【とある日のモノローグ #35】選んだ道を「正解」にしたい
更新日 : 2026年1月11日
受験という大きな岐路に立っていると、ふとした瞬間に「もし別の選択をしていたら」という思いが頭をよぎることがあるかもしれません。あの時もっと早くから始めていれば、別の参考書を選んでいれば、あるいはもっと違う志望校を考えていれば。そんな「選ばれなかった道」への未練が、今の自分の足取りを少しだけ重くしてしまうこともあるのではないでしょうか。
実存主義を唱えた哲学者サルトルは、人間はあらかじめ決められた本質を持っているのではなく、自分自身の選択によって自分を創り上げていく存在だと考えました。彼に言わせれば、私たちの人生に最初から「正しい道」が用意されているわけではありません。むしろ、私たちが何を選び、その選んだ道に対してどのように誠実に向き合っていくかによって、その道の価値が決まっていくのではないか。私は、今の皆さんの状況もまさに同じではないかと感じるのです。
今、あなたが歩んでいるこの道は、他の誰でもないあなた自身が積み重ねてきた選択の結果です。たとえその過程に少しの後悔があったとしても、その道を選んだ瞬間のあなたの決意は、決して否定されるべきものではないはずです。大切なのは、選ばなかった道を振り返って溜息をつくことではなく、「今ここにある道」を自分にとっての正解に変えていくという、静かな覚悟を持つことではないでしょうか。その前向きな姿勢こそが、あなたの人生という物語をより輝かせてくれるように思うのです。
合格か不合格かという結果も、確かに一つの節目ではあります。しかし、より本質的に重要なのは、その結果を出すためにあなたがどれだけ自分を信じて選択し続け、その責任を全うしようとしたかというプロセスそのものです。私は、自らの意志で選び取り、懸命に歩んでいる今のあなたの姿こそが、何にも代えがたい「自分自身」という作品の完成へと向かっているのだと感じています。
昨日までの選択を悔やむのではなく、今日これから選ぶ一歩一歩に心を込めてみてください。あなたが今、この場所でペンを握っているという事実が、いつか振り返ったときに「最高の選択だった」と思える日が来ることを私は願っています。新しい朝を迎えるたびに、自分を新しく創り直していく。そんなしなやかで力強い意志を持って、この一月を駆け抜けていただければと思うのです。