【保護者むけ】隣の芝生を眺めるのを一度お休みしてみませんか
更新日 : 2026年1月24日
共通テストの結果が出て、いよいよ本格的な出願シーズンが始まりました。この時期になると、嫌でも耳に入ってくるのが「あそこのお子さんはどこを受けるらしい」「あそこの家庭は順調らしい」といった、周囲の進捗状況ではないでしょうか。保護者様同士の会話やSNSを通じて、意図せずとも他人の家庭と自分たちを比べてしまい、ふと不安や焦燥感に駆られてしまう……。そんな経験をされている方も多いのではないかと察しております。
社会心理学の世界には「社会的比較」という概念があります。私たちは、自分の立ち位置を確認するために、つい他人と比較してしまう性質を持っています。特に不安が強いときほど、自分よりうまくいっているように見える対象と自分を比べ、勝手に落ち込んでしまう「上方比較」に陥りがちです。私は、受験という正解のない道のりにおいて、この他人との比較は、保護者様の心のエネルギーを最もすり減らしてしまう「もったいない習慣」の一つではないかと感じるのです。
そもそも、教育の形や子供たちの成長のスピードは、家庭の数だけ正解があります。隣の家庭が順調そうに見えても、その裏側には必ずその家庭なりの悩みや葛藤があるものです。私は、外の世界に意識を向けて「平均」や「世間体」を探るよりも、今、目の前で懸命に戦っているわが子の横顔だけを、じっと見つめてあげることの方がずっと大切なのではないかと思うのです。他人の家と比較した言葉は、知らず知らずのうちに鋭いトゲとなって、お子様の自信を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
「うちはうち、よそはよそ」という言葉は、少し突き放したように聞こえるかもしれませんが、今の時期の保護者様にとっては、心を守るための最強の呪文になります。誰かと比べるのではなく、一年前のお子様と、今のお子様を比べてみてください。きっと、目覚ましい成長を遂げているはずです。その成長を一番近くで認め、誇りに思うこと。その「揺るぎない肯定」こそが、お子様が外の世界で戦い抜くための、何よりの防弾チョッキになるのではないでしょうか。
私自身、医学生として実習を続ける中で、他人と比較して落ち込むことの無意味さを何度も痛感してきました。大切なのは「自分たちのゴール」をどこに置くかだけです。どうぞ、周囲の喧騒から一度耳を塞いで、ご家庭の中にある穏やかな絆だけを大切に育んでください。皆様のどっしりと構えた姿勢が、お子様にとって何よりの救いになることを、私は心から願っています。
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