今、一人で悩んでいるなら、いつでも僕たちを頼ってください。僕たちはきっと、君にこう尋ねることから、話を始めると思います。
「それで、君は、どうしたいんだ?」ってね。
今の時代、いい大学に行くことがいい将来への切符みたいになっています。果たしてそうでしょうか。あなたは大学に行って何をしたいのですか?ただ認められたいから?安定した将来を得たいから?
あなた自身のモチベーションを今一度自分に問いかけるのも一つの大事なことなのかもしれません。