間違えた問題は、あなたの「伸びしろ」そのもの
更新日 : 2025年10月11日
採点を終えた答案用紙が返ってくる、あの瞬間。私は今でも、少しだけ息を飲んでしまいます。ページをめくるたびに現れる赤いバツ印が持つ、独特の重さ。自分の頑張りが、まるで否定されてしまったかのような、心細い気持ち。きっとあなたも、同じような経験があるのではないでしょうか。
バツ印が教えてくれること
その一つひとつのバツ印は、あなたの努力を否定するものではありません。むしろ、次に何をすべきかを具体的に示してくれる、とても重要な情報なのだと考えてみてください。「この知識の理解が、まだ足りていない」「この単元は、もっと演習が必要だ」というように、問題そのものが、あなたの課題を客観的に指摘してくれているのです。
そう考えると、間違えるということは、決してただの失敗ではありません。今の自分に足りない部分を正確に把握できた、という意味において、それは一つの「成功」なのだと私は思います。
「なぜ?」と問い直すことの価値
まずは、まっさらなノートに、間違えた問題を書き写してみてください。そしてなぜ自分はこの答えを選んだのか、どこで考えを誤ってしまったのかを、じっくりと振り返ってみるのです。解説を読み、自分の思考の過程と見比べてみる。その作業は、自分自身の考え方の癖や、理解が曖昧だった部分をはっきりとさせてくれます。
そして、「そうか、ここが分かっていなかったのか」と、原因に気づけた瞬間。その納得感は、誰かに教えられる知識よりも、深くそして確かに自分の中に定着します。この一つひとつの納得の積み重ねこそが、本当の学力になっていくのです。
小さな「できた」が本物の自信に変わる
その小さな「分かった」という経験を一つひとつ積み重ねていくことが、静かでしかし揺るぎない自信そのものになります。それは、単にテストの点数が良かった、という自信とは少し違います。自分が何を苦手とし、それをどうやって克服したのかを知っている。その経験こそが、厳しい場面で自分を信じる本当の力になるのです。
ですから、間違いを恐れないでください。むしろ、成長できる点をたくさん見つけられたと考えてほしい。一つひとつの課題に、自分の未来のために、丁寧に向き合っていくことを心から願っています。