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【とある日のmonologue #10】散歩のついでに「純喫茶」へ

更新日 : 2025年9月29日

思考というものは、えてして袋小路に迷い込むものである。あたかも、出口を見失った哀れな子羊が、同じ場所をぐるぐると回り続けるように、私の脳細胞もまた、ある一点の課題を前にして、空虚な反芻運動を頻々と繰り返すことがあるのだ。

「さて、どうしたものか」と、腕を組み、眉間に深い谷を刻む。そのポーズ自体に、問題解決能力が一切含まれていないことなど、当の昔に気づいている。しかし、他に為す術を知らぬ私は、今日もまた、塾の事務所で、偉そうに、しかし内心では途方に暮れながら、うんうん唸っているわけである。

そんな、知的生産性の観点から言えば、甚だ遺憾な状況を打破すべく、私が最近見出したささやかな抵抗それこそが、近所の純喫茶への戦略的逃亡、なのである。

「純喫茶」がいい

もちろん、巷にはお洒落なカフェなるものが、雨後の筍のごとく乱立している。しかし、ああいった場所は、どうにも落ち着かない。もちろん新作のフラペチーノに舌鼓を打つことも、こじんまりとしたプレート料理を食べることも好きだ。けど純喫茶からしか得られぬ養分もあるのだ。

その点、純喫茶はどうだ。年季の入ったベルベットの椅子、少しだけ薄暗い照明、そして、時間の流れが、そこだけ昭和で止まっているかのような、あの独特の静寂。そこには、「生産性」や「効率」といった、現代社会の喧騒から切り離された、一種の治外法権的な空気が流れているのだ。私が求めるのは、まさしく、これである。

家でも塾でもない、「第三の場所」がもたらす魔法

社会学の用語でいうところの、「サードプレイス」という概念がある。家庭(第一の場所)でもなく、職場や学校(第二の場所)でもない、精神的な安らぎを得られる、第三の居場所のことである。私にとって、あの純喫茶は、まさしく、このサードプレイスに相違ない。

不思議なもので、塾の自習室で、あれほどまでに袋小路に迷い込んでいた思考が、純喫茶の、少し硬い椅子に腰を下ろし、特徴のないブレンドコーヒーを一口すすると、すっと、解きほぐれていくことがある。環境を意図的に変えるという行為が、脳に新しい刺激を与え、凝り固まった思考の回路を、強制的にリセットしてくれるのであろう。

家や塾という、”やるべきこと”に満ちた空間から、物理的に距離を置く。そして、コーヒー一杯分の時間だけ、思考を、あてもなく、さまよわせてやる。そうすることで、思いもよらない場所から、アイデアの糸口が、ひょっこりと顔を出す。これは、経験上、間違いない。


かくして、私は、今日もまた、解決すべき課題の山を前にして、ふらり、と自習室を抜け出すのである。それは、決してサボタージュなどではない。むしろ、より高い知的生産性を実現するための、極めて高度な戦略的行動であると、私は、ここに、声高に主張するものである。

皆さんも、もし、思考の迷宮で遭難しかけたならば、あなただけの「サードプレイス」を探してみてはいかがだろうか。それは、近所の公園のベンチかもしれないし、図書館の片隅かもしれない。そこで過ごす、非効率で、無駄な時間こそが、案外、あなたを、その袋小路から救い出してくれるのかもしれない、などと、そんなことを、珈琲の湯気を見つめながら、ぼんやりと考える、そんな、とある日の昼下がりなのであった。

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