緊張は「敵」ではない
更新日 : 2025年11月28日
入試本番の教室で、試験開始を待つ5分間は、おそらく人生で最も長く、重く感じる5分間になるかもしれません。手のひらが汗ばみ、心臓がいつもより速く打つ。その「緊張」は、あなたの集中力を高めるためのエネルギーにもなりますが、同時に、過度になると頭を真っ白にさせケアレスミスを誘発する原因にもなり得ます。
大切なのは、緊張を無理に「消そう」とすることではありません。そうではなく、「緊張は最高の集中状態に入るための助走だ」と捉え直し、それをコントロールする技術を身につけることです。
私が皆さんに提案したい、試験開始5分前にできる「心の準備運動」を3つ紹介します。
1. 腹式呼吸で、体を内側から温める
深呼吸は、自律神経を整える最も簡単な方法です。ただ大きく息を吸うのではなく、4秒かけて鼻からゆっくり吸い込み、8秒かけて口からゆっくり吐ききる「腹式呼吸」を3回繰り返してください。吸うよりも吐く時間に重点を置くことで、副交感神経が優位になり、高ぶった心を穏やかに落ち着かせることができます。
2. 冷たくなった手を温める
緊張すると、末端の血管が収縮し、手や足が冷たくなりがちです。特に手が冷えていると、細かい文字を書く動作や、マークシートを塗る動作が鈍くなります。手を強く握ったり開いたりすることを数回繰り返した後、手のひらを強く擦り合わせて温めてください。これは、血行を良くし、感覚を研ぎ澄ますための動作です。
3. 解答手順を頭の中で確認する
問題用紙が配布されたら、すぐに解き始めるのではなく、目を閉じるか、問題の余白に視線を落として、自分がいつも行っている「解答のルーティン」を頭の中で確認してください。「まず全体を見渡し、簡単な大問から手を付ける」「漢字の確認は後回しにする」「マークは5問ごとに照合する」。この手順の確認が、焦りによる思考停止を防ぎます。
これらの準備運動は、すべてあなたの「実力」を確実に点数に変えるための、戦略的な行動です。緊張を「悪いもの」として捉えるのではなく、本番に臨むあなたの真剣さの証だと受け入れ、この準備運動を通じて、最高の状態で試験に臨んでください。あなたの努力が、すべて報われることを心から願っています。