【3月の連載第5回】英語長文:「多読」の前に知っておくべきこと
更新日 : 2026年3月21日
「英語力を上げるには、とにかくたくさん読むことだ」
そんなアドバイスを信じて、毎日何千語もの英文を読み漁っている人も多いでしょう。もちろん、絶対的な「量」は必要です。しかし、文章の構造や論理展開の「型」を知らないまま多読に走るのは、地図を持たずに見知らぬ街を彷徨うのと同じです。
今回は、がむしゃらに量をこなす前に必ず習得しておくべき、英文の代表的な論理展開のパターンを深掘りします。
- 主張・理由・具体例(Claim – Reason – Example)
これは英文の最も基本的かつ最強の「型」です。
筆者がまず自分の主張(結論)を述べ、その理由を説明し、さらに納得させるための具体例を挙げる。この流れを知っているだけで、読解のスピードは劇的に上がります。
・「For example」や「Specifically」という単語が出てきたら、「ここからは前の主張を補強する具体例だな」と判断し、細部に囚われすぎず全体の流れを追うことができます。
- 対比(Contrast)
「Aはこうだが、Bはこうだ」という構造です。
「However」「On the other hand」「Unlike」といった逆接・対比の接続詞は、文章の転換点を示す重要な標識です。
対比が使われるとき、筆者の本当の主張はたいてい「後半(B)」にあります。前半(A)は、後半の主張を際立たせるための引き立て役に過ぎません。この優先順位を理解していれば、情報の取捨選択が可能になります。
そして多くの場合文章は往々にして問題提起と解決(Problem – Solution)を扱うことが多いです。社会論や科学論の長文で非常によく見られるパターンです。まず何らかの社会問題や技術的な課題が提示され、その原因が分析され、最後に解決策や今後の展望が述べられます。この型を意識していれば、「問題は何で、解決策は何なのか」という核心部分を外さずに読み進めることができます。 - 読解を「予測」に変える
多読をする際に意識してほしいのは、ただ文字を追うのではなく、「次はこういう話が来るはずだ」と予測しながら読むことです。
・一段落目の最後に問題提起があれば、二段落目はその原因分析が来るはず。
・「In contrast」とあれば、前の段落とは真逆の意見が来るはず。
この予測の精度を上げることが、長文読解における「速読」の正体です。
チェックポイント:
・接続詞を見たとき、その後の展開を3パターン以上予測できますか?
・段落ごとの「役割」(主張なのか、例示なのか)を一行で説明できますか?
・「However」の後に、筆者の最も言いたいことが隠れていることに気づけていますか?
明日からの多読演習では、読んだ語数ではなく、見抜いた「論理の型」の数を数えてみてください。
文章を「面」ではなく「構造」で捉えられるようになったとき、長文読解はただの苦行から、知的なパズルへと変わるはずです。
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