合格というゴールを越えた、その先の景色を語る
更新日 : 2025年11月29日
カレンダーもいよいよ最後の1枚に近づき、受験本番への緊張感が日々高まっていることと思います。この時期、ご家庭での会話は、どうしても目の前の模試の結果や、出願の手続きなど、現実的な話が中心になりがちです。それは、当然のことです。
しかし、私はこの週末に、あえて、お子さんと一緒に「合格した後のこと」を話す時間を作ってみてはいかがかと提案したいと思います。
例えば、
「大学に入ったら、何を勉強したい?」
「どんなサークルに入ってみたい?」
「大学の周りには、どんな美味しいお店があるんだろうね」
といった、少しだけ軽やかな話題でも構いません。お子さんの口から、合格後の楽しい未来の具体的なイメージが語られることで、その時の表情が、ふっと明るくなるのを感じられるはずです。
受験というプレッシャーの渦中にいると、ともすれば、彼らは「目の前の問題を解くこと」だけが目的になってしまいがちです。しかし、その先に、心から楽しみな未来が待っているのだと、親御さんと一緒に共有することで、「何のために頑張っているのか」という根本的なモチベーションが、静かに再燃するのです。
私自身、多くの生徒が「大学でこれがやりたい」と目を輝かせる姿を見てきました。その「やりたいこと」こそが、彼らを最後まで奮い立たせる、最強の力になると知っています。親御さんがその未来を一緒に語り、共有してくれること。それは、この時期のどんな激励の言葉よりも心に響く応援になるのだと強く思うのです。
自分が親になった時にも、子どもの努力を認めつつ、その先の未来を一緒に語り合えるような、温かい関係を築けるように。日々の人との関わりの中で、その理想を忘れずにいたいと思っています。