【化学】化学の「無機・有機」はただの暗記ではない。膨大な知識を”忘れずに”定着させるための効率的インプット法
更新日 : 2025年7月24日
元素の周期表、炎色反応、沈殿の色、そして有機化合物の膨大な反応系統…。
「化学の暗記、もう無理…」「どうせ覚えても、すぐに忘れてしまう」
そう言って、化学に苦手意識を持っているあなたへ。もし、その原因があなたの「暗記能力」の問題ではなく、単に情報の「インプットの仕方」が非効率なだけだとしたら、どうでしょうか?
実は、化学を得意とする生徒は、ただやみくもに情報を詰め込んでいるわけではありません。彼らは、脳が“忘れにくい”形に情報を加工して、整理・保存する「技術」を持っています。この記事では、あなたの化学学習を劇的に変える、効率的なインプット法を伝授します。
なぜ、あなたは無機・有機化学をすぐに忘れてしまうのか?
理由はシンプルです。それは、あなたが知識を一つひとつ、関連性のない「点」として、バラバラに覚えようとしているからです。脳は、孤立した情報(意味のない文字列など)を記憶するのが非常に苦手で、すぐに忘れてしまいます。一方で、互いに関連付けられた「ネットワーク」として整理された情報は、長期的に記憶することができます。
教科書をただ眺めているだけでは、このネットワークは生まれません。これから紹介するのは、点と点を結びつけ、知識をネットワーク化するための具体的なテクニックです。
知識を”ネットワーク化”する3つのインプット術
今日から、あなたの化学の勉強に以下の3つの「術」を取り入れてみてください。
インプット術①:【写真・図鑑】で覚える。文字を”ビジュアル”に変換する
「硫酸銅(Ⅱ)水和物の結晶は青色」と文字で覚えるのではなく、Googleで画像検索して、その美しい青色の結晶を目に焼き付けましょう。「ナトリウムの炎色反応は黄色」なら、実験動画でその色を確認する。有機化学の「ベンゼン環」も、平面の図だけでなく、分子モデルのアプリなどで立体的なイメージとして捉える。脳は文字よりもイメージ(視覚情報)を記憶するのが得意です。このひと手間が、記憶の定着率を劇的に変えます。
インプット術②:【自分だけの周期表】を作る。知識を一元化するマップを持つ
大きな周期表のコピーを用意し、それをあなたの「無機化学の知識のマップ」にしましょう。例えば「塩素(Cl)」を学習したら、周期表のClのマスに「ハロゲン」「黄緑色の気体」「漂白・殺菌作用」といった重要事項を直接書き込んでいくのです。これを繰り返すことで、周期表が単なる元素の並びから、性質や関連性が一目でわかる最強の知識マップに育っていきます。
インプット術③:【有機化学マップ】で反応の”繋がり”を物語にする
有機化学の反応は、一つひとつバラバラに覚えてはいけません。「アセチレンから出発して、付加反応でアセトアルデヒドになり、それを酸化させると酢酸になる」というように、化合物同士の”繋がり”を意識することが重要です。A4の紙に、主要な化合物名を書き出し、それらを反応の種類(酸化、還元、付加など)を書いた矢印で結んでいきましょう。あなただけの「反応マップ」が完成した時、有機化学は無味乾燥な暗記から、壮大な一つの物語に変わります。私は学校の先生が作ったものと参考書にあるものを色々と複合しながら苦手な反応経路は大きく、得意な部分は省いたりなどしてコンパクトにオリジナルなマップを作って、それを試験本番まで振り返り用として使っていました。
「どう繋げるか?」の指導こそ、コーチングの真価
これらのテクニックは非常に強力ですが、「どの知識が重要で、どう繋げればいいのか」を最初から見抜くのは困難です。
私たち現論会のコーチは、ただ知識を教えたり、テストをしたりするだけではありません。あなたの作った「周期表」や「反応マップ」を見ながら、こう問いかけます。
「ここに塩素の性質を書いたね。じゃあ、同じハロゲンのフッ素や臭素とは、どんな性質の共通点や違いがあるかな?周期表の”縦の列”で繋がりを意識してみよう」
このように、知識と知識の「繋がり」を生徒自身に発見させ、より強固な知識のネットワークを脳内に構築させること。これこそ、個別指導のさらに先を行く、コーチングの真価です。
化学は、正しい方法で整理すれば、決して退屈な暗記科目ではありません。むしろ、パズルのように知識が繋がっていく、知的好奇心をくすぐる科目です。その面白さを、あなたも体験してみませんか?
無料相談では、あなたが今使っている化学の教科書やノートをお持ちください。その情報が、どうすれば忘れられない「知識のネットワーク」になるのか、その場で実践してみせます。