「音楽を聴きながら勉強」はアリ?ナシ?科目別・目的別で考える、集中力を上げる音楽との賢い付き合い方
更新日 : 2025年9月3日
突然ですが、みんなが一回は悩んだことがあるであろう、このテーマについて、今日は僕なりの考えを話してみたいと思います。
「音楽を聴きながらの勉強って、実際のところ、アリなの?ナシなの?」
「勉強中は静かにしなさい!」って親に言われたりするけど、「いや、音楽があった方がむしろ集中できるんだけど…」って感じること、ありますよね。僕も学生時代、めちゃくちゃ思ってました。
塾の講師として、この質問を本当にたくさん受けてきました。そして、僕なりの結論は、「場面による!賢く使えば、最強の味方になる」です。
今日は、ただ「良い・悪い」で終わらせるんじゃなくて、音楽をどうやって勉強の”武器”に変えるか、その具体的な付き合い方について、僕の個人的な意見や経験を交えながら、ちょっと語ってみようかなと思います。
そもそも、なんで音楽を聴くと「集中できる気」がするんだろう?
まず、なんで僕たちは音楽を聴きながらだと「集中できる!」って感じるんでしょうか。これ、ちゃんと理由があると思うんですよね。
一つは、「周りの雑音をシャットアウトできる」こと。リビングのテレビの音、外を走る車の音…。そういう、集中力を削ぐノイズを、好きな音楽が作る”音の壁”がガードしてくれる。だから、自分の世界に没頭しやすくなるんですよね。カフェで勉強が捗るのも、この効果が大きい気がします。
もう一つ、ちょっと脳科学っぽい話をすると、好きな音楽を聴くと、脳から「ドーパミン」っていう、快感とかやる気に関わる物質が出るらしいんです。だから、ちょっと退屈な暗記作業とかも、音楽があることで少しだけ楽しく感じられて、「よし、やるか!」って机に向かうきっかけになったりする。これって、結構大事なことだと思うんです。
僕が考える「アリな場面」と「ナシな場面」の境界線
じゃあ、具体的にどんな時に音楽を聴くのが良くて、どんな時はやめた方がいいのか。僕が受験生時代にたどり着いた、自分なりのルールはこれでした。
「その勉強は、頭の中で”言葉”を使っているか?」
これが、僕の中での一番大事な判断基準でした。
こんな時は「アリかも!」- 頭をあまり使わない単純作業系の勉強
僕の場合、英単語帳をひたすら回したり、日本史の一問一答を繰り返したりする時って、正直、静かすぎると逆に集中できなかったんですよね。そういう「単純作業」の時は、音楽は最高の相棒でした。
- 英単語、古文単語、社会の用語などの単純暗記
- 数学のドリルなど、深く考えなくても進められる計算練習
ただし、一つだけこだわっていたのは、「歌詞のない音楽を選ぶ」こと。歌詞があると、どうしてもそっちに意識が引っ張られちゃうんですよね。僕のおすすめは、テンポが一定で心地よい、Lo-fi hip hopとか、ゲームのサントラ、あとはクラシック音楽とか。YouTubeで「作業用BGM」って検索すると、いい感じのがたくさん見つかりますよ。
これは「絶対ナシ!」- 頭をフル回転させる思考系の勉強
一方で、「これは絶対にダメだ」と痛感したのが、頭の中でじっくり考えたり、文章を読み込んだりする時です。
昔、好きなJ-POPを聴きながら現代文の評論を読もうとして、見事に失敗した経験があります笑。5回くらい同じ行を読んでるのに、全く内容が頭に入ってこない。脳が、歌詞の意味と、文章の意味を、同時に処理しようとして、完全にパンクしちゃったんですよね。
- 数学や物理の、解法をじっくり考える応用問題
- 現代文や英語長文の、内容を深く理解するための読解
- 小論文や英作文の、構成を考える作業
こういう、脳の”思考”メモリを最大限に使いたい時は、音楽も一種のノイズになっちゃう。静かな環境が、一番の味方だと僕は思います。
音楽と賢く付き合うための、僕からの「3つの提案」
最後に、僕が実践していた、もう少し踏み込んだ音楽との付き合い方を3つ、提案させてください。
- 勉強開始の”儀式”として使う:勉強中ずっと聴くのではなく、机に座ってから最初の1曲だけ、一番テンションが上がる曲を聴くんです。それを「さあ、やるぞ!」という、脳への”開始の合図”にする。曲が終わったら、音楽は消して、静寂の中で勉強にダイブする。これは結構、切り替えに効果的でした。
- 「歌詞なしBGM」のプレイリストを育てておく:勉強を始めるたびに「さて、今日は何を聴こうかな…」と探す時間は、はっきり言って無駄です。時間がある時に、自分だけのお気に入りの「勉強用プレイリスト」をいくつか作っておく。それだけで、スムーズに勉強を始められます。
- ポモドーロ・テクニックと組み合わせる:「25分集中+5分休憩」を繰り返す、あの有名な時間管理術ですね。この「5分休憩」の時にだけ、好きな音楽を聴くのを”ご褒美”にするんです。これが、次の25分を頑張るための、最高のモチベーションになったりします。
というわけで、今日の話はここまでです。
結局、音楽は敵でも味方でもなく、使い方次第で効果が変わる「道具」なんだと思います。一番大事なのは、自分に正直になること。「本当に集中できてるかな?」「もしかして、ただ勉強から逃げるための口実にしてないかな?」って、時々、自分に問いかけてみてください。
色々と試してみて、あなただけの「最高の集中スタイル」を見つけ出していく。それもまた、受験勉強の面白いところだと、僕は思います。応援しています!