受験直前期「体調」を守るために
更新日 : 2025年11月21日
カレンダーが11月下旬を指し、いよいよ空気の冷たさが身に染みる季節となりました。受験という長い戦いにおいて、学力やメンタルと同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に大切なのが、この直前期の「体調管理」です。どんなに実力があっても、本番で万全の体調で臨めなければ、その力は発揮できません。
手洗いやうがいは、もちろんお子さん自身が習慣にしていると思いますが、親御さんだからこそできる、特にこの時期に気をつけたいサポートを、3つのポイントに絞ってお話しさせてください。
1. 睡眠時間を「削らない」という決断
直前期は、どうしても「あと1時間だけ勉強したい」と無理をしてしまいがちです。しかし、睡眠不足は、免疫力を低下させる最大の原因の一つです。親御さんが、「もう寝ましょうか」と声をかけ、強制的にでも睡眠時間を確保してあげることが重要になります。睡眠は、記憶の定着を助ける時間でもあります。休息はサボりではなく、むしろ勉強の一部だと捉えてください。
2. 加湿と換気の「バランス」を取る
暖房で室温を上げるのは大切ですが、それだけでは空気が乾燥し、喉や鼻の粘膜が弱り、ウイルスが侵入しやすくなります。加湿器や濡れタオルなどで適度な湿度を保つ一方で、定期的な換気も忘れないでください。窓を数分開けるだけでも、部屋の空気は入れ替わり、ウイルスの密度を下げることができます。温かい環境と、新鮮な空気。このバランスを親御さんが意識してコントロールしてあげてください。
3. 栄養バランスの取れた「温かい」食事
脳が最もエネルギーを使うこの時期、インスタント食品や簡単な軽食で済ませる日が多くなってしまうかもしれません。しかし、免疫力を維持するためには、タンパク質やビタミンが欠かせません。帰りが遅い日でも、消化に良く、そして体が温まる汁物やスープを食卓に出してあげる。「温かい食事」、は体だけでなく、お子さんの心も温める、最高の応援になります。
私自身、まだ子育ての経験はありませんが、多くの生徒を見てきて、この時期の体調を支えているのは、親御さんの細やかな気遣いだということを痛感しています。結果を焦るのではなく、まずはお子さんの「体調」という最後の砦を万全にしてあげる。その姿勢こそが、ご家庭全体の安心に繋がると私は強く思うのです。
将来、自分が親になった時にも、そうした細やかな気遣いを欠かさない人間でありたいと、日々の生徒との関わりの中で、自分自身を律しています。