「さて、ここからだ」と一度だけ仕切り直す時間
更新日 : 2025年10月14日
10月も半ばに差し掛かり、朝晩は少し肌寒いくらいの日も増えてきましたね。夏からノンストップで走り続けてきて、少しだけ心や体に疲れが溜まってくる。それと同時に、本番までの距離がぐっと近づいてきた実感に、気持ちが引き締まる。そんな時期ではないでしょうか。
机の上には、夏から使い続けてきた参考書、二学期に入ってからの大量のプリント、週末に解いた模試の束などが、積み上がっているかもしれません。それはあなたの努力の軌跡そのものですが、時として、その物量の多さが「やってもやっても終わらない」という、漠然とした焦りを生む原因になっている、と私は感じることがあります。
私自身、何か一つのことに長く取り組んでいる途中で、集中力がふと途切れたり、進むべき道筋が少しだけぼやけて見えたりした時、あえて一度すべての作業を止めて、自分の身の回りの環境を整える、ということをよくします。大掛かりなものではなく、週末の30分くらいで終わる、ささやかなものです。
机の上のものを一度すべて脇にどけて、これから本格的に向き合っていく志望校の過去問を置くためのスペースを、机の真ん中に作る。やり終えた参考書は、本棚へ戻す。ただそれだけのことなのですが、私はこの時間が結構好きなんです。これまで頑張ってきた問題集の厚みを改めて感じることで、自分の歩みを確認できるような気がしますし、何より、すっきりと整った机の真ん中に過去問が置かれているのを見ると、「よし、ここからが本番だ」と、静かに気持ちが引き締まる。その感覚が、次の一歩を踏み出すための、自分なりの儀式のようになっているのかもしれません。私の父が「机の上はお前の頭の中だ」とよく諭してきました。掃除に囚われて自習室にいく時間が減っては意味がありませんが、夜の寝る前のひと時に丁寧に掃除してみるのもまた素晴らしい体験の一つだと思います。
長いマラソンの途中で、一度立ち止まって靴紐を結び直すような、そんな時間。皆さんは、こういう気持ちが途切れそうになった時や、何かを切り替えたい時、決まってしていることなどはありますか?